第216話「テキサスは死なず!」

放映日:1976/9/3

 

 

ストーリー

三上は街を歩いている最中、今井(木村豊幸さん)が2人の男を追いかけながら発砲するのを目撃した。

今井の銃弾は女性の胸部に命中し、女性は即死した。

三上は拳銃を抜き、今井を追跡した。

今井は2発拳銃を乱射させ、通りすがりの男性1名と女性1名に命中し、死亡させた。

今井はビルの2階にある雀荘に籠城した。現場に山村と警官隊が到着した。

今井は雀荘の窓を割り、拳銃を連射してきた。

三上は激高し、今井のもとに突入しようとしたが、山村に全員避難しているとして制止された。

山村は今井を射殺しなければならなくなるうえに、拳銃の入手先が分からなくなると諭した。

山村は今井の様子を見ようとしていた。

山村は藤堂に報告し、藤堂から事件の指揮を任された。

明子は三上が本庁への転勤が決まってから、事件と聞くと凄い勢いで飛び出していくのを心配していた。

藤堂は三上が石塚達を差し置いて本庁に異動するのが辛いことに気付いていたが、馬鹿な真似はしないと思っていた。

雀荘のビルの前は七曲署捜査一係の捜査員と警官隊が包囲していた。

今井は落ち着きを取り戻しつつあった。

山村は拳銃を三上に渡し、三上に居残るように命じ、丸腰で今井を説得しようとしていた。

今井は説得に応じず、2発乱射してきた。

石塚と三上は今井に応戦しようとしたが、山村に制された。

山村はビルに入っていった。

今井は拳銃を構えたが、中に戻った。

山村は今井の説得に成功した。

今井は警官隊に連行され、山村に拳銃を押収された。

山村と三上は今井を取り調べていた。

今井は喧嘩を売られてかっとなり、女が1人倒れたのを見て、怖くなってただ逃走したかったと説明した。

今井は殺害する気で拳銃を撃ったわけではなかった。

今井は拳銃を、中島という売人から購入していた。

今井の所持していた拳銃は、命中率が悪い上に殺傷力が絶大な密造拳銃だった。

山村は既に拳銃が出回っていると推測した。

島と田口により、中島が若葉出版のセールスマンであることが判明し、捜査員が出動した。

三上は山村に、制止してくれたおかげで、今井を射殺せずに済んだことに感謝した。

三上は本庁に異動する前に、捜査員の役に立ちたいという理由から焦っていた。

山村と三上は中島宅に突入したが、部屋の中では中島が腹を撃たれて倒れていた。

三上は付近を捜索したが、既に相手はいなかった。

三上は犯人を取り逃がしてしまったことを後悔した。

中島は一命を取り留めたが、意識が当分戻らない状態だった。

三上と田口は中島の病室にて待機していた。

三上は昼間の平和な街で、自分の見ている前で市民が射殺されたことに激怒していた。

中島の病室の番号を聞いた男が玄関前までうろうろしているという連絡を受け、三上は田口を残して受付に行った。

勝田健一(36歳)(鹿内孝さん)という男は、掃除人に扮し、病院に潜入していた。

勝田は中島の病室に侵入し、中島を刺殺しようとしたが、田口が間一髪で阻止した。

勝田は田口を突き飛ばし、病室から逃走した。田口は勝田を追跡中、足を撃たれてしまった。

三上は勝田を見失ってしまった。三上は看護婦に田口の手当てを依頼した。

密造拳銃が大量生産されていることが確定し、巨大な拳銃密造組織があることが推測された。

三上は拳銃密造団の黒幕の逮捕を志願し、藤堂に事件が解決するまで異動を延期するように申請したが、藤堂に断られた。

田口の傷は骨に異常が無かった。

中島は5年以上前(1971年頃)、町の鉄工所「村木製作所」で旋盤工をしていた。

島は中島が自分で拳銃を密造しているのではないかと推理した。

野崎と島は村木製作所に赴き、工場長の村木甲造(45歳)(高城淳一さん)に事情聴取を行った。

