関羽様・・・ | 好事家、チャン・チンホイ

関羽様・・・


項羽の話が出たので、関羽の話もしましょう・・・。

"関公翁"・・・関羽の事ですが、京劇業界では敬意を表し"関公"もしくはもっと敬意を込めて"関公翁"と呼びます。

実在の人物で唯一神となった人物とされていますね。
特には東南亜細亜、日本を含む華僑に信仰され、各地に関帝廟が造られてます。
華僑が全面的に撤退した函館にも立派な関帝廟が建ってます。
本来は、関羽の死後祟りを恐れた敵軍が廟を建てることで怒りを納めてもらおう。敬意を示そうということから始まったようです。
そこに生前の逸話と、歴史読み物からのヒーロー性が混ざりあい、神へとなっていったようです。
特に文化大革命の影響の無かった土地では今でもあつく信仰されています。

中国の読み物の中では文武にたけた真の武将、真の男とされてます。
あくまでも京劇は"三国志演儀"を下地に造られてます。
史実を伝える"三国志"では・・・やっぱり人間ですね。

俳優もおいそれと関公を演じられる訳ではありません、京劇の学校でも教える事は絶対にありません。
劇団に入り実績を積み、劇団、業界から認められた俳優がやっと習うことができます。
劇団側が名優を招聘し、若い俳優を指導します。
俳優も関公を演じるにあたり精神を集中して授業に望みます。
古い俳優になりますと、関公を演じる際には必ず関公にお参りをします、関公の名優で知られる方も時間に間に合わず、軽く一礼のお参りだけで舞台に挑みました・・・感じんの出場の見得で転んでしまったそうです。
以降、弟子には厳しく関公に失礼の無いように、楽屋から精神を研ぎ澄ましシッカリとお参りをするように指導するそうです。

関公、今では"武生(武将を演じる立ち役)"が演じる事になっておりますが、役回り的には"紅生"と言われる特別な役回りです。