ストックホルム到着/26.Feb | アマヤドリ

ストックホルム到着/26.Feb



電車で国を越えてゆくと少しずつことばがかわって行くのが分かるから、面白い。
ひとのことばも、駅の表示も。

夜ストックホルム中央駅に着く。
さすがにホテルをとってあったのだけれど駅からどのくらいの距離なのかは分からない。
日本でホテルを考えていたときには歩いてゆくつもりだったけれどこの雪とこの荷物では無理と判断して、タクシー乗り場へ。
タクシーのおじちゃんに地図を見せると、分かるよ、とすぐにスタートしてくれる。


何を読んでだったかな。延々と雪と森をみつめながら電車に揺られているとふとおとぎの国のようにあらわれるのがストックホルム、と書いてあった。
本当にその通り。
オレンジや紫に照らされたたてもののぎっしりつまった丘はどこか中近東の匂いがして、お菓子の国とか小人の国のようだった。

タクシーで20分ほど行ったところにホテルはあった。
…また、これを歩こうとしていたんだなあと思うと、自分の無謀さにびっくりするけれど。
知らなかったのだけれどここはチャイニーズホテルだった。受付の中国人の男の子がにこっと私を迎えてくれた。
なんだかほっとして色んなことを聞いた。明日ガムラスタンに行きたいんだけどバスはどこから乗ればよいか。電車はどうやって乗ったらいいか。
男の子はHaoという名前だった。
すごく親切に色々教えてくれて最後に、実は僕は明日このホテルは非番で、勉強しかやることがない。だからよかったらストックホルムを案内してあげる、と申し出てくれた。以前ガイドのアルバイトをしていたし、もしひとりで心細かったらいつでも電話をちょうだい、と、電話番号を渡してくれた。

親切が嬉しかったし、ひとりで心細いのはピークに達してもいたので迷ったけれど私はやっぱりひとりで出かけよう、と考えていた。
一日中ふたりでいて話せるほどの英語力がなかったし、どうやってそのガイドのお礼をしたらいいか分からなかった。
夜中までぐるぐる考えながらも、うん、やっぱりひとりで行こう、と決意。
この夜は。