残念ながら、本戦参加は不可と連絡がありました。
実行委員会から送付された、私の「審査表」と「不合格の基準」は以下です。
審査内容 不合格基準
A.装備・服装・食料 ○ 不備有
B.行動時間 ○ CP予測タイム差2時間以上
リタイア
標準タイムオーバー(1・2日目)
C.露営・生活技術 ×
設営タイム:× 8分以上
自在 :△ 設営 ゆがみ、ねじれ有
張り綱 :×
ペグ :×
撤収タイム:○ 4分以上
パッキング:○ パッキング不備
D.読図 ○
4point(A,C,D,E)正解 2Point以下
E.危険予測回避力 ×
5.5点 6.5点以下
また、個別の不合格数も発表になりました。以下、項目別に記します。
A.装備・服装・食料
落選した選手は、いませんでした。
B.行動時間
CP間の計画タイムは、2時間以上のオーバーが不合格だと、終了後に初めて公開されました。
私は、たまたまそれほど狂わずにすみました。
2時間以上、誤差のあった選手が2名「行動予測力が非常に低い選手」と判定され不合格でした。
しかし山岳では、天候や怪我、他登山者の救助など、状況に応じて柔軟に計画を変更する
能力が大事であり、その点、審査されたのかは不明です。
他、リタイヤや道迷いによるタイムオーバー不合格が2名。
C.露営・生活技術
予想どおりツェルト設置部門で、不合格でした。ポールやペグの不備はもちろん、
時間もオーバーしたもよう。論外でした。
長年経験してきた、絶対自信があった分野がなんと不合格!!
![しょぼん](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/144.gif)
この分野は私含め、6名が不合格でした。
不合格者には 「設営をほとんどおこなったことがないと思われる」。
「露営技術が未熟」。
「山の中で露営&生活する経験を、より多くおこなってほしい」。
実行委員会から、きついお叱りのコメントをいただきました。学生扱いです。
D.読図(オリエンテーリング)
2Point以下の不合格者は4名。
よく初体験の私が5問中、4問正解できたものです。
![べーっだ!](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/188.gif)
自信あるなずないどころか、生まれて初めてやってみた項目が合格なのは皮肉です。
E.危険予測回避力
この筆記試験が不合格だったことには驚きました。何も心配していませんでした。
不合格は7名。
本戦を想定して内容を求められたのですが、問題用紙にそう説明がなかったので、
あくまで一般的な対策を書いたのですが、本当にその点「考慮」されたのか不明です。
これほど点が悪いのは、考慮されなかったのではないか。
![ガーン](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/141.gif)
実行委員会に、模範解答を発表してくれるよう求めましたが、
「本戦への準備が多忙につき、解答発表は省略する」と
連絡がありました。
つまり筆記試験の正解は、発表されないのです。
こんなことが、あり得るでしょうか。
![むっ](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/146.gif)
普通は、指定した危機管理マニュアルを熟読させて、そこから問題を出すパターンです。
それがないから、正解をあたりようが無い。
常識的項目と考えているのかもしれませんが、山岳会によって方針が違う場合もあり、
実行委員会としてのルールを公開するべきです。
危機管理の問題に関しては、正解を積極的に発表して、山岳での安全管理技術を、
啓蒙しなくてはならない。
これ、常識だと思うのですが。
![$アド・ベンチャー・レース DIARY](https://stat.ameba.jp/user_images/20120716/05/challengeryobi/b0/23/j/o0570034612081418146.jpg?caw=800)
結局選考会32名参加中、12名もが落選しました。
これほど落選したのは初めてのはずですが、前回完走者の人数確保のため、10名以上、
落とさなければいけないはず、という予想通りの結果となりました。
ただ私と同行し、会話したほとんどの方は合格しました。
とても良かった!!
おめでとうございます!!
