「松山千春 『午前3時』に思うこと~松山千春 全作品解説107~V1.1」S2392/R
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◇更新履歴
V1.0:2014.05.21 初稿
V1.1:2015.05.09 文章を追加。
■ 「午前3時」 編曲者:奥慶一(アルバムヴァージョン)、丸山政幸(シングルヴァージョン)
アルバムヴァージョン:1988年11月28日発売のアルバム『Message』のLP B面2曲目(CD7曲目/全10曲)。
シングルヴァージョン:1988年12月21日発売の27枚目のシングル。
◇松山千春選曲のベストアルバム『季節の旅人~春・夏・秋・冬~』 DISC-3(秋)の6曲目。
◆レコーディングミュージシャン (後日、追記)
・シングルヴァージョン
01. ドラム:
02. ギター(AG):
03. ギター(EG):
04. ベース:
05. キーボード:
・アルバムヴァージョン
01. ドラム:
02. ギター(AG):
03. ギター(EG):
04. ベース:
05. キーボード:
◆2014.5.9 夢野旅人
1988年8月6日に生放送されたラジオ「さだまさしのセイヤング」http://ameblo.jp/chiharu1997/entry-12024016474.html
。
そこで千春は、「午前3時」をワンフレーズ、口ずさんで紹介している。
それが公の場での初披露だと思う。
その時の会話を、以下に記述しておきます(要約)。
さだ:お前、最近、仕事しているか。
千春:当たり前じゃないか、これから盆踊りだって。
さだ:お前、ちゃんとレコード出しているか。
千春:これから11月かな。
さだ:今出てるの、あるの?
千春:この間、出したレコードだもの。そんなもんかけなくていい。
さだ:かけなくてもいいというが、せっかく松山千春が来ているんだから、ラジオを聞いている人の中には、松山千春のファンも、少しはいる。
千春:正しい。
さだ:その少しのファンのために松山千春の曲をかけるのがホストの務めだ。
千春:要らないよ。
けどな、冗談じゃなく新しい曲を作っている。
俺ね、今、「午前3時」という曲を作っているんだ。
頭から行くとな、
~午前3時にいつもの店で ひとりお前の帰りを待つよ(アカペラ)~
そういうヒモの唄なんだ。
つくづく思ったんだ、ずっと唄を作ってさ。
気に入っている曲も、気に入らない曲もたくさんあるじゃないか。
最終的に、やっぱり私生活を・・・。
俺は、特にフォークシンガー。
まさしは、そういうの関係なかったけどさ。
俺は、プロテストソング、関西フォークから出てきた男だからさ。
もっと私生活というのかな、そういうものを前面に出していったほうがいいし。
いい曲、悪い曲というよりもさ、
とにかく、人の心にちょっと触れるような曲を、自分は作っていきたい。
それが自分たちフォークシンガーの務めだと思っている。
◆2014.5.12 夢野旅人
アルバムリリース後にシングルカットされたシングルは「電話」以来、2作目となる。
当時1988年秋のシングル候補として3曲あった。
「愛のぬくもり」と、「愛は・・・」、そしてこの「午前3時」である。
ツアーでこの3曲を披露して、「客席のみんなならどの歌をシングルにするか」と拍手を求めた。
どの会場も、「愛のぬくもり」か「愛は・・・」だった。 そして一番拍手が少なかったのが「午前3時」である。
しかし千春が一番気に入っていたのは「午前3時」。
最終的には「愛のぬくもり」の発売から2か月も経たぬまま、異例のシングルカットとなった。
80年代。
「抱きしめたい」や「SWAY」、「車を止めて」、「ナイト・エンジェル」、「旅立ち」、「ロンリーナイト」、「優しい風」、「絆」、「大いなる愛よ夢よ」など、一回のコンサートで同じ曲をフルコーラスで2回歌うことは多々あった。
しかし3回歌ったことのある歌は、自分が知る限り「長い夜」と「午前3時」だけである。
それほど、この曲を千春自身が気に入っていたのでしょう。
歌詞の主人公は、午前3時に仕事上がりのクラブホステスの彼女を迎えに行くヒモ。
~いたって二人 真面目に生きて 愛の形は人さまざまさ~
耳触りのいいトレンディードラマの主題歌になるようなラブソングではなく、大衆にうけようが、うけまいが、フォークシンガーが歌うべきラブソングと千春は言っていた。
とはいうものの、この曲を支持するひとは、夜の商売に携わる人たちだけであろう。
言わんという事は分かるのだが、自分とは無縁の世界で感情移入が出来なかった。
なのに、こともあろうに一回のライブで(イレギュラーとはいえ)3回も歌うなんて、悪ふざけも過ぎると正直、思った。
長い間、ライブで歌わても琴線にふれることはなかった。
初めて共感したのは、前にも書いたが1990年代後半。
徹夜続きだったある深夜に、会社から自宅へ帰るタクシーの中。
流れる、まだ眠っている街並をぼんやり見つめていると、ラジオから「午前3時」がふいに流れた。
いすゞ自動車株式会社がスポンサーだった深夜から早朝に放送されていた『歌うヘッドライト』という番組。
それも時刻は午前3時を少し過ぎたころ。
精神的にも肉体的にも疲れ果てていた自分の身体に妙に染み入ってきた。ライブで聴くよりも説得力があった。 そんなことはその時が初めてだったように思う。
この「午前3時」は、アルバムアルバムヴァージョンとシングルヴァージョンがある。
アルバムヴァージョンはホーンセクションをフィーチャーした派手な仕上がり。
シングルヴァージョンは路上の喧騒のSEがはいったアコースティックギターのリフレインが印象的な仕上がり。
シングルヴァージョンは1988年12月21日にリリースされるのだが、秋のツアースタート当初からライブではシングルヴァージョンに準じたアレンジで披露されていた。
このころのレコーディングはバージョン違いを数曲、フレキシブルにレコーディングしていたと思われる。 (「いつのまにか」も、レコーディングが終了した夜に、同曲をシングルにしたいということとなり、シングルにするならサイズを短くしなければということで、急遽アレンジを変えてレコーディングされた)
ふとラジオから流れてきた「午前3時」に感動したとはいえ、それでもライブで「午前3時」を演奏されると、うーん、わからなくもないが・・・と、と思っていた。
しかし、ようやく最近。
この曲は松山千春にしか歌うことのできない世界だと心から思えるようになった。
森進一でも、吉幾三といった演歌歌手でも歌えないし、かといって小田和正、浜田省吾、徳永英明でも歌えまい。
もしも、2012年にリリースされたベストアルバム「35th Anniversary 松山千春の世界 Chiharu Matsuyama Selection」を自分が選べるとしたら、この曲は外さないと思えるようになった。
後は、余談ですがこの曲・・・。
最近、目覚まし時計をセットしなくても、午前3時に目が覚める僕のテーマソングと相成りました。
26年前、午前3時過ぎに寝て8時ギリギリに起きていた自分。
今では、午前3時に決まって目が覚めるなんて夢にも思っていなかったもの。
そりゃ価値観も変わるわなと。
今なら、一回のライブで3回聴いても大丈夫かなと。
流石にそれはないですけど、
田舎のやくざのにおいがプンプンの「賭け」同様、どんな愛をも歌う松山千春らしい一曲だと思うのです。
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