村木によると、中島はしっかりした旋盤の技術を持っていたが、時折鉄材を持ち出したため、懲戒免職になっていた。

石塚と三上と田口は中島の病室を警備していたが、中島の見舞いのために村木が現れた。

村木は中島に花を差し入れ、帰って行った。

石塚は村木が差し入れた花束に仕掛けがないかを確かめたが、特になかった。

石塚と三上は、村木が中島を見たときの目を、中島が本当に意識不明になっているかを探っているのではないかと推理していた。

三上は村木製作所に戻る村木を尾行していた。

村木製作所は営業を終了させ、従業員を帰宅させていた。

村木は製作所の地下にある拳銃密造工場に入っていた。

村木は勝田に、中島が当分喋らないだろうと報告した。

勝田は拳銃の取引相手に、明日の取引について電話していた。

村木は拳銃密造の最後の仕上げにとりかかろうとしていた。

三上は張り込み中に眠ってしまったが、村木製作所の照明が消えているのに、なぜか機械が動いていることを察知した。

三上は地下室から旋盤機械の音を聞いた。三上は物音がしたので物陰に隠れた。

製作所から勝田と村木が現れ、密造拳銃の木箱をトラックの荷台に敷き詰めた。

三上は会社「羅生門」のトラックに同乗させてもらい、密造拳銃を運搬しているトラックを追跡した。

山村は村木製作所が現在にどことも取引していないことを掴んだ。

藤堂は山村に、村木を尾行したまま連絡を絶っている三上のために、村木製作所に直行するように命じた。

密造拳銃を運搬したトラックは廃工場に到着した。

三上は密造拳銃の取引のことを藤堂に報告し、藤堂から無理をしないように命じられた。

密造拳銃の取引相手が廃工場の2階に到着した。

三上は屋上から廃工場に侵入し、密造拳銃の取引を見た。

拳銃密造組織の一人の瀬川光明(29歳)(御影伸介さん)はライフルを所持していた。

木箱の中には大量の密造拳銃と、大量の銃弾が入っていた。

村木は取引相手から大金の入ったアタッシェケースを貰った。三上は密造拳銃で射殺された3人を思い出した。

密造組織の構成員は密造拳銃に弾を装填させていた。

山村と野崎、石塚と島は廃工場に急行した。

三上は10人の相手に、一度に6発しか撃てない拳銃で対抗できるか悩んでいたが、何とか密造拳銃の流通を食い止めようとしていた。

拳銃密造組織は密造拳銃の入った木箱を車のトランクに敷き詰め、取引を終了させた。

拳銃密造組織と取引相手は車に戻り、廃工場から発進しようとしていた。

三上は1階に飛び降り、全員拳銃密売の現行犯で逮捕すると宣告した。

三上は取引相手の1名(吉中正一さん)の腕を撃ち、工場内の荷物に乗り上げて車の運転を止めさせた。

三上は犯人達から発砲され続けた。

勝田は村木に拳銃を渡した。村木は逃走したが、三上に腕を撃たれた。

三上は拳銃密売組織と取引相手を出口から離そうとしていた。相手は残り8人だった。

三上は拳銃密売組織の構成員の2名の右腕に発砲した。相手はあと6人、拳銃にはあと2発残っている状態だった。

瀬川は三上の残りの銃弾を把握していた。三上は瀬川を探そうとしていた。

三上は遮蔽物の木箱とドラム缶に身を隠していたが、横から拳銃密売組織構成員2名に銃撃され、構成員2名を倒した。

三上は木箱とドラム缶に屈みながら素早く銃弾を装填した。

三上は構成員を1名倒したが、瀬川に撃たれてしまった。

三上は構成員と勝田に発砲したが、瀬川に腹部を撃たれてしまった。

三上は瀬川を逮捕しようと立ち上がり、拳銃を突きつけたが、瀬川に腹部を3発撃たれてしまった。

三上は必死の瀬川に拳銃を向け、瀬川に発砲した。

山村達が廃工場に到着したが、拳銃を持って立ち尽くしていた三上は倒れ込んだ。

山村は自分の言葉を忠実に守った三上を称賛した。

三上は山村達に、拳銃ルートの黒幕を壊滅させるように頼んだ。

三上は全員の顔を見て、お世話になりましたと言い残し、絶命した。

 

