ドラマ感想 | 甲羅に似せて

甲羅に似せて

蟹は甲羅に似せて穴を掘るそうです。私も日々の想いを
蟹が穴を掘るように綴っていけたら・・・。

終わったドラマと始まったドラマがあるので、感想を少し。


「オトメン~秋~」、曜日が移動してますます話がマンガチックというかフザけた方向に行き、もう観なくていいかと思ったりもしましたが、最終回は意外と面白かった。うん、いい終わり方でした。最後まで意味不明だったのが、時代錯誤にお見合いさせようとした飛鳥のお母さんで、お父さんの城之内ミラと何の接触もなかったのが物足りなくはありましたが、「お母さんにオトメンだと言っちゃうかも。」と黒いことを言っていたイルカが、「飛鳥さんは王子様じゃなくてお姫様だったのね。」と、あの一瞬で納得する所は、見ているこちらも納得でした。最後の逃げる場面がエンディングにつながって、細かいことはすっとばして、この話は2人の物語だったんだなあと改めて感じました。岡田くん、美しかったなあ。そしてこれからは女性の細やかさと男性の凛々しさを併せ持った、オトメンの時代なのかもしれないと思った事でした。


「ライアーゲーム2」、やっと始まりましたね。オトメンの後だったんだ~。前回のシリーズも、説明されてももうひとつわからず、はてなマークで頭をいっぱいにしながら観たのですが、この緊張感、疲れるけどクセになります。直の考え無しなところや、秋山さんのクールな頭脳明晰さも魅力だけれど、我が家で前回一番人気だったのが、福永さん(鈴木浩介)。髪型からきのこタンと呼んでいました。今回もそのクレイジーさは健在で、回を追うごとにまた、楽しませてくれそうな予感です。


「深夜食堂」TBS水曜深夜0:34。MBSの制作なんですね~。第1回は見逃したんですが、深い夜にしみじみと観るのにぴったりな、味のあるドラマです。深夜零時から朝の7時までやっている食堂で、メニューは豚汁定食だけ。あとは出来るものなら作るよという渋いマスターは小林薫さん。古い家屋にカウンターだけの、昭和のにおいのする店内で、お客さんたちの人間模様が、不思議な出会いやドラマとなって、観終わった後に余韻を残します。そこに出てくるメニュー、昨夜の回はバターライスでしたが、料理と呼んでいいのか迷うくらいの簡単なものです。茶碗によそったご飯の上に、バターをひとかけ乗せて、溶けるまで待って、醤油をほんのひとたらし。かきまぜながら食べるという。それにまつわる思い出の話なのですが、食べ物の記憶というのは、胃袋と結びついているせいで、忘れ難く切ないものなんだなあと、翌朝、自分でもやってみたりして。


NHK朝ドラ「ウェルかめ」。前の「つばさ」を最後まで観て、なんともいえない脱力感があったので、もう朝ドラを観るのはやめようかと思ったのですが、習慣というものは恐ろしいもので、8:15になると、ふとテレビの前にいるのです。何故「つばさ」に不満だったのかなと振り返ると、あれはつばさの物語ではなくて、つばさの母と祖母の自己解放の物語だったからなんですね。だから、彼女たちに感情移入して観ていた人にとっては違和感がなかったのかもしれませんが、私はつばさの目線で見ていたので、「なんだこの人たちは。いくら自分を正当化しようとしたって、それは違うんじゃないの?」という思いを、最後まで捨て去ることができませんでした。


そして始まった「ウェルかめ」。せっかくのaikoのオープニング曲とアニメの雰囲気が、何故かあまり噛み合わないことに違和感。雑誌編集に熱意を燃やす波美が、取材対象に全く興味を持てないに至っては、編集者としての資質ゼロ!さっさとやめたらいいのにと、憤っていました。それが面白く思えたのは、先週金曜日の回。取材を終えて原稿をまとめようとして書き悩む波美に、本当に書きたいのは何か、取材対象のどこにときめいたのか、何度もじっくり訊ねる編集長とのやり取りに、自分が大切にしていることを気長に伝えようとする編集長の気持が伝わってきました。わからないことを人に教えようとする事の難しさとその大切さ。人を育てるということはこういうことなんですね。波美が亀園さんに問いかけた、彼女の亀に対する気持ちの答えのメールの文章は、心に響きました。

「ほんとに好きなものは、出会う前の自分には何かが欠けていたとさえ思うこと。それに出会えると、本当の自分がわかる。」

波美が編集者として成長していく過程が、丁寧に描かれた週でした。


「リアル・クローズ」、ついに仕事か結婚か、二者択一を迫られてしまいましたね。仕事がやっと面白くなり始めた絹恵が、仕事を捨てることはできないだろうなと感じていましたが、それを一番わかっていたのは達也(高岡蒼甫)だったんですね。だからあんなに、急かしていたのかも。単に結婚するのなら、今までのように出来る方が夕飯作って待っているのでもよかったのに、達也は自分を一番に考えてくれる奥さんでいてほしかったのかも。実家のことよりも、それが大きい気がします。それにしても、20代後半のこの時期は、自分はこれからどう生きていくか悩む時期ですよね。自分にも覚えがあります。神保美姫(黒木瞳)が放つ一言一言が、何故かいちいち胸に刺さります。あんな風にきついけれど生き方について声をかけてくれる上司が近くにいたなら、自分でなければできない仕事があったなら、私はまた違った人生を選んでいたかもなどと思えて。あと、田淵さん(西島秀俊)、なんですかあのカッコよさ。「あいつは仕事やめないよ。」って、すごい信頼してるんですね。先週、「女ってのは」発言で女性スタッフに総スカンされたエピソードは、リアリティあったなあ。ほんと、女性を敵に回すと怖いですよね。あの、「あちゃーやってもうた。」の西島さんも素敵にかわいかったです。


書き続けたら果てしなくなりそうなので、この辺で終わります。


あ、最後に、「JIN~仁~」20%超えですか。すごいなあ。テレビドラマに視聴者を呼び戻したいという大沢たかおさんのメッセージは、確かに届いたんですね。ストーリィも役者も、このドラマは他とは一味違います。予告の不穏な空気に、不安を掻き立てられて、次週を待ち遠しく感じています。