basic2 | 音楽リスナーとPCユーザのための著作権パブコメ準備号

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あらためて書いておきましょう。


【概要】
私的録音録画補償金制度というのがあって、既にデジタル機器を買うときには補償金を払っているのだけど、iPod などHDD 内蔵オーディオ機器やパソコンに内蔵されたハードディスクにまで広げようという意見があって、文化庁で議論してた。


おおよそまとまったところで、パブリックコメントという、国民の皆さんはどうですか?と意見を提出するのがはじまります。はじまりました。それじゃあ困るという人は、みんなでそれを出しましょう。そうじゃないと困るという人も止めません。


「文化審議会著作権分科会法制問題小委員会 審議の経過」に対する意見募集について
http://www.mext.go.jp/b_menu/public/2005/05090803.htm

提出期限:  平成17年10月7日(金曜日)(必着)


今のところ、iPod などHDD 内蔵オーディオ機器については、賛成と反対に意見が分かれています。みなさんの意見が、導入されるかされないかを決める可能性もあります。

パソコンに内蔵されたハードディスクについては、ほぼ反対意見が大勢を占めていますが、導入しようと頑張っている人たちもいます。

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【私的録音録画補償金制度というのは何でしょう】

著作権ってのは、複製権(二十一条)があって、複製するときは一部だろうが自分のためだろうが自分のものからのコピーだろうが、権利者全員の許可がいるんですよ。まあ「私的な場合」なら多少はね、いちいち許諾とるのも大変だし取りに来られても困るし、文化の発展ってやつのためには多少の我慢は必要ですからということで権利制限、つまり権利者の複製権が及ばないということにしてたけど(三十条)、デジタルなんて便利なものができたら権利者たまったもんじゃないデスよ、全部は制限できないなあ(三十条2)。でも、いちいち許諾したら大変なんで、例外規定作らなきゃ(百四条の四)。録音出来る機器と録音されるメディアを買うときに先払いしてもらって、音楽を録音していないことが証明されたら返金しますよ(百四条の四の2)。


というようなものです。先払いさせるには、製造販売業者の協力が必要で、どんな機器やメディアは先払いしないといけないかってのは、法令で指定されます(三十条2)。既にMDやCDRなどとその対応機器を買うときには、前払いしています。パソコンなどに使われる汎用HDD、ipodなどのHDD内蔵型プレイヤーにも先払いしてもらいましょう、そういうのをいちいち法令で指定するのもやめましょう、という要望がでています。

 

上記意見募集についてのところからたどり着ける説明はこちら。

(1) 現行制度
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/toushin/05090806/009.htm


【パブリックコメントはどうしたらいいでしょう】

パブリックコメントというのは、こういうものです。


規制の設定又は改廃に係る意見提出手続
(いわゆるパブリック・コメント手続)


 パブリック・コメント手続とは、行政機関が政策の立案等を行おうとする際にその案を公表し、この案に対して広く国民・事業者等の皆さんから意見や情報を提出していただく機会を設け、行政機関は、提出された意見等を考慮して最終的な意思決定を行うというものです。
 特に、国の行政機関が新たな規制を設けようとしたり、それまで行っていた規制の内容を改めたり、規制を廃止しようとする場合には、そのような機会を設けなければならないことを閣議決定(平成11年3月23日)し、平成11年4月から実施しています。
 本手続は、国民・事業者等の皆さんの多様な意見・情報・専門知識を行政機関が把握するとともに、行政の意思決定過程における公正の確保と透明性の向上を図ることを目的としています。
http://www.soumu.go.jp/gyoukan/kanri/a_07.htm


誰でも提出できますし、法律やら何やらに詳しくなくても大丈夫です。
自分が思ったことをそのまま書いて、賛成、反対を示すことが大事なのです。

 

 パブコメの書き方は、こちらのエントリを参照してください
http://ameblo.jp/chosaku/entry-10004294676.html

このへんも参考にしてください。


知的財産推進計画改訂のパブリックコメントを提出する: よくある質問(書き方編)
http://publiccomment.seesaa.net/article/712412.html
同 : よくある質問(提出方法編)
http://publiccomment.seesaa.net/article/690114.html
同 : 本間忠良・日本大学法科大学院教授によるアドバイス
http://publiccomment.seesaa.net/article/680222.html


【審議の経過】

文化審議会著作権分科会法制問題小委員会 審議の経過(PDF:1,132KB)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/toushin/05090806/all.pdf
を元に、募集がされてます。


このブログでも内容について検討しますが、さくっと目を通してみてください。


 2. 私的録音録画補償金の見直しについて
(1) 現行制度
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/toushin/05090806/009.htm
(2) ハードディスク内蔵型録音機器等の追加指定について
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/toushin/05090806/010.htm
(3) 汎用機器・記録媒体の取扱いについて
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/toushin/05090806/011.htm
(4) 政令による個別指定という方式について
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/toushin/05090806/012.htm
(5) その他(私的録音録画補償金制度の課題について)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/toushin/05090806/013.htm

ここまでのところは、およそこんな感じ。


「ハードディスク内蔵型録音機器等の追加指定について」
→賛成反対に分かれて結論が出ない
「汎用機器等・記録媒体の取扱いについて」
→導入は難しいとの声が多数
「政令による個別指定という方式について」
→現行制度を維持すべきという声が多数
「その他(私的録音録画補償金制度の課題について)」
→問題点が指摘されています


【念のため。】
趨勢を見ると、ハードディスク内蔵型録音機器つまりipodの問題以外は安心してしまいそうですし、ハードディスク内蔵型録音機器もすぐに指定されるってことにはならないかもしれませんが、過去の例を見ると、そうもいかないようです。


以下に書いていた部分は、

 過去のパブコメ
http://ameblo.jp/chosaku/entry-10004295013.html

に移動しました。


TBで辿ってきた方は、リンク先へどうぞ。


このブログの案内所はこちら

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http://ameblo.jp/chosaku/entry-10004416653.html