今日までコメ欄、閉じさせていただきます。
で、読書感想文はこのコーナーにコンスタントに登場するよしもとばななさん。
割と最近に出たこの本、High and dryは結構有名ですね(^^)
主人公、夕子は14才の女の子。彼女のはつ恋の相手は絵画教室の先生で、夕子よのずっと年上のキュウくん。
二人が恋に落ちるシーンはよしもとばななさんらしく、大変ファンタジックで、ドラマチック。
恋のために自ら絵画教室をやめ、先生と教師の関係でなくなった二人は時々会うようになるが、
キュウくんには「すごく好きな人」と「すごく好かれている人」がいて、また主人公夕子の家庭も、キュウくんの家庭も、一筋縄でいかないものを抱えています。
それにしても夕子のお母さんのキャラクター、素晴らしいですねー。海外に行っている夫と離れ、自分の好きなことを仕事にしているような人だからなのかもしれませんが、
ずっと年上の彼ができた娘に、両手を上げて賛成せもせず、しかし頭ごなしに反対もせず、超的確なアドバイスをするあたりは同じ年頃の娘を持つお母様方は参考にしてみてもいいのではないでしょうか笑
よしもとばななさんの本はだいたい若い女の子が主人公で、恋愛や家族愛、生死というものがテーマになっていますが、この本もその類型からは外れていません。
「14才の女の子がはつ恋をする小説」というコンセプト以外は、「ばなならしい」、悪く言えば斬新さはないかも。
しかし、似たようなストーリー、似たようなメッセージでも、ほっこりあたたかい気持ちにさせられ、爽やかな読後感をもたらしてくれるところはばななワールドの共通。
何を描いても決して押し付けがましくなく、説教にならないんですよね、この人の本は。
だから「どれも似たような小説」でも、「またばななを読みたくなる」んだと思います。
評価は☆4つ。印象深い表紙も、この表紙をぱらりとめくったところに出てくる絵も、おまけのしおりも、物語を彩る挿絵も。
そういったものも含めてすごく「ステキ」だった本
年齢・世代問わず、女性なら誰もが「ステキ」と思うところのある本だと思います。