「はい、これお土産だよ」

彼女はいつもそう言ってお菓子の入ったビニール袋を渡してくれる。

「なに、またパチンコ行ってきたの?釘締まってんだから行っちゃだめだよ」

いつもそんななんともない会話を、彼女の肩を揉みながら交わす。


歳はおそらく私の母と同じくらいかもう少し上、だろうか。
まぁ彼女はいつも冗談で、

「私煙草買えるかしら?19に見えないかしらね」

とか言いながら笑っているのだが。


そんな彼女が昨日、パチンコの景品と一緒に

「これ見た瞬間に、あんたの顔が浮かんだんだよね」

と、ピンクゴールドのネックレスを渡してきた。


雀荘の一客人と一従業員。

だけど彼女が私を娘や孫のように可愛がってくれているのは感じていたし、私も彼女をどこか母親のように思っているところはあった。

それでもまさか私のために贈り物をしてくれるとは思ってなかったし、私の顔が真っ先に浮かんでくれたことが嬉しかった。


今度またパチンコ帰りの気まぐれな彼女がやって来たら、肩をほぐしてあげよう。

彼女が好む少し強めの肩揉みに、感謝の気持ちも目一杯込めて。

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