最近、しょっ中「自宅での、鬱にならない過ごし方」とか「不安とどう向き合うか」みたいな記事やメールを目にする。元来引き籠りがちの自分にとっては、今のロックダウンが余り苦ではなく、あれれ、今落ち込んでいなきゃいけない時期なの?と思ってしまう。

残念なのはハワイでの友人の結婚式と、プエルトリコのコンサートツアーが延期になった事。でも折角練習したので、自宅から演奏をライブ配信する事に。


マイクとパソコンのカメラをセットして、予告した時間にストリーミング開始。



ライブ配信は日本とアメリカから述べ140人が見てくれて(アクセスの数だから、家族で観ている人はもっと多い)、終わった後は見てくれた人達からメールやメッセージの嵐。中には大スクリーンで見たよ、と写真を送ってきてくれた人も。私は映画スターなのか。

部屋に誰もいないのに、パソコンの向こう側に誰かがいて聴いているのかと思うと、不思議な感じ。それよりも、私の頭が、コンサートなのに誰もいない、でも聴かれているという状況に酷く混乱して、いつになく緊張してしまった。間違えない様に弾くのが精一杯となってしまい、演奏後は逃げる様にカメラを切ってしまった。色々反省点のあるコンサートだったけど、やって良かったかな。

このコンサートで癒された、励まされた、という感想に私の方こそ励まされる。神様に感謝。

ロックダウンが始まって1ヶ月半。もうすっかりこの生活に慣れた。始まった頃は「いつか戻るんだから」と思って色々中途半端にしていたけど、それでは仕事や生活がし難いから、色々必要な物を買ったり模様替えしたり、忙しくなった。ニューヨーク知事が「もう社会は元に戻らない。コロナが収束する頃には“新しい普通”ができている」と言ってた。その通りだなーと思う。

ピアノレッスンもスカイプでやるのにすっかり慣れたし、生徒達も(というか学校の先生が)自宅での学習のコツを掴んだ印象。ピアノレッスンは楽譜に書き込んだり、腕を支えたりとか細かい指導ができないのは不便だけど、今教えている生徒は皆ある程度きっちりと基礎ができているので、何とかなっている。自宅だから皆パジャマのままで、後ろに映り込んだキッチンにはお父さんが用もないのにウロウロしていたりする。

イギリスではたった9%の人がコロナの前の状態に戻りたいと回答したそう。確かに工夫をすればオンラインで仕事も飲み会もできるし、食料配達だってしてもらえる。何故今までそれをしなかったのか、という感想もある。でもそう答えられるのは自宅で仕事が出来る、ある意味恵まれた人達で、どうしても自宅で仕事ができない人にとっては今の状況はとても大変なものだと思う。

コロナが収まって、経済活動がまた再開された時、今の状態の良い所がそのまま受け継がれて、きっともっと良い社会になって行くのだと思う。それがいつかは分からないけど、希望を持って待とう。

世界中でコロナが蔓延して、アメリカではニューヨーク、ニュージャージーは特に患者数が多い。自分への影響としては、プエルトリコへのコンサートツアーが延期になった事、他のコンサートも無くなった事。教会の奏楽の仕事も、礼拝がキャンセルになってなし。今度の日曜からオンライン礼拝を始めるから、自宅で仕事!

学校も3月中ばから自宅でパソコン授業になったから、ピアノレッスンの生徒たちもスカイプでレッスン。最初はバケーションモードだった生徒達も直ぐに学校の課題の多さに圧倒されて、ピアノそっちのけだったけど、問答無用で厳しく指導。ヌハハハ。

でも生徒達も直ぐに慣れて、さすがニューエイジといったところ。Zoomでバーチャルプレイデートとか、ダンスパーティーしたりしているって。てか、みんな家にいる時は起きててもパジャマなのね。

いつも年度末にするピアノコンサートも今年はできるか分からない。もしかして私もZoomでバーチャル発表会するかも。

早くこの疫病が収束します様に。自分には祈る事しか出来ない。


今年も大好きな、そして一番忙しくなるクリスマスの時期になった。

数あるコンサートの一つに毎年恒例となりつつある、エンパイアステートビルでの演奏。もう5年目くらいかな。働いている人達やガードマンとも顔見知りになって、また今年も逢えたね、と挨拶されるのが嬉しい。

