田老復興の基本哲学「4度目はない!」を大切に! 渡辺実 | 宮古市議会議員 きたさんのブログ

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東日本大震災後の宮古市復興計画、仮設住宅、心のケア対策、教育の諸問題、JR山田線、廃線(JR岩泉線)、脱原発、自然再生エネルギー、第1次産業の振興策6次産業化などの取り組みの報告及び情報の発信をしてまいります。

<田老復興の基本哲学「4度目はない!」を大切に!>

多くのメディアが「全戸移転断念」と報じて、この情報が一人歩きしています。

渡辺実
NPO田老理事
防災・危機管理ジャーナリスト
3月9日TVI「5きげんTV」で生出演します。


③  「4度目はない!」復興まちづくりが、田老の基本哲学だと私は堅く信じています。そのためには、今回たまたま浸水を免れた約200戸の田老住民がこのまま取り残されれば、4度目はない保証はどこにもないのです。彼らも同じ津波被災者であることを忘れないでください。
④ この半年間の議論に参加していて分かったことは、14.7mの防潮堤(漁港保全施設で津波防潮堤なのかまだ不明です)や4m嵩上げでも、すべて県が行ったシミュレーションという「想定」でしかなく、4度目はないという保証はない、ことです。つまり、今回の大震災の教訓である「想定外がある」ことを、県も市もみなさんもすっかり忘れていませんか?
⑤ 2度目の昭和大津波の後の先人が下した復興まちづくりでは防ぎきれなかった3度目の平成大津波を経験し、さらに日本列島そのものが地震活動期を迎えた今、田老のみなさんが決断することは「4度目はない!」が「田老の決断」で、この復興計画の最も重要な基本哲学ではないでしょうか。
⑥ この基本哲学を田老住民も行政も今一度十分肝に銘じて、いま選択するのは国の復興補助事業でどこまで田老全体の安全・安心が実現できるか判断しなければなりません。これが今市やコンサルが進めようとしている「一部移転案」です。現行の国の復興制度・補助事業では実現できないのであれば、制度・事業を変える必要があります。現行の復興制度・補助事業は、これまでの大震災をふまえて作られた枠組みで、今回のような巨大津波災害をまったく想定していません。ですから、実現できないのが当たり前なのかもしれません。
⑦ 今回の復興制度では、阪神大震災時に神戸市がのどから手が出るほどほしかった「復興特区」があります。今日復興庁ができました。復興特区は、こうした現行制度・枠組みでは実現できない復興を為し得るためのものです。しかし、この特区ですら制度の枠組みがあるのが現実ですから、宮古市やコンサルの腕のみせどころですが・・・。また別の側面からみると、これは近い将来必ず襲う次の巨大津波災害が発生し、田老と同じ問題が発生する南海トラフ沿いの巨大地震時の復興モデル「田老モデル」になるはずです。
⑧ 多くの田老住民が望む「全戸移転案」を、なぜもっと真剣に議論し、国にぶつけようとしないのか、私には理解できません。その結果、どうしてもできない壁があり、そのことをみなさんが「納得する」のであれば、それが「田老の決断」なのではないでしょうか。山本市長も同じ考えではないでしょうか。ぜひ田老人で被災者としての市長の率直な意見を聞いてみたかったのですが・・・。18日のあと、田老は市長決断がありますので、注目です。
⑨ なにより大切にしてほしいのは、いま議論していることは10年、50年先の田老の将来です。いまやむを得ず田老を離れる若い世代が、復興案に納得し、田老に帰ってきたいと思える、希望が持てるまちづくりの判断をいまみなさんが行うことです!絶対に諦めないでください。同時に後に回された田老の産業復興、商業復興、観光復興、そして防災教育などのソフト面の復興も絶対に忘れないでください。
以上です。



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