![グッド!](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/187.gif)
32名中、30名は制限時間内に走る事ができたので、他10名は他の用件で落ちたことになります。
本大会の出場選手は、以下の名簿が公式サイトから発表になってます。
http://www.tjar.jp/2012/info/2012/07/13092904.html
1 松浦 和弘 30 選考会
2 小野 雅弘 31 選考会
3 東山 高志 31 選考会
4 阪田 啓一郎 32 選考会
5 船橋 智 33 実行委員
6 福山 智之 33 選考会
7 望月 将悟 34 前回完走
8 石田 賢生 35 選考会
9 田中 尚樹 37 選考会
10 森本 泰介 37 選考会
11 宮崎 崇徳 38 選考会
12 小畑 剣士 39 選考会
13 奥野 博士 39 前回完走
14 良本 卓也 39 選考会
15 宮下 晋 40 前回完走
16 宮林 勝 41 選考会
17 大西 靖之 43 前回完走
18 飯島 浩 43 実行委員
19 木村 正文 44 前回完走
20 岩崎 勉 45 選考会
21 畠山 洋祐 45 選考会
22 湯川 朋彦 45 実行委員
23 北野 聡 45 選考会
24 飴本 義一 46 選考会
25 田村 聡 47 選考会
26 梅澤 功 47 選考会
27 町田 吉広 49 選考会
28 平井 小夜子 50 選考会
驚いたのは、4名の20代の高速ランナーが全員落選したこと。
![目](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/242.gif)
皆、ハセツネタイム8時間から9時間。
彼らは、決して山を走ることだけが得意の「ランナー」ではありませんでした。
プロのアドベンチャーレーサーとして活動した選手もいましたし、オリエンテーリング歴
15年の「山熟練者」もいました。
高度な山岳対応力と、桁外れのパワー、持久力を兼ね備えた、完走できるどころか、
レースとして名勝負に参加できる、素晴らしい力量を持っていたはずだと思います。
実際、完走の経験者もいました。
年齢で差別して落としたわけではなく、たまたまの結果だったとは思いますが、
彼らのような選手が落選してしまう審査基準に、疑問を持たざるおえません。
植村直己が、日本人として初めてエベレスト登頂を達成したのは29歳。
長谷川恒男が、世界初の厳冬期のマッターホルン北壁の単独登頂を成し遂げたのも29歳。
当時の彼らでも、この審査に落ちるような曖昧さがある気がします。
20代全員落選は、いくら偶然の結果といっても、残念な限りです。
さんざん書いて来たとおり、審査基準には多くの疑問がありますが、
合格して言いいたかったとこです。
その方がかっこいいですから。
![にひひ](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/193.gif)
不合格ならば、審査基準への疑問、文句をいくらいっても
「負け犬の遠吠え」「引かれものも小唄」と取られてしまいます、、。
が、もう少し言います。
ツェルト速度テストような、秒単位の一発勝負は、ゲームのようなものであり、臨機応変な
山のサバイバル能力判定自体には、まったく不向きなものと考えます。
建てるのは、1週間の本戦では6回として、1回2分短縮したとして稼げる時間は12分。
7日間の中で、どのくらい時間短縮に貢献するというのか。
ぐらついていた場合があったのは、わかっていても、制限時間内でストップせざるおえないからです。まるで建てる能力が、根本不足しているような評価をされてました。
ただ、もしまたチャレンジするとしたら、ルールはルールですので、「ツェルト張り競争」
という山岳の独立した新種目として、どんな状況でも瞬間判断し、応用し、必ず8分以内でしっかりツェルトを立てる能力を競うのだ、と割り切るしかありません。
他の疑問として、許される装備がステージによって違うことがあげられます。
本戦では、幕営場所の条件が毎日変わるし、設置時間など一切制限されません。
テントでもシェルターでもツェルトでもシュラフでもシュラフカバーでも、何を使用しても
自由です。
ある選手によると、この実行委員長の方が講習会を開き、ビバーク時にいつも使用している
超軽量シュラフを推奨したので、同じ商品を使用してビバークし、
書類に記述したところ、「シュラフは不可、シュラフカバーのみ」と書類で落とされたことが
あるそうです。(今回は合格!)
書類選考と選考会で、必要以上というか、必要ない厳しい基準を要求し、選手をふるい
落としてきたように感じました。
何十年も経験してきた、ツェルト審査で落選し、
生まれて初めてやってみた、オリエンテーリングで合格。
これは、合否が運に左右される証拠ではないでしょうか?
あとは先にも述べた通り、マニュアルもないのに、筆記試験の解答がなく、
「省略」されてしまったこと。
命にかかわるノウハウを、省略してしまっていいものか。
本戦に参加するため、情熱を傾けてきた選手たちにぜひ公平になるような、
十分な情報提供をお願いしたいところです。
疑問ばかりになりましたが、前回書いた通り、本戦への選考と考えず、
独立したゲームと割り切れば、とてもおもしろい山行であり、その面を切り取って考えれば、
尽力されたスタッフの方々に、感謝申し上げたいと思います。