TJAR選考会アフター | アド・ベンチャー・レース DIARY

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趣味の耐久系レース、トレーニング、他印象にのこったトピックをお伝えいたしま~す。

2012TJAR選考会の合否が、発表になりました。

残念ながら、本戦参加は不可と連絡がありました。

実行委員会から送付された、私の「審査表」と「不合格の基準」は以下です。



  審査内容                 不合格基準


A.装備・服装・食料              不備有

B.行動時間                   CP予測タイム差2時間以上
                        リタイア
                        標準タイムオーバー(1・2日目)

C.露営・生活技術     ×             

          設営タイム:×        8分以上  
          自在   :△       設営 ゆがみ、ねじれ有
          張り綱  :×
          ペグ   :×
          撤収タイム:○        4分以上      
          パッキング:○       パッキング不備

D.読図           
         4point(A,C,D,E)正解      2Point以下

E.危険予測回避力       ×
              5.5点           6.5点以下



また、個別の不合格数も発表になりました。以下、項目別に記します。


A.装備・服装・食料

落選した選手は、いませんでした。


B.行動時間

CP間の計画タイムは、2時間以上のオーバーが不合格だと、終了後に初めて公開されました。

私は、たまたまそれほど狂わずにすみました。

2時間以上、誤差のあった選手が2名「行動予測力が非常に低い選手」と判定され不合格でした。

しかし山岳では、天候や怪我、他登山者の救助など、状況に応じて柔軟に計画を変更する
能力が大事であり、その点、審査されたのかは不明です。

他、リタイヤや道迷いによるタイムオーバー不合格が2名。


C.露営・生活技術 

予想どおりツェルト設置部門で、不合格でした。ポールやペグの不備はもちろん、
時間もオーバーしたもよう。論外でした。

長年経験してきた、絶対自信があった分野がなんと不合格!!しょぼん

この分野は私含め、6名が不合格でした。

不合格者には 「設営をほとんどおこなったことがないと思われる」。
       「露営技術が未熟」。
       「山の中で露営&生活する経験を、より多くおこなってほしい」。


実行委員会から、きついお叱りのコメントをいただきました。学生扱いです。


D.読図(オリエンテーリング)

2Point以下の不合格者は4名。

よく初体験の私が5問中、4問正解できたものです。べーっだ!
自信あるなずないどころか、生まれて初めてやってみた項目が合格なのは皮肉です。


E.危険予測回避力

この筆記試験が不合格だったことには驚きました。何も心配していませんでした。

不合格は7名。

本戦を想定して内容を求められたのですが、問題用紙にそう説明がなかったので、
あくまで一般的な対策を書いたのですが、本当にその点「考慮」されたのか不明です。

これほど点が悪いのは、考慮されなかったのではないか。ガーン

実行委員会に、模範解答を発表してくれるよう求めましたが、
「本戦への準備が多忙につき、解答発表は省略する」と
連絡がありました。

つまり筆記試験の正解は、発表されないのです。 

こんなことが、あり得るでしょうか。むっ 

普通は、指定した危機管理マニュアルを熟読させて、そこから問題を出すパターンです。
それがないから、正解をあたりようが無い。

常識的項目と考えているのかもしれませんが、山岳会によって方針が違う場合もあり、
実行委員会としてのルールを公開するべきです。

危機管理の問題に関しては、正解を積極的に発表して、山岳での安全管理技術を、
啓蒙しなくてはならない。

これ、常識だと思うのですが。                    

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結局選考会32名参加中、12名もが落選しました。

これほど落選したのは初めてのはずですが、前回完走者の人数確保のため、10名以上、
落とさなければいけないはず、という予想通りの結果となりました。

ただ私と同行し、会話したほとんどの方は合格しました。

とても良かった!!

おめでとうございます!!グッド!

