「あっかるウィッ!」

toggleさんのコラムが連載となりました。その名も「あっかるウィッ!」
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「morning musume history review #6」
今回から連載という形をとらせてもらえることになりました。ありがとうございます。
モーニング娘を中心とした他愛のない文を今までどおり書いていけたらと思っています。
連載タイトルはもちろん、LOVEマシーンでの石黒彩さんのあのソロパートから拝借しました。

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今回は門出にふさわしく、モーニング娘の9期メンバーについて書いてみたいと思う。

9期メンバーのテーマは、一言でいえば「即戦力」。
野球に例えると、即一軍でスタメンを期待された新人。
これまでは、既存メンバーの存在が圧倒的に大きく、新人は何年かかけて一人前になってくれればいい、そんな雰囲気での加入だった。
しかし今回は既存メンバーが半数近くに減り、そして近々大エース(高橋)が抜けるという大変革の時期。とてもプレッシャーのかかる状態での加入となる。
そんな中、プロ野球の監督だったら「100点満点のドラフトでした」と言うに違いない人材が揃った。

実力派の鞘師里保、華のある生田衣梨奈、まだ未知数だが高素材の鈴木香音、たたき上げの譜久村聖の4人。

鞘師に関しては、面白みのないほどに期待通り。ダンススクール出身だけあって、ダンスは問題なし、歌もまだ気持ちの乗った歌は歌えていないが、平均点はクリアしている。ここでどうこう語るより、ライブを一回見れば凄さが分かる。
非常に礼儀正しく、言葉遣いなどは先輩メンバーよりも下手したら正しい。書道も得意。
図抜けた実力を持ちながら謙虚な姿勢が垣間見えるところも良い。「アスリート」なんていう言葉が似合う。
あまりにも品行方正すぎるところが気になるといえば気になるが、伝統あるグループの次期エースとしては申し分のない素材だ。


生田は、美少女然としたルックスから、ちょっとすましたクールな子だという印象を持っていた。
しかし蓋を開けてみるとまったく違い、人見知りをしない非常におしゃべりで活発な女の子だった。
彼女の最初のレコーディング風景は衝撃だった。あの藤本美貴以来の、「怒り」を感じる歌声。「めっちゃキラキラ花咲かそう」という歌詞なのに、臓物でも投げつけるんじゃないかというほどの迫力だった。音程はまったく取れておらず、ディレクターから指導が入るごとにパンクな歌声になるという暴れっぷり。
しかし彼女天性の性格なのか、はじめから欠点をさらけ出すことで組織になじんだ。先輩からも「生田は問題児だから」と笑顔交じりに言われるほどに、愛されている。


鈴木は、他の3人とは違い本当の素人だったため、加入したての頃はかなり苦労していたようだ。
しかし彼女は非常に思い切りが良い。あまりおどおどしたりせず、堂々としている。切り替えもうまく、はしゃぐ場面でははしゃぐ。
彼女の一番の魅力は、歌。9期の中では一番魅力的なボーカリストだ。普段の話し声もそうだが、腹式呼吸のできた太い声を持っている。
以前のエントリーで藤本美貴の声をディストーションのかかったような声と表現したが、鈴木はコーラスのかかったような声。声に広がりを感じる。「まじですかスカ!」の鈴木のソロパート「スカスカビートは好きですか」を最初に聞いたとき、その歌声の豊かさにちょっとびっくりした。彼女がメインで歌う曲を早く聴いてみたい。「香音」という名前に、運命を感じる。


譜久村は、ハロプロエッグといういわば育成組織で活動をし、その中から抜擢されてモーニング娘に加入したので、なじむのは一番早かった。
4人の中では一番年上なこともあり、まとめ役としても適任だった。
非常におっとりした印象で、柔らかい雰囲気を持っている。お嬢様、というイメージだ。反面、気の強そうな一面もみせることがある。実はかなりの負けず嫌いだと思う。強気な一面が出てくると、これまでの「フクちゃん」のイメージとは違ったキャラクターがみえてくるのではないかと思う。


もうすぐ10期が入ってくる。彼女たちが新人でいられる期間は1年もない。さらに高橋愛ももうすぐ抜けてしまう。
9期が主戦力になる日はとても近い。今はまだその未来が想像できないが、また新しいモーニング娘の形を作っていってほしいと思う。

ってな風で、一度モーニング娘の歴史に入ってしまうと、抜け出すのは非常に難しい。