敵を知る! 「がん 生と死の謎に挑む」立花隆著 | 悪性リンパ腫(PTLD)闘病記 〜徒然日記〜

悪性リンパ腫(PTLD)闘病記 〜徒然日記〜

2013年8月に悪性リンパ腫と診断され、R-CHOP治療(8クール)がスタートしました。
その後放射線治療を経て、なかなか得られない「寛解宣言」目指して悶々としながらも、7月から復職し、日々を前向きに過ごしております!

入院が決定してから急いで、入院中に読む本を何冊か買い込みましたが、その中の一冊が「がん 生と死の謎に挑む」(立花隆著)でした。

縁あって(?)悪性リンパ腫という血液のガンになってしまいましたので、自分自身の病気のことを知る事はもちろんですが、「ガンとはこういうものぞ」と後日友人や同僚に偉そうに語れるよう(笑)ある程度の知識は付けておきたいと思い、ガン関係の本を探していたところにこの本が目に止まりました。

元々立花隆の著書が好きでしたので、彼の書いた本なら間違いないだろうということで購入しましたが、この本はNHKスペシャルで2009年に放送された番組の解説本的なものでした。。(´ヘ`;)ウーム…
「まずは番組を見てからこの本を読め」と書かれてましたので、策略通り(?)「NHKオンデマンド」というサイトで210円払って番組を見ました。

$悪性リンパ腫(PTLD)闘病記

番組では、ガン研究の最先端の情報や、なぜガンがこんなに厄介な病なのか、について画像やCGを交えながら非常に分かりやすく説明してくれています。

見れば見るほど「こりゃ当分ガンが地球上からなくなることはないな~」ということを嫌でも感じてしまいます。
色々な考え方があると思いますので、この番組・本だけで分かった気になるつもりはありませんが、ガン患者歴2週間の私には非常に有益な内容でした。

【メモ】
・日本人の2人に1人がガンにかかり、3人に1人はガンで死ぬ。
・ガンとは細胞の病気。遺伝子のコピーミス。正常細胞が狂い出して無限の増殖能を持つがん細胞になってしまう病気。
・ガン自体が使う仕組みの多くを正常な幹細胞もまた使っている。そのため正常な幹細胞に影響を及ぼさないでガン細胞の機能だけを止めるのは大変難しい。
・ガン細胞が大きくなってくると十分な酸素を得られなくなるが、HIF-Iが、酸素が薄い状態でもガン細胞が生存できるように新陳代謝の仕組みを変え、低酸素の領域から逃げ出せるようにする(=浸潤)。
 *HIF-Iは、酸素を必要とする生物が進化の過程で獲得した遺伝子
・ガン細胞が転移できるのは、体を守る免疫システムの代表的存在であるマクロファージがガン細胞の手助けをするため。
・ガン細胞の数が10億以上の細胞塊(直径1cm、重さ1g)になって初めて検出可能になる。検査で見つからなくても完全に無くなったとは言えない。
・抗がん剤はガン細胞だけでなく、人体のすべての細胞分裂が活発な細胞の増殖を抑えようとする薬。だから副作用が大きい。
 *副作用「毛が抜ける」は、毛根が体の中で細胞分裂が激しいところだから
 *副作用「吐き気や食欲不振」は、胃腸などの消化器の粘膜部分が体の中で最も新陳代謝が激しいところだから
・悪性リンパ腫など数種のガン以外には、抗がん剤では完治は望めずわずかな延命効果しかない(せいぜい2ヶ月程度)。
・抗がん剤についての「患者よ、がんと戦うな」の近藤医師の理論は基本的に正しい(近藤医師は抗がん剤全否定論者ではない。我らがCHOP療法の先駆者!だそうです)。
・鎮痛用のモルヒネには麻薬のモルヒネのような中毒症はない。耐えられない痛みがくれば鎮痛用モルヒネを使用するのは世界の常識
(日本人はモルヒネは麻薬。麻薬は悪という意識が強過ぎる)。
・がん患者の2人に1人が何らかの代替療法を使っていて、その市場規模は1兆円に及ぶと言われている。
 *筑紫哲也さんは代替療法を「黄金のワラだらけの世界」(=いくらお金がかかってもつかむワラ)と表現。


・・・それにしても「NHKオンデマンド」、NHKのハイクオリティな番組が月額945円で見放題って、めっちゃお得な気がします。

【NHKオンデマンド】http://www.nhk-ondemand.jp

あ、別にNHKの関係者でも回し者でもないですよ(笑)


ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村