震災から20日が過ぎた3月の終わり、後輩のカイロプラクターである
勝田小百合
さんからメールが届きました。
「カイロプラクターで現地へボランティア活動に行けないかと考えています」
彼女は
オーガニック化粧品
の会社もやっていて、幅広い人脈を持っています。
その中に、東北方面のNGOの方もいるので連絡を取ってみてくれるとのこと。
何の躊躇もありませんでした。
「僕らを必要としている人がいるならば行きましょう」
その後、いくつかのNGOに掛け合い、4月10日に石巻を中心に活動している
NGO団体 オンザロード
が僕たちを受け入れ、避難所を紹介してくれる話が決まりました。
出発日を4月24日、現地で丸二日間の活動の日程を定め、何人かの友人カイロプラクターに声をかけ、今回のカイロプラクティック支援チームを立ち上げました。
初回ということもあり、現地で何があるかわかりません。
そのため5名の少数精鋭チームで行きました。
今回のチーム構成は、私、坂本(
アディオカイロプラクテック
)、勝田先生(
ナチュラルカイロプラクティック
)、黒松先生(
タツミカロプラクティック
)、横山先生(
みさきカイロプラクティック
)、吉田先生(
シオカワカイロプラクティックオフィス
)。
の5名と、勝田さんの友人でギタリストで指圧の心得もあり、被災地へ以前も支援活動に行っている大介さん。
合計6名で二台の車に分乗し宮城に向かいました。
今回、施術の支援のほかに大きな目的がありました。
それは、被災してしまった石巻在住の友人カイロプラクターである阿部先生に、施術するためのベットと検査器具を届けることでした。
前日、ベット類を提供してくれた八王子の
医療機器業者㈱ウイン
さんに僕は出向き、ベット類のほかに「被災地へ届けてください」と大量の枕と腰椎クッションを預ってきました。
荷物満載のハイエースで出発です。
現地に到着したのは11時過ぎ。
テントを張り、車とテントに分かれて明日に備えて身体を休めることにしました。
午前6時、慣れないテントと寒さで少々寝不足の朝を迎えました。
オンザロードのボランティアビレッジは、朝夕にボランティアに食事を用意してくれます。
質素な食事ですが、なかなか美味しいです。
なにより野外で皆と食べるゴハンは最高です。
オンザロードのボランティアビレッジは、公共の温泉施設の隣にあるので、労働の後は温泉も入れます。
田尻駅からも近く、ピックアップもしてくれるので、車も無く、一緒に行く仲間もいないような人も全然OKですよ。
オンザロードさんが用意してくれていた避難所は3箇所。
そのくらいですと、時間も余るので泥出の手伝いをしようと長靴などの準備をしていったのですが、勝田さんのブログの読者さんで、石巻在住の方から「来て下さい」との連絡が当日の朝ありました。
そのため最終的には、4箇所の避難所。1箇所のケアホームを2日間で周り、150名ぐらいの方にアジャストメントを提供しました。
まずは、阿部先生の「はとば接骨院」に向かいました。
被害の大きかった渡波地区にあるため、道中は潰れた建物、ヘドロにまみれ積み重なった車、などテレビで見ている光景が続きます。
そして、匂い。微生物を大量に含んだヘドロが発しているのですが、凄いです。暑くなるまでに片付けなければひどいことになりそうです。
阿部先生に教わった住所に着くと、そこには周りの景色とは不釣合いなほど、ピカピカのオーラを発している建物。
そう、阿部先生のはとば接骨院です。
床上浸水の状態を皆で修理して、この日から施術を再開したそうです。
僕らが到着したのは9:30。開院は10:00からですがオープンを待ちきれない患者さんたちが続々とやってきます。
なにより嬉しかったのは、阿部先生とスタッフの皆さんの笑顔。
辛いこともたくさんあったのでしょうが、そんなことを微塵も感じさせない明るい笑顔を患者さん、そして僕らに振りまいていました。
こちらが逆にエネルギーをもらっちゃいました。
ありがとう!
阿部先生の治療室を後にして、避難所に向かいます。
震災から一月以上経っているので、元気な方は避難所を出て家の片付けや仕事に行っているため、昼間の避難所はそれほど窮屈な感じはなく皆さん静かに過ごされていました。
カイロプラクティックを知っている人など当然いませんので、初めは「何をしているのか?」と用心して他の人が受けているのを見ていた人も、アジャストを受けた人の「背筋が伸びた」、「膝が動くようになった」、「エネルギーが湧いてきた」など、自然な感想を聞くと「私も!」と近づいてきて、どの避難所でもいらっしゃる方のほとんどをアジャストして来ました。
避難所で感じたことは、皆さんが明るいこと。
オヤジギャグや下ネタの冗談を飛ばしながら、皆さん暮らしていました。
苦しい思いをして同じ屋根の下に暮らしている他人同士。
誰かが、暗い顔をしていたらプラスになることはひとつもありません。
まだまだ、書きたいことはたくさんあるのですが頭の中が一杯で、まだ整理中です。
また続編を書いていきたいと思います。
現地で実際にボランティアに行って感じたこと。
健康な体を持ち、寒かろうが、ベッドが無かろうが眠ることができ、しっかりとした挨拶などの社会活動ができ、自分自身で判断して行動を起こすことができれば、男でも女でも、若者もおじさんも被災地でのボランティアは出来ます。
東京に戻る僕らの車に、先に現地入りしていた若者が同乗したのですが。
皆それぞれ面白い経歴の持ち主で、運転しながら彼らの話を聞いていて感じることがたくさんありました。
とりあえず動け!考えていても仕方が無い、最善の方法などないのだから!
この震災の復興には長い時間、資金、マンパワーが必要です。
まだまだ、人が足りません。
小さなNGOは、資金がありません。手弁当で活動しています。
何かしたい!!と思っている方。
オンザロード
にコンタクトを取ってみてください。
あなたも必要とされています。
僕も時間を取って、何度も行こうと思います。
カイロプラクターズ@JPの皆さんも一緒に行きましょう。
日程が決まったら告知します。
現地にはアジャストメントを必要としている人がいます。
アディオ・カイロプラクティック
坂本 剛