「香港風味 懐かしの西多士(フレンチトースト)」は、かつて香港で暮らした著者による、現地での食にまつわる記録。
その中には暮らしに根付いている医食同源の考え方があり、それぞれ文化や考え方の異なる仕事仲間との食を通じた日常の一コマ一コマが描かれています。
記載されている23のストーリーは、読み始めた瞬間、食材の色や匂い、市場の喧騒までもが聞こえてくるかのような臨場感に満たされます。
小龍包や叉焼といったなじみのあるものから、想像したこともなかった食材の組み合わせが生み出す未知の日常食まで、食欲をそそるには十分なメニューがぎっしり。
香港の味を知っている人ならば、本文中にあるレシピをもとに懐かしい味を再現できるかもしれません。
香港の味を知らない人やあまり関心のなかった人なら、食べてみたいと思うものがいくつも見つかることでしょう。
そこで気軽に香港の味を楽しめそうなカフェへ足を運んでみることに。駒込駅から六義園へ向かう途中にある「花間糖品」へ。
ずーっと先まで続く日陰のある道に進みたくなるのを我慢して、じりじりと降り注ぐ陽射しの下を歩くこと数分。 大通り沿いなのでとても分かりやすい場所です。
本のタイトルにもなっていた「西多士(フレンチトースト)」もあるし、本文に出てきた叉焼やエビ雲呑も。
プーアル茶やウーロン茶の文字もあるけれど、どれも甘いデザートティーのようです。
結局、選んだのは香港式レモンティーと鶏蛋仔(ガイダンジャイ)というスイーツ。 1950年代から愛されている伝統的なスイーツなのだそう。
甘いものは別腹なんてことはないので、この日はこれでお腹を満たしてしまいました。食事はまた今度の楽しみに。
白とグリーンを基調としたすっきりしたインテリア。赤や金色のキッチュな雰囲気も楽しいけれど、清潔感のあるすっきりしたインテリアの方がゆっくりとくつろげるのが正直な気持ち。
鶏蛋仔は、ぽこぽこした形が薄い生地でつながっているホットケーキやベビーカステラを思わせる甘く香ばしい香り。
焼きたての香ばしさと指先に伝わる温かさ、そしてふんわりもっちりした食感は、なんだかほっとさせてくれます。
メニューには、見たことのない名前のメニューや味が想像できないものなどもあります。でもメニューの写真がとても綺麗なので、雑誌を眺めるように何度も開いてしまいます。
きな粉をかけた白玉のように見えるこのスイーツ、今度食べようなんて思ったり、いや次回こそ食事を、なんて思ったり。
空調のよくきいた居心地よい夏のオアシス。ひとりでのんびり、少人数でゆったり過ごすのに良さそうです。
▼花間糖品(かかんとうひん)
https://tabelog.com/tokyo/A1323/A132301/13208438/
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