morning musume history review #22
「SEXY BOY、TANPOPO1、ファーストKISS」




モーニング娘(「。」をいつもつけないのは、正式名称でないので申し訳ないと思いつつも、読みやすさを優先させてそうさせていただいています、すみません!)のPVでメンバーが一番綺麗に撮れているのは、この曲だと思う。

なぜかハロプロのアイドルには、メンバーの髪型やメイクの系統が被ってはいけないというルールのようなものがあるが、これを見てると、そんなこと考慮する必要は別にないんじゃないかと思う。顔がみんな違うんだし、外見だけじゃない個性があるのだから。

この曲が出た当初は、友人から「この曲面白いよ」と薦められたのだが、なぜかあまり興味が沸かなかった。
それは、(当時)あまり思い入れのないメンバーが多かったというのもあるし、軽薄さを絵に描いたような曲調のせいもあったかもしれない。
しかし今見ると、「オールスター勢ぞろい」な気持ちになるから、人の心なんていい加減なものだ。

今、現役のモーニング娘に残っているのは、この中で3人。この曲でセンターをとっている田中と、アップで抜かれる回数の多い印象の道重と、やったら可愛い新垣。最初にこのPVを見たときは、「福井訛りが抜けないテッテケテー」だった高橋愛がいつの間にかこんな感じに綺麗な女性になっていて、正直若干引いたのを覚えている。


あれ。この曲、前に書きましたっけ。
20回を超えてくると、もう何を書いたのか、覚えきれていない。


曲については、明確なサビと呼べる部分がない曲だ。「水しぶきあげながら」の部分はBメロともとれるが、サビっぽくもある。
ここがサビだとすると、「いっぱい期待」の部分は、Cメロ的な存在になるが、ここもサビっぽくもある。
つんく氏は、たまにこういう曲を書く。「女心となんとやら」も、自分の中では似たような位置づけだ。
「孤独じゃないよ」~「またがんばれる」のところで曲が一回完結しているようにみえて、その後にまたクライマックスがやってくる感じが、好きだ。そういえば、リゾナントブルーも、そうだ。

SEXY BOYに戻るが、出だしの男性の掛け声が、何度聞いても「ジングルベール」に聞こえる。
あと、有名な「フィフィーン」の部分をギターだけではなく声でやっているところが、あまりにもバカバカしくて、好きだ。
「フィフィーンって声でやったらオモロいんちゃう?」という悪乗りでやったのであろうことが想像できる。


次のシングルは、タイトルが「ピョコピョコ ウルトラ」だそうで、いい大人が買い求めるには非常に恥ずかしい一品になること間違いない。
「ピョコピョコウルトラをお待ちの○○様~」などと店頭で言われて、正気を保つ自信がない。
そして、おそらくはバカバカしさを前面に出した曲だと思われるので、SEXY BOYをどうしても連想してしまう。
しかし、おバカソングと決めてかかれないところも困っている。「なんちゃって恋愛」の悲劇を思い出すからだ。このタイトルであのシリアスな内容は連想できなかった。「ナンチャッテ ナンチャッテ♪」的なノリを想像する方が普通だと思う。
その記憶があるので、今回のシングルもおバカソングとは決めてかかれないところが、辛い。
ま、十中八九、おバカソングだと思うが。


また話が全く違うところに飛ぶのだが、今さらやっと、ハロプロの名盤といわれるタンポポのファーストアルバムと、松浦亜弥のファーストアルバムを手に入れた。
最近は、この2枚ばかり聞いている。
両作とも、もう散々色々な人によってレビューがされてきているとは思うが、本当に今さらながら少しだけレビュー。

タンポポのアルバムは、ボーカルには弱さを多少感じるものの、バックトラックの素晴らしさにはびっくりした。「わかってないじゃない」「ONE STEP」が、アダルトで好きだ。シングルでは「Motto」も、大人向けのポップスとして作られていて、今のハロプロでは味わえない濃厚さがある。
松浦亜弥のアルバムも、たっぷりと予算と手間がかけられたであろう充実した内容。音も素晴らしいが、松浦の「どうとでもその気になれば歌えますけど、今はアイドルとして歌いきってます」という姿勢が歌のそこかしこにチラリと見えて、そこに凄みを感じる。
例えば、「100回のKISS」における「別に」の「に」の最初の2回をわざとファルセット寄りのミックスで歌ってるところに、この人のプロフェッショナルさを垣間見た。音階的には低いところで地声で歌った方が楽な部分にもかかわらず、歌詞の内容に合わせて、あえて抜いて歌っている。こういう芸当は、言われたからといってできるものではない。
アルバム曲も、粒揃い。ポップスとしてかなり高いレベルで完成されている。
それから、「ドッキドキ!LOVEメール」を聞いていると、個人的には、小沢健二の「LIFE」を聞いているときと同じ高揚感を味わっている。あのアルバムに入っている一曲ですといわれても、違和感がないと思っている。そして、今聞くと、なぜか涙が出そうになる。(toggle)