ステルスマーケティング(マインドコントロール)と洗脳 | nickのブログ

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よしなしごとなど

ステルスマーケティングは端的には広告であることを隠して行う販促(販売促進)で昔からある「さくら」や「やらせ」等が近い行為として知られる。
ネット上でも恐らく10年以上前からあると思われるが、ソーシャルメディアの普及に伴い匿名性や伝搬性や費用対効果から急激に広まり、種類もポジティブなものから競合商品のネガティブ印象操作まで様々である。
バイラルマーケティング、いわゆる口コミ販促と明確な線引きが難しいが報酬を伴うものは、既に法で禁止されている英米では、ステルスマーケティングと規定されているようだ。
テレビ全盛1970~2000年代の大規模な資本投下による直接的なポジネガ合わせダイレクトマーケティングから口コミマーケティングの移行は何より消費者の志向が大きく影響したと思われる。
日本人の権威や同調圧力(いわゆる世間体か)に左右されやすいことを利用したマーケティングは、結果はともかく、ここ数年で完成したのではないか。
それは強制的に情報や刺激をコントロールして行われる『洗脳』から気づかれる事なく行われる『マインドコントロール』への移行である。
そして今まさにその綻びが現れようとしている。
私達は公正なはずの評価や行列や口コミが信用出来ないとしてもコミュニケーションから逃れて生活出来ない。
引き篭もり外界との接触を絶って孤死するか騙されていると分かりながら群れるか、或いは・・・、いやいや、昔から人間が直面している問題を心地よい文明の為に暫し忘れていただけかも知れない。
信頼が容易いなどという幻想は小さい頃初めて嘘をついた時に捨て去っていなければならないのだから。

ところでヒットラーの下、ドイツ宣伝大臣になったプロパガンダの天才と云われるゲッべルスのwikiにはこうある。

『ゲッベルス自身は、前述の政治イベント等とは違い
「気楽に楽しめる娯楽の中に宣伝を刷り込ませ、相手に宣伝と気づかれないように宣伝を行う」
「宣伝したい内容を直接キャッチフレーズ化して強調・連呼せず、心の中で思っているであろう不満・疑問・欲望を遠まわしに刺激し暴発させる」
「もっとも速度の遅い船に船団全体の速度を合わせる護送船団の如く、知識レベルの低い階層に合わせた宣伝を心掛ける」
を政治宣伝のあるべき姿と心掛けていた。
これらの手法・考えは、当時のドイツやソ連、そして後年幾つか登場する全体主義国家(他、カルト団体など)よりも、むしろ民主主義国家(政治だけでなく商業でも)で本領を発揮し易いもので、
アメリカ大統領選挙(特に1964年以降)でのネガティブキャンペーンや大企業のCMなどが顕著な例である。』

資本主義による消費社会を予見したヒトラーの下でゲッべルスが夢想したマインドコントロールされる大衆が現実のものになるとは少し出来過ぎのような気もする。