著者:青井聡子
出版年月:2010年11月

■特徴
鎌倉に行くと必ず買って帰るという人も多い「鎌倉しふぉん」のレシピ本。

このレシピ本、最大の特徴は、副題の通りそのシンプルさ。

基本のシフォンの特徴は全卵4個と牛乳を使うこと。
作り方に関しては、他レシピ本と大差ない程度。

説明も特段詳しいわけでもないが、ポイントになる部分を
写真付きで順を追って説明。
正直、初心者にはちょっとわかりにくい気もする。
何度か作って慣れている人であれば問題なく使える内容。

この本のシンプルさが特に際立っているのが、
アレンジレシピの数々。

他のレシピ本だと、プレーンシフォンとアレンジシフォンのレベルの差が
大きく、いきなりそのアレンジはなかなか成功しないよな~と思うことも多い。

一方、この本では基本の作り方をマスターすれば、
ほんの少し材料と手順を変えるだけで、
簡単にアレンジレシピを作ることができるのが最大の魅力。
と個人的には思います。

ということで、基本の作り方をマスターすればアレンジは簡単、
というのがコンセプトなのか、アレンジレシピには
特に写真もなく手順の箇条書きだけなので、
これまた初心者にとってはちょっとわかりにくいかも?と思う。

でも、基本レシピとの分量や作り方の比較はとてもしやすいので、
自分なりの基本のシフォンをマスターした人であれば、
アレンジシフォンを作る時、非常に参考になるレシピ本だと思う。
(実際、私も米粉シフォン、コーヒーマーブル、抹茶など
 数多くのアレンジシフォンの分量を参考にしています)

そんなシンプルレシピ本のためか、QAは3つとほとんど説明なし。

結論、初めてシフォンケーキを作る方は、
まず基本の作り方が詳しく載っているレシピ本を何冊か参考にして、
自分のプレーンシフォンを完成させてから、
このレシピ本でアレンジシフォンにどんどんチャレンジするのが
個人的にはおすすめです。

■内容
1.基本のシフォンケーキ
・上にも挙げたとおり、この本の副題は
 「卵 粉 牛乳 砂糖 油+素材1つのシンプル生地」

ということで、プレーンシフォンでは水ではなく牛乳を使っています。
(実は、私もこの本から水を豆乳に変えて作るヒントをもらいました)

そして卵は4つ。写真を見る限り、かなり膨らんでいるものの、
牛乳のおかげかパサつくことなく、しっとりふんわり
焼きあがっているように見える。焼きたての食パンのような感じ。

卵黄生地とメレンゲを混ぜ合わせるときは
泡立て器とゴムべらでかなりしっかり混ぜている。
それでも卵の力のおかげか、てっぺんはお花が咲くように
大きく膨らんで美しい仕上がり。さすが売り物。

ただ、これは推測ですが、かなりボリューミーなシフォンに仕上がるため、
おそらくけっこう大きなオーブンが必要ではないかと思う。
我が家は家庭用電子レンジのオーブン機能のため、
かつて卵4個で作った時、膨らみ過ぎててっぺんが真っ黒焦げに
かりかりになった苦い過去が・・・。(ゆえにただいま卵3個で奮闘中)

ガスオーブンをお持ちの方、ぜひこの分量で試してみてください。

2.アレンジシフォンケーキ:31種類
→いや~、アレンジレシピの多いこと!
 しかも繰り返しになるが、本当にシンプルなアレンジばかり。
 一つ素材を変えるとか、手順を加えるとか、その程度。
 私のようにただただシフォン道を究めるのではなく、
 もっといろんな味を気軽に楽しみたい♪
 という方には本当にお勧めのレシピ本。

 私もこのレシピ本にあるアレンジを見ながら、
 次どれに挑戦しようかな~と夢見る毎日。
 (なかなか進まないけど・・・)

3.デコレーションシフォン:6つ
→チョーとケーキやモンブラン、ロールケーキなど、
 プレーンシフォンを土台にデコレーションしたものと、
 1つだけ3色シフォンのレシピが載っています。

ということで、まとめ。(あくまで所感)
・中級者向けのレシピ本(基本のシフォンをある程度マスターした人向け)
・気軽にアレンジシフォンに挑戦したい人にはイチオシ!

ここまで読み込んでいるんだから、
私も鎌倉に行った暁には、ぜひ実食してみたいな~。


市場のケーキ屋さん 鎌倉しふぉんのシフォンケーキ 
~卵 粉 牛乳 砂糖 油+素材1つで作るシンプルな生地~


============================================================