桜が誇らしげに咲いている。
今年は1人で眺めてる。
きっとまた雪が降る頃まで触れる季節ごとに
今年は1人で…のくだりが続くんだろう。
知ってたけどね、でも、いちばん頼りにしてた子とのさよならの後は知らない。
それを経験するのがこれから。
まだ散らない花が咲く木の下で座ってーって言う
散り始めた木の下で、風を待ちながら座ってーって言う。
緑色が増えたら、緑色の風の中を2人で歩く。
藤棚の下で座ってお話。
気持ちいいねー。楽しいねー。
虫が落ちてきて、ひゃーって逃げる。
たくさん笑う。
白い日差しを避けながら木陰を歩いて、日陰から白い光を見てお日様すごいねー。っていう。
川に入ろうか?
うん。
彼岸花を眺めながら川辺を歩く。
今年も綺麗に咲いたね。水引と彼岸花のコラボはいつ見ても見事よね。
木々が色づく。高いところに行こう。
モザイク模様のような山肌を向い側の丘から見る。
そしてまた冬が来て、
あぁ、今年は1人で見たんだなって、降る雪が積もる背中はもう無いんだ。って
また来ようね。とあの子に言えない1年を
今から過ごすんだなと
桜を見て思う。
私は桜が苦手だ。
好きの延長の嫌いだ。