臺灣への旅 NO.x 台中 愛買(アイマイ アイマート) | CHARLIE’S X ~Planet of the 'GODS'~

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アマチュア小説家(キャリアover30年 眉村卓先生、牧野修先生に師事)、リハビリ人(字が書けないけど身体障害者でもない about20年)、気象予報士(免取(^_^;)v)、占い師(吉田佳代名義 易学・四柱推命)

 母の妹2人と私の3人の、3泊4日台湾への旅。
 2泊目は台中のホテルでした。
 バスがホテルに近づいてスピードを落としていくとき、私の目には大きな、
「KTV」
 の文字を描いた看板が飛び込んできました。
 ビルの一面を覆い隠すようにでかでかと、私でなくても気になるんじゃないかと思うほどデカく、
「KTV」
 すなわち、
「カラオケ」
 と書いているのです。
 そのビルの上のほうの階からは、黄色や青の光線が放たれていて、なんだかにぎやかそうで、でもちょっといかがわしそうな感じがしました。

 台湾で叶えたいいちばんの目標として、
「最悪1人ででもカラオケに行って、ヴァネス・ウーやジェリー・イェンの歌を歌う!」
 という信念を持っていた私は、ホテルのロビーで、ガイドのレンさんに、
「あのカラオケ屋さんに行ってもいいですか?」
 と、嬉々として尋ねました。
「カラオケ? KTV?」
「對啊、對啊(そうそう)」
「あそこダメよ。おっぱいバーよ。有名よ。あなた行ったら男の人におっぱいつかまれるよ」
(つかまれるほどないわいや(-_-#))
「真的嗎!?(本当にぃ!?)」
「明日台北に泊まるから、台北いっぱいカラオケ屋さんあるから紹介してあげる」
「よろしくお願いします」
 訊ねて良かったと一安心。でもちょっと行ってみたかったカモ(^_^;)
(そうして翌日に、親切なレンさんに「体力ありますねー」と半ば呆れられながらも、念願叶ってカラオケに行くことができたお話は、過去に2つ書いておりますのでご参照ください_(._.)_)

 その、やはりいかがわしげな建物に並んで、ホテルからすぐの所に、「愛買(アイマイ)」はありました。中国語では、カタカナで書くと、「買」も「賣」も「マイ」と発音します。ピンインが違います。どっちがどっちか忘れましたが……。
ai Mart」とも表示されていました。
 私たちは「アイマート」と呼んでいました。


アイマート

 アイマートは、国内に十数店舗を構えていたチェーン店のスーパーマーケットだったそうですが、台中のアイマートは、(2015.10末現在)近々閉店することが決まっているそうです。
 ガイドのレンさんが、
「記念に行ってみれば?」
 とお勧めされたので(レンさんは滅多なことはお勧めしない人のようでした)、私たちが入ってみると、同じツアーの人と会うわ会うわ!

 実は、私の母は、4人姉妹なのです。
 うちの母が上から2番目で、今回の旅は下の2人と行きました。
 いちばん上の姉は、2年前に亡くなりました。(ちょうどあさってが3回忌です)
 その、いちばん上の姉の娘(私からすると従姉 台湾には何度も観光に来ている)、という人が、今回台湾に行っていたおばに土産を頼んでおりまして……。
 そのおばはアイマートのお菓子売り場で、ここぞとばかりに、従姉から預かったメモ用紙を取り出し、
「これじゃないよなぁ……」
 と。
 ピーナッツを加工したお菓子のようでした。「○○島」とも書かれていました。
 私たちが、
「あれも違う」
「これも違う」
 ともたもたしていると、若い男性の店員さんが声をかけてきてくれました。(なんと声をかけられたかは、忘れました)
 おばは紙を見せ、お兄さんは自分のスマートフォンでその漢字を検索し、「落花生」と表示された画面を私たちに見せました。
 私はうなずいたつもりだったのですが、その人から見ると私の反応があいまいに思えたのでしょう、お兄さんはしばらくどこかに行ってしまったかと思うと、スマホを片手にまた私たちの所に来て、スマホの画面を見せます。
「落花生 ピーナッツ」
 カタカナが表示されている、ということは、もしかしてわざわざ中国語を日本語に翻訳するアプリケーションをインストールしてくれたってこと!?
「對啊、對啊、知道。可是……(そう、そう、わかってるよ。でも……)」
 と私は、不器用な発音で並んでいる商品を指さし、「全く同じものではない」と伝えようとしました。
 やがておばももう観念し、
「もうええわ」
 と言うので、私はお兄さんに、
「謝謝」とかなんとかお礼を言って、その場を離れました。

 あとでそのおばと話したのですが。
 その店員さんは、まずとても背が高く痩せていて、顔がとても小さかったです。
 そしておば曰く「河合我聞に似てた」というほど、整った顔をしていました。
 台湾は、女の人もきれいな人が多かったですが、スタイルの良い若い男性が特に私には印象的でした。

 そのあとも私たちはしばらくアイマートをうろうろし、うろうろしただけで結局あんまりものを買わずに出てしまいました。

 日本に帰ってきてからも、あんなに親切な店員さんがたくさんいたお店が、もうすぐなくなってしまうなんて、残念だなぁと、南国のスーパーマーケットに思いを馳せるのでありました。おしまい。
 社会というものはときとしてものすごく残酷ダナ、と感じたりして……(ちょっと大げさデス)