第3回香港国際ピアノ・コンペティションの審査員によるマスタークラス初日の三人目(私が聴講した三人目であって、実際は本日の四人目です)。
講師はChristina Ortiz女史。
この日、最後の受講生は高校生くらいの女子による
シューマン「ソナタ第1番」Op.11
シューマンは、ジャーマン。
非常に!ジャーマンなんだよ。
左手は伴奏、右はステイトメント。
だけど、「Not Loud!」
左は流れ出、「フォドララドファ」の「ファドララ」が大事。
右手、「ドファー」声明→「ドレー」→「シラー」→「ソファー」で、
これで「終わり」ではなく、まだ、次がある事をわかって弾く。
ここでは左右が逆転。
右手はトップ音の連打をきちんと聴かせる。
右手は「Warm」なんだよ。
右手のオクターブ・フレーズは、上の音を出すのは基本だけれども、
では何故、ココはオクターブになっているのか?
それを考える。
オクターブのサウンドが欲しいからだよね。
ここの左手も、それまでと同じように、きちんとトップ二音を聴かせる打鍵をする。
ココから、右手の第3拍、「ラーッラ」からは、New !!!
ここからのフレーズは大きい(長い)ので、いちいち、終わらないように!
poco accelerando だよね?
Not too much !!!
手首を使って!>左手
アクセント音はクリアにするために、ペダルも踏み替えて。
ラストの全音符は、ペダルは気をつけて。
一つ目の全音符の時は、ペダルを入れて、でも、
右手は音を抑えたまま、左手は打鍵後離す。
そして左手の最後の全音符打鍵直後にペダルを上げる。
右手は打鍵したままの指を残した状態で音を残す(つなげる)。
Not too Fast !!!
アジタートしていくけれども、
テンポが大事。
イン・テンポを貫く事が大事!
イン・テンポとは、拍頭のタイミングの事。
例えば画像に段目3小節目からの
「しど|れーれどしーしら・・」
その、第1拍の「れー」の打鍵のタイミングだ。
「しど」は、次の拍頭である「レー」に向かって行ってる、
という事だ。
(常々師匠が仰る事と同じ。)
右手「ふぁそ|らーらそふぁーふぁみ」は、トップ音は
Louder にする必要があるけれども、でも、
F# minor の響きが必要。
その三音(和音の一つ一つの音の響き)が大事!
全ては、ノー・クレッシェンドで、力はセーブしておくこと。
右手16分音符の「そら|しどしど・・・」は、
ピアノ(p)の中のクレッシェンドだよね?
それはね、「内なるものは、フォルテのエナジーで」って事だよ。
右手は常に、「拍頭」に向かう。
でも、Not Romantic。
ただ、リズムを明確にするだけ。
ストロングに、リズミカルに!
つまり、右手の重音連打に問題がある。
これを、非常にクリアに打鍵する。
決して、流して弾かない事。
ここは右手、スフォルツァンド音に、ちゃんとノる!向かう!
スフォルツァンド音にペダルを入れる!
ただの、Piu lento だよ!
ペダルなしで!
ジャーマンは、Fix Tempo である事が非常に大事。
フレーズの終わりは、リタルダンドなしで(その指示がない限りは)!
リタルダンドではなく、ただの「ニュアンス」だよ。
un poco ritenuto は、slower で伸びて行くのではなく!
テンポが自然に落ちて行く、という事だ!
次のテンポに向かって。
それから、トップ音だけに集中しないと、五月蝿いよ!
あのね、何のエディションを使ってるのか知らないけど、
これ、F#じゃなくて、Fだよ!
そしてこのフレーズの終わりはやはり、リタルダンドなしで。
ただ、A Major に変わって行く、という気持ちの問題だ。
ただ音を、A Major を楽しむだけでいいんだよね。
テンポは決して引っ張らない事。
(画像、ぼけちゃってスミマセン!)
絶対に!遅くならない事!
各フレーズの終わりは、遅くしないで!
あぁ、まだまだ言いたい事はいっぱいあるけれど、
タイム・リミットだわ!
とにかく、自分の音を良く聴きなさい。
そして、曲の構築をよく考えなさい!
(あぁ、まるで私がいつも師匠に言われている事のよう....でした)