32名中、30名は制限時間内に走る事ができたので、他10名は他の用件で落ちたことになります。


本大会の出場選手は、以下の名簿が公式サイトから発表になってます。

http://www.tjar.jp/2012/info/2012/07/13092904.html


  1  松浦 和弘  30 選考会
  2  小野 雅弘  31 選考会
 3  東山 高志  31 選考会
  4  阪田 啓一郎 32 選考会
  5  船橋 智   33 実行委員
  6  福山 智之  33 選考会
  7  望月 将悟  34 前回完走
  8  石田 賢生  35 選考会
  9  田中 尚樹  37 選考会
 10 森本 泰介  37 選考会
 11 宮崎 崇徳  38 選考会
 12 小畑 剣士  39 選考会
 13 奥野 博士  39 前回完走
 14 良本 卓也  39 選考会
 15 宮下 晋   40 前回完走
 16 宮林 勝   41 選考会
 17 大西 靖之  43 前回完走
 18 飯島 浩   43 実行委員
 19 木村 正文  44 前回完走
 20 岩崎 勉   45 選考会
 21 畠山 洋祐  45 選考会
 22 湯川 朋彦  45 実行委員
 23 北野 聡   45 選考会
 24 飴本 義一  46 選考会
 25 田村 聡   47 選考会
 26 梅澤 功   47 選考会
 27 町田 吉広  49 選考会
 28 平井 小夜子 50 選考会


驚いたのは、4名の20代の高速ランナーが全員落選したこと。目
皆、ハセツネタイム8時間から9時間。

彼らは、決して山を走ることだけが得意の「ランナー」ではありませんでした。

プロのアドベンチャーレーサーとして活動した選手もいましたし、オリエンテーリング歴
15年の「山熟練者」もいました。

高度な山岳対応力と、桁外れのパワー、持久力を兼ね備えた、完走できるどころか、
レースとして名勝負に参加できる、素晴らしい力量を持っていたはずだと思います。
実際、完走の経験者もいました。

年齢で差別して落としたわけではなく、たまたまの結果だったとは思いますが、
彼らのような選手が落選してしまう審査基準に、疑問を持たざるおえません。


植村直己が、日本人として初めてエベレスト登頂を達成したのは29歳。

長谷川恒男が、世界初の厳冬期のマッターホルン北壁の単独登頂を成し遂げたのも29歳。

当時の彼らでも、この審査に落ちるような曖昧さがある気がします。

20代全員落選は、いくら偶然の結果といっても、残念な限りです。


さんざん書いて来たとおり、審査基準には多くの疑問がありますが、
合格して言いいたかったとこです。

その方がかっこいいですから。にひひ

不合格ならば、審査基準への疑問、文句をいくらいっても
「負け犬の遠吠え」「引かれものも小唄」と取られてしまいます、、。
が、もう少し言います。

ツェルト速度テストような、秒単位の一発勝負は、ゲームのようなものであり、臨機応変な
山のサバイバル能力判定自体には、まったく不向きなものと考えます。

建てるのは、1週間の本戦では6回として、1回2分短縮したとして稼げる時間は12分。
7日間の中で、どのくらい時間短縮に貢献するというのか。

ぐらついていた場合があったのは、わかっていても、制限時間内でストップせざるおえないからです。まるで建てる能力が、根本不足しているような評価をされてました。

ただ、もしまたチャレンジするとしたら、ルールはルールですので、「ツェルト張り競争」
という山岳の独立した新種目として、どんな状況でも瞬間判断し、応用し、必ず8分以内でしっかりツェルトを立てる能力を競うのだ、と割り切るしかありません。


他の疑問として、許される装備がステージによって違うことがあげられます。

本戦では、幕営場所の条件が毎日変わるし、設置時間など一切制限されません。
テントでもシェルターでもツェルトでもシュラフでもシュラフカバーでも、何を使用しても
自由です。

ある選手によると、この実行委員長の方が講習会を開き、ビバーク時にいつも使用している
超軽量シュラフを推奨したので、同じ商品を使用してビバークし、
書類に記述したところ、「シュラフは不可、シュラフカバーのみ」と書類で落とされたことが
あるそうです。(今回は合格!)

書類選考と選考会で、必要以上というか、必要ない厳しい基準を要求し、選手をふるい
落としてきたように感じました。

何十年も経験してきた、ツェルト審査で落選し、
生まれて初めてやってみた、オリエンテーリングで合格。

これは、合否が運に左右される証拠ではないでしょうか?


あとは先にも述べた通り、マニュアルもないのに、筆記試験の解答がなく、
「省略」されてしまったこと。
命にかかわるノウハウを、省略してしまっていいものか。

本戦に参加するため、情熱を傾けてきた選手たちにぜひ公平になるような、
十分な情報提供をお願いしたいところです。

疑問ばかりになりましたが、前回書いた通り、本戦への選考と考えず、
独立したゲームと割り切れば、とてもおもしろい山行であり、その面を切り取って考えれば、
尽力されたスタッフの方々に、感謝申し上げたいと思います。