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①では筆者がブログのネタ探しに行った時に遭遇したプロバスケットの試合のダンクシュートに圧倒されてバスケット観戦を始めたモノの、時を経るに従ってそうした派手なダンクシュートから徐々に一見すると地味なシュートテクニックに興味の対象が移っていったという話をした。②ではそうして変化した興味の対象について説明していきたい。
薄々派手なだけのダンクシュートに物足りなさを感じていたプロバスケットの世界。そうした部分に限界を感じていた観戦3シーズン目。筆者は2017年1月14日の日韓クラブ頂上戦のB1リーグの強豪・川崎ブレイブサンダースvs韓国プロバスケットリーグ(KBL)王者の安養(アニャン)KGCとの観戦のために、現在では改装工事中の代々木第一体育館へ足を運んだ。
この時の安養に在籍していた黒人ポイントガード(PG)で28番のキーファー・サイクスという選手がいた。この身体能力の塊のような178cmのバスケットマンが筆者の「バスケットの華=ダンク」という固定概念を叩き壊した!
PGというポジションも大型化が進んでいるのがプロバスケットの世界的な潮流であるが、それでも小柄な選手が唯一活路を見出していけることには変わりはない。
そうした中で、このポジションに求められるスキルはドリブルでの突破力やボールをゴール下まで運ぶ要素。
前述の2つに加えてもう一つ重要なのは「相手のプレーを読んで攻撃の芽を摘み取って、かつ(サッカーで言う)カウンターアタックを決めること」である。
サッカーで言うカウンターのことをバスケットではスティールと言うが、このキーファー・サイクスというPGは川崎の攻撃を「Bリーグ最強の外国人助っ人」と呼ばれる22番でセンターのニック・ファジーカスに集中していると察知すると、サイクスは老練な間合いの詰め方から、前半だけで3本のスティールをカマした。
そしてそうしたサイクスの一連のスティールの仕上げの動作が、相手選手を嘲笑うような余裕綽々(よゆうしゃくしゃく)のレイアップシュート、すなわち「庶民シュート」だ。
この時のサイクスの相手のプレーを読んでからの庶民シュートというプレーの一連の流れにある美しさというのは、単なる派手なだけのダンクとは違ったいぶし銀な魅力を感じた。
庶民シュートという名前の名付け親である桜木花道は「ダンク=天才」で「レイアップ=庶民」と考えていた。
しかし、実際のバスケットではこうした庶民シュートも相手の攻撃のタイミングがハマれば、ダンクシュートに負けない美しさを持つのを、筆者は実際のバスケット観戦で学んだ。
この試合の勝者は川崎であったが、ここで試合結果にこだわる姿勢を見せるのは野暮だろう。
①で旧bjリーグが低レベルだという情報も「馬には乗ってみよ。人には添うてみよ」という言葉にあるように、実際に間近で見ることによって、それは誤解ということがわかった。
そしてバスケットの華というのがダンクというのは、バスケットの歴史が続く以上未来永劫変わりはないのは事実だ。
しかし「庶民シュート」という呼び名のレイアップもまた、庶民という凡庸なイメージが独り歩きしていたが、これもまた間近で観戦することによって、決して侮れないシュート技術ということがわかった。
バスケットに限らず、一見地味で単純な技術ほど実は奥が深いモノだというのをこの試合で理解した。
まさに「馬には乗ってみよ。人には添うてみよ」である。