2000年以上前からモバイルで | Chipapa の備忘録

Chipapa の備忘録

忘却は、人間の味方であり敵であり。。忘れたくない珠玉の思い出達を書いていこう♪

久しぶりに着たコートのポケットに手を入れたら、紙切れが一枚出てきた。キティちゃんのピンクのメモ用紙。娘@5歳の字が、「ABCDEFG」って踊っている。

最初の「ABCD」までは、Dのふくらみがどうしても左になっちゃって、2回書き直してある。挙句、最初に書いた、ABCDEFまでバッテンで消して、もう一度、今度は正確に「ABCDEFG」まで書いた。

朝の地下鉄に乗りながら、その紙切れをじーっとじーっと眺めていたら、なんだかとても嬉しくなって、ニヤニヤ笑ってしまった。

小さな娘が、一生懸命書いたんだっけ。
「ねぇ、ねぇ、英語のエーはどうやって書くの?ビーは?」って、聞きながら。
いつものダイニングテーブルで、青いボールペンを持って、一生懸命書いたんだっけ。

そんなこと思い出して、ニヤニヤニヤニヤ♪

何年か前、どこかの新聞社が、「2000年前(だったかなぁ。。)からモバイルです」っていうようなコピーで広告を出していた。そうそう、紙って、2000年以上前から、モバイルメディアなんだ。

そして。
これだけ、ネットが発達しても、モバイルPCが小型化して高機能になっても、携帯電話に色々な機能がついても、iPhoneが発表されても、でも、やっぱり、小さな娘が書いた肉筆の文字、ピンクの紙切れの折り目、そういう、生々しい温度は、どんな機械でも再現できない。紙には勝てないんじゃないか。

2000年以上前からモバイルで。
紙は、数え切れない人々に、感動を与えてきたはず。冷徹な現実も伝えてきたはず。愛も優しさも悲しみも喜びも、時には憎しみも、温度を持って、伝えてきたはず。

電子ペーパーの研究も進んでいるようだけど、そして、そういう科学の進化は本当に素晴らしいと思うけれど、肉筆、温度、呼吸、空気、そういう生々しいものには、ある部分では、やっぱりかなわない。

そして。
体温のない文明の便利な部分と、大昔から変わらない生々しさを、両方とも享受できるのは、今に生きる私達が持てる贅沢なんだろう。