第168話「ぼんぼん刑事登場!」

放映日:1975/10/3

 

 

ストーリー

三上は1年ぶりに、かつて自分が勤務していた矢追町派出所を訪れていた。

派出所に矢追町団地の10号棟で物音がしたという通報が入り、同僚の西森巡査に代わって三上が直行した。

三上は物音がしたとされる岡本進の部屋の前まで来たが、返事は無く、扉も開いていた。

岡本は何度かラリー大会で優勝した経験があった。

岡本は奥の部屋で死亡していた。

部屋に城南署捜査一係刑事の田口良(宮内淳さん)が入ってきた。

田口は三上を岡本殺害の真犯人と勘違いし、三上と格闘になった。

三上は警察手帳を見せて自分が刑事であることを示したが、田口は容赦なく三上を逮捕した。

藤堂は城南署捜査一係を訪れ、三上の釈放を要求したが、田口には三上を釈放する気は無かった。

田口は捜査一係長(玉川伊佐男さん)と藤堂の前で自分が部屋に入ったときの状況を説明した。

田口は三上が岡本を殺害して生死を確認していたのではないかと思い込んでおり、三上が自分に抵抗したために公務執行妨害でもあると伝えた。

山村は三上が直に釈放されると思っていた。

七曲署も捜査に参加することになり、城南署の調査で、岡本が格闘の弾みで後頭部を打って死亡したという結論が出た。

藤堂は田口の突っ張り方から、城南署が証拠に近いものを持っているのではないかと推測していた。

三上は岡本に会ったことすらないと主張したが、田口は三上が暴走族の仲間を指揮して岡本を襲撃したところを目撃したと述べた。

田口は岡本が暴走族「ブラックピエロ」のメンバーに袋叩きに遭っていたとき、威嚇射撃をしていた。

車に乗ったリーダーの黒川が合図をして暴走族は去っていた。

岡本には襲撃される心当たりが無かったため、田口は岡本をガードしていたが、目を離した隙に岡本は死亡していた。

田口は黒川の顔をはっきり目撃していなかったが、髪型とジャンバーが酷似していたため、頑固に三上を犯人と決めつけた。

岡本はラリーのドライバーで、相棒のナビゲーターの坂口健二とチームを組み、ずっと優勝してきた。

6日後に年1度にグランドラリーというレースが開催されるが、その不動の本命が岡本と坂口のコンビだった。

藤堂はグランドラリーの出場チームを捜査することにした。

三上は証拠不十分で釈放されたが、田口は三上を徹底的に疑っていた。

グランドラリーに出場する100組から、岡本と坂口のペアを目の敵にしていた6組が絞られた。

どのチームも優勝を目指して目の色を変えていた。

三上は冷静でルールを守る人間でなければできないレースとして、ラリーをする人間に殺人をするとはどうしても考えづらかった。

三上は自分そっくりの暴走族のリーダーが犯人ではないかと思っていた。

山村と三上は坂口(永井秀和さん)と会った。

坂口は岡本の殺害犯人と黒革に心当たりが無かった。

岡本が死亡したために、坂口がドライバーを担当することになったが、そこに田口が現れた。

田口は坂口に三上とどこかで会ったことはないかと尋ねたが、坂口は否定した。

山村は田口に、人間を疑うときには自分の首を賭けるだけの覚悟がいることを言い聞かせた。

グランドラリーまであと3日という状態になった。

田口の叔母(ミヤコ蝶々さん)が三上を尾行していた。

三上は聞き込み中に田口の叔母と目が合い、喫茶店で茶を飲んだ。

叔母は田口から、今朝から事件を捜査していて三上を尾行できないために代わりに尾行するように伝えられていた。

叔母は三上には殺人ができないと直感していた。

叔母は田口に、三上を犯人でないと思っていると告げた。

叔母は証拠が作ることも消すこともできるが、表情だけは誤魔化せないと思っていた。

田口は山村と叔母の言葉を思い出しながらも、三上を尾行していた。

三上はラリー参加者(風間杜夫さん)から、岡本がブラックピエロに目の敵にされ、遭遇するたびに警笛を鳴らして追い払っていたという情報を得た。

田口は三上と鉢合わせし、三上に自分に付いてくるように言われた。

三上と田口は黒川を発見した。

田口は三上の制止を振り切って黒川の前に顔を出し、メンバーと格闘になった。

黒川はオートバイに乗って田口を轢き殺そうとしたが、田口に間一髪で回避され、オートバイを捨てて逃げた。