ガードマンにインド人が何人かいて、リクエストでインドの曲のピアノアレンジを弾いたら、やんやの大喝采。本当はクリスマスのクラシックじゃないといけないんだけどね。

このシーズンの好きな所は、飾り付けが可愛い事。あちこちに綺麗な飾りがされていて、自分では絶対飾り付けない代わりに、他所の飾りを堪能している。


ワールドトレードセンターもクリスマス一色。小さな村が出現、クリスマスの飾りや小物、クッキーなどの屋台が並ぶ。


ガーデンもある。

なんといっても一番のクリスマスの楽しみはイエス様の誕生をお祝いする事。今年も全てのことに感謝。



7歳位の女の子が、「ママ、赤ちゃん可愛いね〜。赤ちゃんのほっぺたは腐った桃みたいに柔らかいよ〜」とデレデレしながら下の子を愛でていた。

確かに柔らかさ、毛の生え具合はピッタリ。自分の中で最優秀コメント賞を贈っておいた。

ほっこりする瞬間に感謝。
少し前に、マーク・トゥエインの「トム・ソーヤーの冒険」を英語で読んだ。小学3年生の頃、(勿論日本語で)夢中で読んだ冒険譚。トムの破天荒ぶりにハラハラさせられたけど、英語で読んだらもっと面白かった。作者本人の多彩(本当に色や空気が見える感覚)な表現力が直接伝わってきて、ストーリーだけでなく行間がこんなに面白いなんて、と感動した。アメリカの風習や英語の言い回しも今ならもっと理解できるから、小さい頃読んで疑問だった事とかがやっと氷解した。例えば日曜学校のくだり。トムが皆の前で「最初にキリストの弟子になった二人の名前は?」と訊かれて、「ダビデとゴリアテです」と答えたんだけど、今ならこれはとんでもなく面白い。でも当時は何が何だかさっぱりだった。あと、「首根っこにかじりついて」という日本語訳、今でならハグも日本語として市民権を得ているけど、最初の翻訳がされた頃はそんな言葉、若者の間でも無かっただろうし、読んだ私は「首?根っこ!齧り付く?」とドラキュラとかクロネコヤマトの絵が頭の中にぐるぐるしていた。訳者の苦労というか、大罪は、メダカの学校並みだ。

あと、芥川龍之介の晩年の著作集を読んだ。自己の死を予感して(というか、自殺だから予定なのか)、文体が更に暗く、かつ研ぎ澄まされている印象。私のような凡人には、あらまあ、そんなにこの世を辞めたいの、という感想なんだけど。晩年はよく言われている様に「筋のない小説」の意義を強調していて、文学のための文学を書いていた。ふと、それがフランツ・リストの音楽のための音楽に傾倒した事ににていると思った。リストも交響詩を編み出し、最後は無調の曲をも描いたりしている。まるで「話らしい話のない」心境小説と被る。

ある程度既存の物を極めてしまうと自分の型を見出すために思案し、内向的になっていくのか。ある人は晩年の悲観の救いをキリストに求め、ある人は自己解決を図る。

私には自己解決なんて到底無理。まだそんな心境にすら達していないし、するかも分からないけど。

凡人でも天才でも一葉に救ってくれる神様に感謝。
ちょっとフラっと行ってきた。アムトラックで3時間半位だったかな。


どの街に行っても水陸両用のダックツアーに乗ってしまう。水辺からの眺めは最高。


キャピタル。前からも後ろからも、因みに横からも同じにみえて、方向感覚が分からなくなる。


スミソニアン動物園にも行ってみた。ああパンダになりたい。


視力検査のエイ。


ホワイトハウス。安倍首相の来る直前だったので、厳戒警備だった。


中華街の門。ニューヨーク、シカゴ、サンフランシスコでも見たけど、各地に入植して街を作る中国人ってすごい。


リンカンメモリアルを観た後、モールを歩く。フォレスト・ガンプを思い出す。


夜のキャピタル。中々の景観。

DCは、当たり前だけど、政治と文化の街で、ニューヨークほどごちゃごちゃしていないし、美術館がただなのが嬉しい。ナショナルギャラリーを観られて満足。個人的には、ニューヨークのメトロポリタン美術館とシカゴ美術館のコレクションの方が好きだったけど。

今回は弾丸旅行だったけど、非日常を味わえて良かった。夜はホテルのジャクジーでリラックス。感謝。

前に弾いた、ニンボス・ダンスカンパニーの曲のレコーディングをしてきた。キム・シャーマン女史によって作曲された新しい作品で、リハーサルも録音も彼女の立会いの下に行われて、ドキドキ。作曲家本人に会えるのは面白い。


久しぶりのレコーディングスタジオ。ここのおじさんは(偉いプロドゥーサー)テリー・ライリーの録音をほぼ手掛けたそうで、彼直筆の楽譜が飾られていたりした。


ちょっとしたガラクタ堂の様にもなっていて、各国の珍しい楽器に混ざってミニピアノも。弾いてみたら鉄琴の様な音。ドがラにずれていた。

無事に全曲の録音も終わり、一安心。録音するといつも細部が気になって感情が無限ループなんだけど、作曲家本人が良いと言ったから、良いのかな。

今度はこの録音がブルックリン・アカデミー・オブ・ミュージックでのダンス公演とそのリハーサルに使われる予定。観に行くの楽しみだけど、自分の演奏が気になってダンスはちゃんと観られるかしら。

昼前に仕事が終わって感謝。

毎年クリスマスの恒例、エンパイア・ステート・ビルでの演奏。このビルで働いている人達とも顔見知りにもなったし、何より、彼らがこの時期になると、私をリクエストするそう。こんな私で良いのか、恐縮しつつ、マネージャーはご満悦。


エンパイアの華やかなクリスマスツリーは、毎年見ても楽しい気分になる。4年目ともなればレパートリーも増えて、ここでの演奏も楽になってきた。去年辺りからインスタとかSNSに載せる人が増えてきて、色々な人にスマホ向けられた。恥ずかしいけど、演奏に集中して頑張る。


年末といえば、怒涛のクリスマス関連の仕事の後、恒例の味噌作り。ひよこ豆と麹と塩だけで仕込み。ひよこ豆の味噌は優しい甘い味。10ヶ月後位から食べられる。楽しみ〜。


2018年も無事に終わる事に感謝。

ジャージーシティを拠点とするニンボス・ダンスカンパニーのガーラコンサート兼ディナーでダンサー達のピアノ伴奏してきた。会場はマンハッタンが見える水辺の高層ビルの上層階。


ファンドレイズを兼ねてのディナーとコンサートだったので沢山の華やかなスポンサーや支持者達が出席。私は相変わらず黒い服で、出番まで端の方で隠れている。


お洒落しているピアノ生徒の親達にも会い、実はこんなに偉かったのかと感心。かく言う私も、彼女達にピアノが上手いと褒められる・・・そりゃ先生だもの、弾けますわ。

久しぶりにダンサー達との共演で楽しかった。