6月11日 おはようございます。
朝の一言
孝養に三種あり、
衣食を施すを下品とし、
父母の意に違わざるを中品とし、
功徳を回向するを上品とす。
存生の父母だに尚功徳を回向するを上品とす、
況んや亡き親に於いておや。
日蓮聖人
訳
親孝行には三つの段階があります。
衣食住を確保する事は親孝行の第一歩です。
親に心配をかけない事が第二段階です。
中でも一番の親孝行は、功徳を回向する事です。
今なお生きておられる両親に功徳を回向すれば、
両親の喜びはこの上ありません。
ましてや、今は亡き両親の喜びはいかばかりでしょうか。
という意味になります。
功徳(くどく)というのは、
現在の世でも・未来の世にも幸福をもたらす善行のことです。
回向とは、廻(めぐ)らし向けることです。
最高の親孝行は、
自分自身が正しく、イキイキと生きる。
誰かの役に立とうと、自分自身を磨いていくことが、
善行(ぜんぎょう)、善という功徳を積む修行、
善い生き方になり、親孝行になるのではないでしょうか。
今日は座禅の棒について
「警策(けいさく、きょうさく)」
木の棒を持ったお坊さん。
姿勢の乱れた人の肩を打つと、静寂の境内に「バシッ」という音が響き渡る。
座禅といえば、このような光景を思い浮かべますよね。
この棒のことを「警策(けいさく、きょうさく)」と呼びます。
一般の人の座禅体験ができる寺も多くあります。禅に興味をもった外国人や、精神を鍛え直したいと願う人々の間で人気になっています。
座禅で肩をたたく理由は?
「眠りかけたり、姿勢が悪いのを叱るため」
ではないですよ!
警策は文殊菩薩の手の代わりであると考えられています。
つまり修行が円滑に進むようにという「文殊菩薩による励まし」。
たたかれるときは、たたく者、たたかれる者のどちらも合掌し頭を下げます。
「しっかりやってください」「ありがとうございました」という心のつながり、感謝を表しています。
また、たたき方は、肩こりのツボ「肩井(けんせい)」と「身中(しんちゅう)」を刺激するようにして、緊張からくる肩こりがとれ、眠気など、だれた気分を引き締めるのです。
うちのお寺は、ご希望で。
私を叩いて!
という人。
私は、叩きたい方なのですが、叩いて欲しい人がいないと我慢です。
希望策
あくまでも坐禅「体験」ですので、「希望策」というシステムを取っています。これは、あらかじめ「坐禅中、心が落ち着かなくなったり、眠くなったりしたら手を合わせてください」と伝えておき、合掌した人にだけ警策を与えるというもの。
叩かれるのが、癖になったらダメですよ!
座禅修行、どうですか?