発達障害者用の眼鏡を作るために、眼科で精密検査を受けました。目の精密検査とは恐ろしいものです。目に空気爆弾が飛んできたりカメラのフラッシュのような強い光をあてられたり、刺激に弱い私は思わず吹っ飛んでなかなかうまく行きません。発達障害者とわからなければ、検査技師に怒られたことでしょう。

 
 私はよく検査技師に怒られます。医師や看護師は優しいのに、なぜ検査技師は怖いのでしょう。バリウムは吐く、注射を怖がる、仰向けに寝て周りを機械で囲まれる検査(MRI? CTスキャン? 何でしたっけ)では仰向けのままじっとしていることができずもぞもぞ動く、と幼児性丸出しです。病院というのは本性の出る場所です。

 この検査でまたも大発見です。定型発達者は目を左右に動かしながら、その動きのリズムとは関係なく、歌ったり数を数えたりできるのだそうです。私は1、2と目の動きに合わせてなら数えることができますが、無関係にはできません。ふたつのことを同時にできないとはこういうことですか。

 
 自然に目が泳ぐのは別として、普段意識して目を動かすことはありません。見るものを変える時、目ではなく顔がまるごと動きます。やっぱりそれはおかしかったのでしょうか。いつも頭振っているから変に見えたことでしょう。実務的にも具合悪そうです。

 目の動きを自分の意志でコントロールすることと、人の話を聞くことも同時にできないので、目を合わせようとすると聞く方がおろそかになり、聞く方に集中すると視線が泳ぐんだそうです。
「目を動かすトレーニングが必要ですね」
目を動かすのってめちゃめちゃ疲れるんですが。話を聞いているように見せるための訓練てばかばかしい気もします。
 アスペルガーだけの国があれば(国家として成り立つでしょうか)
「視線を合わせているのは話を聞いていない証拠だ。聞いていれば目が泳ぐはずだ」
と怒られたりするのでしょうか。
 私が望んだことではありますが、普通に見えるふるまいとは奥が深く、大変です。

 

 

 4月9日の記事。この検査で初めて「ふたつのことを1度にできない」の意味を知りました。ふたつのことを同時にできないのはみんなそうなのではと思っていました。

 今も視機能訓練続けていますが、なかなか劇的にはよくなりません。私は一応大人だから自分のためにがんばれますが、お子さんを訓練させているご両親は大変だろうと推察します。子供のうちの方が、訓練次第でかなりよくなるのでしょうけれど。