森話【桜】 | *小さな角砂糖*

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天尊降臨ヒムカイザー、ツクヨミ様、バービードール、ミニチュア、ご当地ヒーロー様、仮面ライダー、消しゴムはんこ、日常、など、内容ごちゃ混ぜブログになっております。(*・ω・人・ω・)♡

森の雪ですこんばんはッ
(*・ω・人・ω・)




さてさて【森話】を書きました。
【森話】って。
天尊降臨ヒムカイザー
大好き大好きな私が
ぽややや~……んと
色んな事を考えてみる

春の文学活動です!!(盛)






いやん!森の文学活動いやん!な
方はどぞどぞお逃げ下さいませ-!!
(*・ω・人・ω・)



始まります。





タイトル 

*桜*


やまびこちゃんと
マヒトツ様のお話です
(*・ω・人・ω・)







「……これ、やまびこよ
お前いくつ作るつもりなのじゃ」



マヒトツは
仕事場にしている小屋の縁側で

朝からずっと背中をまるめて
無心に【てるてるぼうず】を
作り続ける
山の精やまびこを見ながら
聞いた。


「………」



やまびこは問いには答えず

また1つてるてるぼうずを
作り上げた。



山の精が作るてるてるぼうずは
不思議な薄布で作られていて
その色は一つひとつ異なり
山の様々な天気の色を
淡く映しているようだった


鍛冶の仕事に向かう前に見た
ときよりもずっと
大きくなったてるてるぼうずの
山を見てマヒトツはわずかに
眉を寄せた。


「これ、お前
全部に霊力を込めておるのか。
小さなてるてるぼうずとは言え

大切な霊力じゃぞ。
これだけの数全てに霊力を込めるとは
どういうつもりじゃ」

いつものように
すぐに飽きて別の遊びを
始めるだろうと
思っていた
この幼い山の精が
大切な霊力をこんなに使ってまで
一体何を願うというのか。



見つめるマヒトツの前で
やまびこは口を閉ざしたまま
また1つてるてるぼうずを
作り始めた


その表情にはいつもの無邪気な
笑顔も無く
ただ、何かに追われるように
手を動かす



「もうよい、やめんかやまびこ。」


マヒトツは思わず
やまびこの手から
てるてるぼうずを取り上げた。



「どうしても作ると言うなら
続きは明日…」







「じいちゃん……」


霊力を使い続けたからか
やまびこの声は
小さく、かすれていた



「やまびこよ…

どうしててるてるぼうずが
こんなに必要なのじゃ」


淡く美しい色の
てるてるぼうずの山を見ながら
マヒトツはあきれたように言った





「おいら、雨が嫌なんだ
じいちゃん。」


「何じゃと。」


晴れれば晴れと
曇れば曇りを
雨なら雨を

どんな山の天気も愛する山の精の
言葉にマヒトツは驚いた。




「一体どうして…」




「雨で、山の桜の花たちが
散ってしまうんだ
じいちゃん。」



やまびこの弱々しい声


「せっかく咲いたのに、
やっと咲いたのに、
雨と風が
全部散らせてしまうんだ」





「桜か」


マヒトツは
外に広がる山々を見た



春を迎え
山ではあちこちで春の花が咲き
桜も見事に咲き誇っていた



そして
時折吹く風には
花びらが混じり


桜の花の
散り始めを感じさせた。




「おいら、桜たちに言ったんだ
どうしてこんなに早く散ってしまうのかって。せっかく咲いたのにひどすぎるって。」



風が運んだ花びらが一枚
山の精の傍らにふわりと落ちる。



「そしたら桜たち…皆
大丈夫って。
それで構わないって

言ったんだ」




「…なるほど。
それで、てるてるぼうずか。」


マヒトツは小さく息をついて
やまびこの隣へ腰を下ろした。


この小さな山の精は
桜に散って欲しくなくて
雨や風を止めようとしていたのだ。


「やまびこよ。」


力なくうつむく
やまびこに
マヒトツは優しい声で言った


「確かに、桜が散るのは
さみしいものじゃ。

じゃがの、やまびこ。

桜も、桜の時間を
精一杯生きておるんじゃよ。」



「桜の、時間…」



「すべてのものが同じ時間を生きておるわけではないのじゃ。

我らには我らの、人には人の、
そして桜には桜の時間の流れがあるのじゃ。
わしらにはほんの一瞬であっても、
桜にはその一瞬こそが
生き抜いた大切な時間なのじゃよ。

じゃから」


マヒトツは
やまびこの頭に手を置いた。


「桜にとっては決して短い一瞬
などではないのじゃ。

それにの

例え明日散ってしまうとしても
お前がちゃんと桜を見て
お前の心にその姿を刻んでおけば

それが桜の生きた証に
なるのじゃよ。」


頭に置かれた
マヒトツの硬い手の温かさを
感じながらやまびこは
おとなしく言葉を聞いていた。



「じゃから、お前は
こんな所で泣いておらんで
たくさんの桜を見に行っておやり」



「うん、じいちゃん。
……………うん。」



やまびこはそう言うと
小さく鼻をならし
握った手で涙をぬぐった。









***************



春の山の中を歩いていた
ヒムカイザーは


ふと、桜の前で足を止めた。


「これは…」


一面に広がる桜の木の
1本1本に

小さなてるてるぼうずが
一つずつ枝に掛けられていた



不器用に結ばれた
山の精の霊力を放つ
不思議な淡い色のてるてるぼうずは
それでも
雨を止める程の力は無いらしく
ただ桜に寄り添い
風の中、桜とともに静かに
揺れていた




「やまびこ……」




桜の花びらが舞い上がる
空を見上げたヒムカイザーに

桜のそばではしゃぐ
やまびこの声が
遠くに聞こえた気がした












おし…まい…けるッ
(*・ω・人・ω・)







という感じの森話でした
マヒトツ様に頭撫でてもらいたい
頭ぽんしてもらいたい
そんな欲望見え隠れですみません
すみませんつい。
(*・ω・人・ω・;)


文章おかしかったり誤字脱字ありましたら
優しく優しく教えて下さるか
見逃して下さいませぇ!
。+゚(*ノ∀`)


じゃ!お醤油買いに行ってきますッ
(*・ω・人・ω・)