セヴァン・スズキのリオの伝説のスピーチも大変感動したが、今日、新宿で「ちいさな哲学者たち(Just A Beginning)」の試写会に招待され、子供たちが持っている健全な感性にあらためて感銘を受けた。

世田谷徒然日記


「愛ってなに?」「自由ってどういうこと?」「大人はなんでもできるの?」


フランス・パリ近郊の教育優先地区にあるジャック・プレヴェール幼稚園で試みられている3歳からの2年間の幼稚生を対象とした哲学の授業で、様々な自由な意見交換が展開してゆく。


世田谷徒然日記

たくさん考え、たくさん話しあう中で、子供たちは、お互いの意見に耳を傾け、自分で考えながら言葉を紡ぎだしてゆく。その姿に無限の可能性を感じ、感動する。


世田谷徒然日記
(Just A Beginningより)


いっそのこと、原発全廃か否かの議論も、世界中の子供たちを交えて議論した方がもっと健全でまともな議論ができるのではないかと確信を新たにした。


【ちいさな哲学者たち(Just A Beginning) 】

2007年、フランスのとある幼稚園で世界初の大きな 試みが始まった。パリ近郊のZEP(教育優先地区)にあるジャック・プレヴェール幼稚園。そこでは、3歳からの2年間の幼稚園生活で、哲学の授業を設けるという世界的に見ても画期的な取り組みが行われていた。この試みのきっかけは、“こどものための哲学”という研究が、コロンビア大学教授マシュー・リップマンによって1960年代に初めて発表されたことに遡る。子供が元々持っている“考える力”を話しあう事でさらに高め、その後の認知力と学習力、そして生きる知恵へとつながってゆくことを唱えている。


【ZEP(教育優先地区)とは何か?】

経済社会的に恵まれない地域で指定された教育を優先的に支援する地区のことで、ZEPと呼ぶ。小学校、中学校、高等学校で教育の成果が上がりにくい 地域に設定されている。フランスの高等教育は、大学とそれ以外の高等教育機関(エコル)によって担われ、後者の中には社会的評価の高いグランド・ゼコルと呼ばれる学校群があることはよく知られていることであるが、そのグランド・ゼコルの中でも特にエリート養成校として知られるパリ政治学院(通称「シアンス=ポ」)が、2001年の新学期よりこの地域の高校出身者を対象とした特別選抜制度を設けたことでも注目された。