自閉症のうち知的障害のないタイプを高機能自閉症、そのうち幼児期の言葉の遅れのないタイプをアスペルガー症候群という、と主治医には教わりました。つまり

 アスペルガー症候群⊃高機能自閉症⊃自閉症

となります。

 しかし専門書や論文によっては、自閉症を狭く定義し、アスペルガー症候群を自閉症と共通部分の多い、同じ自閉圏に属する障碍のひとつとする分類方法をとっています。(解釈ではなく分類方法の違いです)
 ポイントはAS特有の運動能力の低さです。以前書いたように、自閉症だから運動能力が低いわけではなく、知能の高さや言葉の遅れがないことだけでは説明がつかない、という考え方です。
 そこで、自閉症の定義に一定の言葉の遅れがあることを加え、アスペルガー症候群は別に考えましょうということですね。
 ふーん、高機能自閉症ちゃんとはお友達だと思っていたのに。せっかく自分の中にこの障害に対する自我や所属意識が芽生えてきたのに、アスペルガーは別、と言われると寂しいものがあります。

 高機能自閉症と自閉症の区別はIQ70のラインですが、70と69にいかほどの差があるでしょうか。アスペルガー症候群と高機能自閉症の差が幼児期の言葉の遅れだけなら、成長して診断が変わるということはあり得ないはずです。非常に知能が高い(どこからをそう呼ぶのかわかりませんが)層や、成長後相当の言語操作能力を獲得している場合、アスペルガー症候群に分類されることがあるようです。(私は医者ではないので断定はできません)
 実際のアスペルガー症候群と高機能自閉症の人に会った最初の印象はかなり違って見えると私は感じていますが、一般化できることとは限りません。
 アスペルガー症候群に一見コミュニケーションの問題がないように見えるのは、自閉の度合いが軽いからではなく、自閉を補ってあまりあるスピードで言葉を記憶しているからかも知れません。言葉の獲得の早さが知能からきているのか、あるいは別な理由があるのか。私は自分の内部のことしかわかりません。

 現在は、最初に提示したような、自閉症とひとつながりであるとする分類が主流です。

 

 

 4月3日の記事。分類好きなので、どちらの考え方にも興味はあります。その融合説(高機能自閉症の特殊タイプと、その流れとは別の人と両方いる)もあります。