秋の虫・・・
夏から秋に啼く虫が好きなのは、以前にも書きました・・・その虫もトント姿を観ない。
コオロギの声は、アタクシの住んでる東京都下でも其処此処で聴こえますが、なかなか姿を見せてくれません。
しかし、キリギリスになると声すら今年は聴かない。
・・・一回だけ横浜の団地の二階から籠に入ったキリギスの声を聴いたくらいです、夏休みも後半頃だったので田舎に帰って子供が捕まえてきたんでしょう。
「ジィ~ッチョン、ジィ~ッチョン」と啼いてました。
さてそんなキリギスの話をさせてください。
当たり前ですが、コオロギよりもキリギリスのがデカイ。
声は全然違うんスけど・・・やっぱコオロギの方が雅かなぁ~。
「♪チリチリチリリィ~♪」
ってのと
「♪ジィ~ッチョン、ジィ~ッチョン♪」
では、やっぱり雅さにかけます。
でもデカさといい飼い応えはありそうな感じ。
色の綺麗さもキリギリスの方が断然いい。
緑色だけだと思ったら、実ぁ、黒、紫、コバルトブルー、翡翠色・・・これまたコレ等がうまく混じった色もあるってんだから面白い。
上の画像の様に、色も豊富、顔だけ青いキリギスもいる。
中国人のキリギリス好きに言わせれば、声を楽しむには黒キリギリス・・・中国語では"鉄キリギリス"と呼ぶらしい。
啼き声を聴いただけだと、日本のキリギスと中国のは別種の様。
「♪ジジジリジジジリジジジリ♪」
ってのが中国のキリギスの声。
六月頃からキリギスを売り歩く人も出るし、屋台店に並び出すキリギリスやコオロギ達。
この虫らを夏に飼いだし、冬まで長生きさせ寒い時期に虫の声を聴くってな風流な遊びが昔からあるんだそう・・・キリギリス飼いの名手は初夏まで生かすんだそうですが、旧暦の初夏なんで恐らくは五月の頭くらいまででしょう・・・それでも充分に凄いですね。
人工的に四季をわけずに繁殖させる技術はかなり昔からあったそうです、キリギリスの養殖って訳です。
ただ、人工的に生まれたキリギリスは色も白っぽく長生きは出来ないんだそうです、啼きも悪いンだとか・・・。
外じゃ雪が降ってる中、店の中で茶を飲みながら、鍋を食いながら、酒を飲みながら体が暖まると懐で虫が啼きだす。
ヒョウタンを細工して造るキリギリス飼育器。
育ちだしたヒョウタンに方をはめて人工的に形を整えるヒョウタン。
其処に山水を掘ったり、焼き鏝で画を描いたり、方に既に柄を堀はめて育てばヒョウタンに凹凸で画が浮かびあがっている・・・手の込んだモノが多数あります。
骨董品屋でも並び高価な値段がつくヒョウタン、キリギリス飼育容器もあります。
たかが虫ですが、高度な遊びになっています、文化ですね。