ウェディングプランナーの密かな悩み(続き)


C: でもね、Yもよく分かってると思うけど、学ぶことってすごく大事なことで、

   特に新しいことを始める時だとか、新しい世界へ飛び込んだ時だとか、

   右も左も分かんないわけだから・・・ やっぱり大切なことだよね、それって。


Y: はい

C: 何を言いたいかっていうと、
例えば会社に入った時なんか、経理伝票の記入の仕方とか、稟議書の書き方とか、

   知らない、分からないことだらけだよね?


Y: は、はい


C: 新しい環境に入る時って、どうしても学ばなくっちゃいけないことってすごく多いし、

   そうすると、段々知らずのうちに『学ぶモード』に入っていくのね、人って。


   「人に教えてもらわないと出来ない」っていう、
要するに、出来る、出来ない。
自分の存在価値がある、無いっていうのは、

学ぶことっていうのと全然関係無いんだけど、それがなぜかリンクしちゃって。


   その人の人格と、今までに学んだことの量っていうのが、
リンクしてる社会になっちゃってるんだよね。


Y: 人格と学んだことの量ですか?

   何か難しい・・・

C: いやいや(笑)

Yっていう存在と、今まで教わってきたいろんなことってあるでしょ?


   それが、自分の中で一緒になっちゃって、

「学ばなくちゃいけない」っていう考え方にすり替わっちゃうのよぉ。


Y: あぁ・・・

C: まぁ、確かに最初の頃って、
   『おめでとうございます』の言い方から名刺の受け渡しなんかまで、

   一から十まで先輩から学ばないといけなかったよね?


Y: はい


C: で、段々さぁ、打ち合わせの仕方から手配の流れ、
   ベンダーさんの取り仕切りから当日の指示まで、
どんどんどんどん詰め込まれて・・・


   長年そういう状態が続くと、いつの間にか

「学ばなきゃいけない= あぁ、私はダメだ」になっていくの。


   分かるかなぁ?


Y: うん


C: 極端な話、
   「いつまでも学んでる(与えられてる)私 = 私ってダメなプランナーだ」

みたいな感じ?

   もちろん全然違うんだけど、そう思っちゃうのよねぇ・・・なぜか。


Y: はい


C: 伝票や稟議書がちゃんと書けないからって、彼女に価値が無いわけじゃない。
   けど、誰もそんなことはいちいち言ってくれないよねぇ。
 
   「○○さんは伝票が完璧に書けないかもしれないけど、仕事はデキる」とかね(笑)

   わざわざ、本人を前にして言わないでしょ?

Y: はい


C: ステキな想いをいっぱい持ってこの業界に飛び込んだのに、
いつの日からか「自分はダメなんだ・・・」って、すごく後ろ向きになる。

   

そうなっちゃうと、表面的な幸せづくりならいくらでも出来るかもしれない。

でも、本当の意味で「カップルを幸せにしたい」って考えたら、

「自分の今の気持ちって、何か違うよなぁ・・・」なんて自信無くなっちゃうじゃない?


Y: (無言)



※書き切れないので、次回へ続きます。