観光名所が数多くあるオールドダッカの雰囲気は?
一言で言うなら、庶民の暮らす下町、ってとこでしょうか。
グルシャンは官公庁や外国人、金持ちも多い銀座から日比谷あたり、って感じですが、それに対してオールドダッカは、上野アメ横のようなうさんくささ満点でごみごみしたところ、いや、庶民の街ってとこでは葛飾柴又ともいえるか?
なんにせよ、味のある所です。
狭い路地が多いせいもありますが、路上の人口密度とリキシャ密度はグルシャンの倍以上です。
両親に言わせると「長良川花火大会が終わった後の岐阜のメインストリートを交通規制なしで人と車とリキシャが好き勝手走ろうとしている」くらいのごみごみ具合。上の写真なんて、全然、人が少ないところです。
貧しそうな地元のベンガル人がうようよいますが、グルシャンに比べて物乞いの人はとても少ないです。
なんでも、グルシャンは金持ちがいるから(お金をくれる人がいるから)「物乞い」という商売が成り立つのであって、オールドダッカでは、皆似たり寄ったりの生活レベルだから物乞いしても仕方ないんだとか。
道の両側には色々なお店が並んでいたりします。
ほこりだらけのケースにスーパーで売ってそうなお菓子をいれてばら売りしているお菓子屋さん。
店先で粉をこねて油で揚げて売っている、お菓子屋さん。
道端にゴザを敷いて、果物や野菜を並べて売っている八百屋さん。
お肉屋さんは、軒下に解体した牛の脚やら身体やらをぶら下げて売っているし、内臓や細切れ肉みたいな吊るせないものはボールにいれて店先においているので、においむんむん、ハエがぶんぶん、って感じです。
道端でミシンを踏んでいる人もいるし、屋外で塀に鏡をつるして椅子をおいただけの路上床屋さんなんかも出ています。
ほとんど裸んぼに近いカッコで走り回る子供や、ほんとは何かを売っている屋台なんだろうけど、カーテンみたいな布で囲ってその中で水浴びしてる子供がいたりもします。
どぶに向かって立ちション、なんて人もちょくちょく。
とにかく人が多くて賑やかです。
同じオールドダッカ地区でも、ブリゴンガ川に面したショドル・ガットはちょっと雰囲気が違います。
川の港は、人を乗せている大きな船や、商品を運んできたらしい船やボートなどでにぎわっています。
その川沿いに、商品運搬用のトラックがずらっと並び、トラックの車体の下の日陰で、商品をよりわけたり売ったりしている人たちがいます。
川沿いの道路には、野菜や米や果物や、その他いろんな商品を積み上げた倉庫やお店が並びます。
多分場所によって、「ここは野菜・果物の倉庫」「ここは布地の倉庫」みたいに区分けがされているみたいです。
「荷の行き交う港」って、日本ではもうあまり見かけませんが、ショドル・ガットに来ると「あ~、川を行き来して交易が行われてるんだなあ」って、その活気が嬉しくなります。
そうそう、お米屋さんの前に女の人がたくさん集まっていましたが、お米を買いに来た人たちかと思ったら!
「お米、恵んで!」と手を出す人たちで、お店のお姉さんに「しっ!」と追い払われていました。
ちょっと街中に入ると、電気製品?とかを売ってるような、ちょっと秋葉原っぽいエリアとか、きれいな布をたくさん積み上げた繊維問屋街っぽいところなんかもありました。
今回は車の移動ばかりだったので、ほとんど歩きまわることはできませんでしたが、次来た時には、もっと徒歩でウロウロしたいな~と思いました。
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