 

メモ

*今回より、PART2の「長さんの長い午後」まで使われるサブタイトル用BGMが初使用。

*3代目新人刑事、テキサスが殉職。

*ニールセンの調査では、今回が「太陽」最高視聴率であるとのこと。(なんと42.5%!)

*「テキサス刑事登場」でテキサスの先輩を演じた高城氏が、今回は悪役として出演。刑事の登場編と殉職編両方に出ているのは高城氏と森幹太氏ぐらい。

*「追跡! 拳銃市場」や「ゴリラ」と同じように、拳銃密造組織が登場し、「追跡! 拳銃市場」と同じく非常に危険な拳銃が登場。

*テキサスは自分がいたにも関わらず、通行人が射殺されるのを食い止められなかった責任から、冷静さを失い、密造拳銃の被害者を何度も思い浮かべる。

*アッコは終始、冷静さを失っているテキサスを心配している。案の定、テキサスは無茶をして殉職してしまった…

*テキサスが村木製作所を張り込むシーンでは、「ひとり立ち」が流れている。

*テキサスは本庁転勤への焦りと、目の前で密造拳銃での被害者を出してしまった責任感から、無謀にも拳銃密造の取引を阻止しようと果敢に立ち向かう!

*テキサスは10人の相手との銃撃戦を開始。後の「石塚刑事殉職」にも受け継がれる。

*テキサスは山さんの言葉を守り、拳銃密売組織の構成員を全員射殺せず、右腕だけ撃って怯ませるが、瀬川に4発を腹部に撃ち込まれてしまう…

*性格がよく似ており、よく意気投合した弟分を失い、今にも号泣しそうなゴリさん。

*ラスト、テキサスの活躍の回想シーンの背景で、テキサスは山さん達の名前をそれぞれ3回叫ぶ。(「山さん、山さん、山さーん!」みたいに)殿下が「島さん」なのが細かい。

*アッコの大号泣。アッコが刑事の殉職に遭遇するのは今回のみ。

*テキサスは拳銃密売の黒幕を逮捕するように、山さん達に伝え、絶命する。一係は「ジュンの復讐」にて黒幕を逮捕することとなる。

*勝田は「ジュンの復讐」にも登場するが、殺し屋の岡辺に射殺されている。

*「ボス、ボスーゥゥゥゥゥゥゥゥ!」

*「殉職刑事たちよ やすらかに」にはテキサス殉職時の事件の記事が登場し、村木と勝田と瀬川のフルネームと年齢が判明するが、村木の名前が「岩崎」となっている。

*今回の脚本は中村氏。中村氏はアクション編も数編手がけている。

 

 

 

キャスト、スタッフ(敬称略)

藤堂俊介:石原裕次郎

三上順:勝野洋

田口良:宮内淳

野崎太郎:下川辰平

 

 

矢島明子:木村理恵

勝田:鹿内孝

村木甲造:高城淳一、今井:木村豊幸

瀬川:御影伸介、拳銃密売組織の構成員:新海丈夫、中嶋秀生、宮本曠二朗、吉田柳児

拳銃密売組織の構成員:戸塚孝、拳銃密売組織の構成員:吉中正一(現:吉中六)、拳銃密売組織の構成員:森岡隆見、拳銃密売組織の構成員:荻原紀、大竹義夫

近松敏夫、小林文隆、菊間将雄、尾崎順子、高橋理恵、影山エミ

 

 

石塚誠:竜雷太

島公之:小野寺昭

山村精一:露口茂

 

 

脚本:小川英、中村勝行

監督:竹林進