アビエイター 2004年 アメリカ
歴史に残る大富豪、
ハワード・ヒューズの半生を描いた物語。
破天荒でどこまでも強気に、
少しの妥協も許さず理想を追い求める執念深さと、
触れればポキッと折れてしまいそうに
ナイーブな内面を併せ持つ主人公を、
ディカプリオが見事に演じています。
神経症的な演技にも、うならせられます。
普段は部下に怒鳴りちらすヒステリックなキャラなのに、
気に入った女性の前では
とたんに子猫のように猫なで声になる。
女ったらしと分かっていても、
ついつい抱きしめてあげたくなるような、
母性本能をくすぐられてしまう魅力があります。
ディカプリオが女性をくどく時の
ささやき声がとってもセクシーでよいです。
キャサリン・ヘップバーンと2人きりでの夜間飛行は、
タイタニックの「空を飛んでるみたい」な
あの有名なシーンをぐっと大人にした感じで素敵です。
そして、キャサリン役のケイト・ブランシェットが
本当にかっこいい。
女優がセックスシンボルとしてだけ求められていた
あの時代にあって、
キャサリン・ヘップバーンという女優さんは、
ジェーン・バーキンや天美祐希のように
女が憧れる男前な女優さんだったのでしょう。
大富豪として、
いくらでも有名女優をものに出来たはずのハワードですが、
本当に心を許していたのは、愛していたのは、
キャサリンだけだったような気がします。
ハワード・ヒューズという名前を聞いたことはあっても、
大金持ちだったとか、映画に絡んでたぐらいの
知識しか無くてこの映画を見たので、
すんなり理解しにくい部分もありました。
アメリカ人なら、「知ってるつもり」的なもので
大まかな人となりが予備知識としてあるんでしょうが。
まずはウィキペディアで検索してから見るとスムーズかも。
彼が今の時代に生きてたら、
間違いなくパリス・ヒルトンのような
お騒がせセレブとしてインターネットを賑わせていたでしょう。
ジーン・ハーロウ役でグウェンちゃんも出てます。
おすすめ度 ★★★★