黒川は三上と田口に取り囲まれ、2人に殴られて逮捕された。

石塚と三上と田口は事件解決を祝して酒を飲んだ。

しかし、黒川は事件当日にグループの集会で西湘海岸にいたため、岡本殺害の犯人ではなかった。

坂口が襲撃されて車を壊される事件が発生し、野崎と三上が現場に向かった。

坂口は腕を負傷してもなお、ラリーに出場することを諦めなかった。

三上は坂口の車のケーブルが修理可能なように切断されていることに不審点を持った。

坂口のナビゲーターは未だに決まっていなかった。

三上は坂口に頼み込み、坂口のナビゲーターとしてラリーに参加することを承諾してもらった。

田口は城南署捜査一係長からその情報を聞き出し、出動した。

三上は坂口のナビゲーターとしてラリーに参加していたが、ラリーには三上に危険が及ぶと感じた田口も参加していた。

坂口は狙われる前日に車の修理工場の予約をしていたこと、岡本と坂口は急激に仲が悪くなっていたことが判明した。

優勝しても脚光を浴びるのはドライバーであり、坂口が今度にドライバーの志願を希望していたことがきっかけであった。

三上は車内にて、坂口に岡本を間違って殺害してしまったのかと尋ねた。

三上はケーブルの切断が偽装であると見抜いていた。

岡本は坂口のドライバーでは優勝できないと嘲笑していたため、坂口を憎んで殺害してしまったことを認めた。

坂口は車を暴走させて湖に直進しようとしていたが、田口が車の進路を塞ぎ、強引にぶつけた。

田口の車は横転し、坂口は車を降りて逃走した。

坂口は三上に殴られ、三上は田口に、坂口に手錠をかけるように命じた。

田口は七曲署に着任することになった。

田口は坂口の事件以来、七曲署勤務を希望していた。

一係室に叔母も現れ、三上に感謝した。

 

 

メモ

*四代目新人刑事、田口良が着任。テキサスが着任してからシンコの後任が補充されなかったため、久しぶりに一係が7人体制になった。

*かつての「新人刑事」のマカロニとジーパンは着任1年後に殉職したため、後輩を持てなかったが、テキサスはそれを逃れたため、初めて後輩を持った「新人刑事」となった。

*OPのタイトルバックが変更。ついに刑事の紹介部分が後年まで使われるストップモーション方式になった。しかし、ストップモーション方式を導入したのは最初であるためか、カメラのブレが激しい。

*新人刑事2人体制の場合は、OPでは2人とも走ることが多いが、今回のOPはまだテキサス一人での激走となっている。

*OPの刑事紹介枠で、殿下が後半枠に移動。OPの刑事紹介順は「ボス→新人→新人→長さん→新人の激走(ゲスト紹介)→ゴリさん→殿下→山さん」というスタイルがロッキー&スニーカー編のOPまで定着する。

*OPの音声が「俺たちの仲間」までなぜかアップテンポ。

*ボンはボクシングが得意なようで、この設定は次回の「グローブをはめろ!」に生かされる。

*ミヤコ蝶々氏演じるボンの叔母。次回の「グローブをはめろ!」にも登場。喫茶店の代金はテキサスが払ったようだ。

*テキサスにブラックピエロと岡本の関係性を教える黄色い車のラリー参加者を演じるのは風間杜夫氏。今回は顔すらまともに映らず、出番もワンシーンのみだったが、次回出演作の「絶叫」ではメインゲストに大出世している。

*日本でラリー大会が行われているとは珍しい。

*ラリーに参加するのにヘルメットを付けないボン。

*ボンは昭和26年1月27日生まれ(満24歳)、出身地は大阪。転勤初日に一係室に、親族と一緒に来るのはラガーに受け継がれる。

*予告編では「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」のワンフレーズが流れる。

 

 

キャスト、スタッフ(敬称略)

藤堂俊介:石原裕次郎

三上順:勝野洋

田口良:宮内淳

野崎太郎:下川辰平

 

 

田口の叔母:ミヤコ蝶々

坂口健二:永井秀和、城南署捜査一係長:玉川伊佐男

木村幌、ラリー参加者:風間杜夫、佐伯健二、直木惣

 

 

石塚誠:竜雷太

島公之:小野寺昭

山村精一:露口茂

 

 

脚本:杉村のぼる(後の杉村升)、小川英

監督:竹林進