「中島みゆき『F.O』に思うこと~中島みゆき作品解説12~」S3409/R


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■ 「F.O」 編曲者:椎名和夫

1986年11月12日発売の14枚目のオリジナルアルバム『36.5℃』のLPA面3曲目(3曲目/全9曲)。

・ライブ盤

1987年02月21日発売のライブアルバム『歌暦』の9曲目(全14曲)。


◆ミュージシャン

・オリジナル

01. ギター:北島健二

02. ドラムス:上原裕

03 シンセサイザー:難波正司

04. アルト・サックス:Jake H. Concepcion

05. パーカッション:浜口茂外也

04. パッキングヴォーカル:EVE

05. シンセサイザー&ミュージックシーケンサー&ドラムマシーンのプログラミング:椎名和夫

06. シンセサイザープログラミング:河合雅人


・ライブ版(歌暦)

00. アレンジ:椎名和夫

01. ギター&コーラス:椎名和夫

02. ギター&コーラス:斉藤英夫
03. ベース:伊藤広規

04. ドラムス:島村英二

05. ピアノ、シンセサイザー:エルトン永田

06 シンセサイザー、オルガン:重実徹

07. サックス:斉藤清

08. パーカッション:斉藤ノブ

09. コーラス:杉本和世

10. コーラス:ジャッキー
11. コーラス:デービー


◆2015.11.15 夢野旅人

久しぶりに中島みゆき初のライブ盤『歌暦』を聞いた。

聞いていたらもらい泣きしてしまった。


『歌暦』は、アルバム『36.5℃』リリース直後に開催された両国国技館4days(中島みゆきコンサート「歌暦 Page 86 恋唄」)の模様を収めたもので、14曲が収録されている。

実際のセットリストは、オリジナルフルコーラスで20曲。

『36.5℃』から、「HALF」と、「最悪」、「 F.O」、「見返り美人」、「やまねこ」の5曲が演奏された。

それらの新曲がすべて収録され、ライブから3か月後にはライブ盤がリリースされた。


「やまねこ」のレビューhttp://ameblo.jp/chiharu1997/entry-12095812869.html でもふれたが、この時期は姫のご乱心時代と称されるほど、打ち込み、ロック色を強めていた。


そのサウンドアプローチは、

84年秋リリースの『はじめまして』や、『御色なおし』、『miss M.』でも行われていた。


しかし、ライブの現状は、

そのサウンドに身を委ねて、一緒に口ずさもうものなら、席を立とうものなら、「そういうコンサートではあれませんから」と、失笑、侮蔑されるような雰囲気が根強くあった。


中島みゆき自身が望んだサウンドアプローチに、戸惑いを感じ、誰よりも固定概念に縛られていたのは、さして中島みゆきを知らない世間でも評論家でもなく、何よりコンサートに足を運んでいた客だったように思える。


中島みゆきはライブにおいても、自身の胸の内や感情を露わにしない。

だが、この年の両国国技館でのライブでは口にした。


ライブ盤にも残っているが、


「弾き語りで歌ってた頃のあたししか知らない人には、不思議に思うかもしれない。

でも、あたしは、いろんなことを迷ったけど、あたしはただ正直になりたいの。 だから好きな歌を歌いたいの、歌わせてね」


自分が見ていた最終日のテイクではなかったが、

そう云って始まった本編12曲目。

デジタルロックサンドとしてリアレンジされた「阿呆鳥」。


この曲から、アリーナ席の客がぽつぽつと立ち始めた。

そして、「最悪」、「F.0」でアリーナは総立ちとなった。

大げさだと思うかもしれないが、

彼女のライブ史上、歴史的な瞬間だったと思える。


そのライブパフォーマンスが、

この数年のサウンドアプローチが、

正しかったか否かは、

本編ラストの「緑」を歌い終わったときの客の歓声、拍手と、

アンコールラスト「波の上」で、彼女が感極まり涙声で歌っていることが物語っている。


なんかライブリポートのようになってしまいました。


男は憧れを追いかける生き物、

女は夢のないことばかり無理に言わせる魔物。

と歌う「F.O」。


愛情が冷めてきた二人。

罵り合って終わるのはゴメン。

忙しくて、疎遠となるのだから、このままフェイドアウトで終わせないか。

そして、思い出したら、いつでも会える関係がいいと僕は思う。

だけど、君が望むのはカットアウト。

ますます、僕の心は冷めていく。


これだけ読むと、

男のエゴのような歌だけど、

女のエゴも必ず存在する。


永遠を見つけることのできずに冷めていった恋。

フェイドアウトだろうが、カットアウトだろうが、

もうそれが愛に形をかえることはない。


残されたのは男女それぞれが、

愛情なしでは理解しあえないエゴだけなのだろう。


そんな恋の残骸は、

この歌のビートにのせて御捨てなさい。


そう中島みゆきは云っている。

と、結んでみましたがどうでしょう。


ま、自分にとって、

「F.O」は歌の内容はさして重要ではない。


この曲を聞くと、

「この世に二人だけ」や「緑」や「やまねこ」、「波の上」同様に、

あの日の国技館の感動を思い出すのです。


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