なにごとも、バランスは大切であると常日頃思っている。特に、人間にとって、「頭脳」「心」「身体」の「三位一体」は、とっても大切である。


先の東電の原発事故も、大手企業の不祥事も、そこに共通して散見される心のこもっていない意味不明な責任のがれの問答も、一連の霞が関の官僚主義の弊害にも、いずれも共通した深刻な問題がある。


それは、頭でっかちで、「知性」は優れておるかもしれないが、「心」が伴っていないことである。


相手の立場に立って「人間」として、いかに、相手の幸せを考えることができるのか。その真心が決定的に貧弱である。


俗に「霞が関文学」と揶揄されるように、「自己保身」の詭弁には長けているが、現場感覚が貧弱で、鼻もちならないエリート意識が強く、常に、「上から目線」で、基本的に傲慢独善でかつ姑息で卑怯である。だから、あんなお粗末な事故が何度も繰り返されるのである。


「頭脳」「心」「身体」の「三位一体」が、しっかりバランスよく機能してゆかねば、やがて、日本という国家も、日本企業も、世界中から軽蔑され、見放されていってしまうに違いないと、危惧している。


その全く同じ思いを、先日、明確にお話できる方がいらした。それを聴き、いたく感動しし、とっても嬉しく思った。


TSUTAYA等で有名なカルチュア・コンビニエンス・クラブCEOの増田宗昭氏である。


カルチュア・コンビニエンス・クラブは、よく「CCC」と略称でも呼ばれている。


世田谷徒然日記


CCCの魅力は、生活のあらゆるフェイズを通じ、「自分らしさ」=「My Style」を持っている人々へ、新しい「ライフスタイルの提案」をしつづけることで、「ヒトと世の中をより楽しく幸せにする環境=カルチュア・インフラ」をつくっていこうとしていることにある。これって素晴らしいなと思う。


彼の話は実に示唆に富み面白い。


「何より痛感したのは、『とにかくやってみる』ことの大切さ。これが人間が成長するための最良で最大の方法と学んだ。マーケットが大きくて成熟していない時というのは、やった者勝ちなんです。やった人にだけノウハウがつき、スキルがつく。ノウハウがない、スキルがないからと勝負に出るのをやめるなんて、大変な勘違いです。」


別の機会で、「タライの水」の話をしていたが、強い印象に残っている。


タライの水を自分の方にかきよせようとしても水は向こうにいってしまうけれども、水を向こうに送ってあげるとこちらにちゃんと戻ってくるという。実に示唆に富む話である。


全く、同感。しごく、その通り。



カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社代表取締役社長兼CEO 増田宗昭】

増田 宗昭(ますだ むねあき 1951年1月20日 - )は大阪府枚方市出身。同志社香里高、同志社大学経済学部卒。CD、雑誌、書籍等の複合量販店であるTSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブの社長。株式会社鈴屋に入社し、軽井沢ベルコモンズの開発の他、店長・販促ディレクターなどを歴任。1983年に同社を退社し「TSUTAYA」の前身である「蔦屋書店」を枚方市に創業。祖父が置屋として使っていた屋号が蔦屋であったことと、江戸時代の地本問屋「蔦屋」の主人で、写楽、喜多川歌磨、十返舎一九、滝沢馬琴ら狂歌師・戯作者などを送り出した蔦屋重三郎にあやかりたい、という2つの理由で「TSUTAYA」と名付けた。1985(昭和60)年9月20日大阪府吹田市垂水町にビデオレンタルフランチャイズ本部としてカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)株式会社を設立、代表取締役社長に就任。

http://www.ccc.co.jp/company/message/


情報は、集めるよりも「集まる」ものが大切。人から好かれない人間に情報は集まらない。膨張でなく成長するためには『失敗の寛容』という器がいる。

まったく同感。