この映画見てきました。
丁寧に作られていると思います。。。ミッドウェーの
「運命の5分間」を、ここまで緻密に映像化したのは
初めてではないですかね。これまで、海戦シーンとなると
大昔の円谷作品とか、実際のガンカメラ映像を使いまわして
平然としていた作品が多かったですからね(汗
主役級の若い俳優さんもいい芝居してますし、中でも
橋爪功さんの演技がすばらしい。
まあでも。。やはりどうしても国民性というのか、ウェットな
方向に流れてしまうのは非常に残念ですね。いまいち十分な動機に
乏しい自己犠牲とか、散り際の美しさの追求みたいなのとか。。
なんかこう、現実を直視しないで自己陶酔の境地に入る
感じといいますか?となると、ン十年前の戦記ブーム華やかなりし
頃の作品とか、もっと言えば戦時中の戦意高揚映画などと
どう違うのだろうと思ったり。
「敵」をほぼ全く描かないというのも、日本の戦争映画の通弊
ですね。
まあ深海棲艦みたいな正体不明なものにしておけばいいという
ことか?w
原作も読みましたが、驚くべきことに、事実関係で私が知らない
ことは何一つありませんでした。
ということは、作者は聞き取り取材でなく全て市販の文献資料に
基づいてあの作品を書いたということになります。
フィクションとはいえ、多くの印税の対価としてはかなり安易で
ないでしょうかねえ。。。半藤一利氏とか保坂正康氏とか、
ノンフィクション分野で同様のテーマを書いておられる著述家は
おられますが、比較すると鬼気迫るが如き取材努力をされています。
やはり、実際を知らない、ということによる弊害は非常に大きい
と思うんですよね。。。例えば、(学徒出陣前の)最後の早慶戦、
といった題材を描いた別の映画を見ていた私の伯母(戦中派)が、
「昔の男はあんなに笑わない」とぽつりと言ったことがありまして、
こうした感覚というのは、実際に経験するか、せめて経験者への
聞き取りをしなければうまく叙述につながらないのではないのかと
思いますね。結果として、知らない人間があいまいな話を知らない
観客に伝え、よく分からないままに互いに感動するということにw
それこそ自己陶酔の境地かもです。
最近、これとは関係なく大本営情報参謀であった堀栄三氏の著作を
読む機会がありましたが。。現場、しかも中枢にいた方の著述というの
はここまで読み応えがあるのかと目が覚める思いでありました。
題材はレイテ戦線が中心なので山本七平氏なんかの著書の対象と
かぶりますが。。山本氏は組織の末端におられたので、視点が事象面
に偏るきらいがあり、これは補完して有り余るものがあります。
まあ、素材としてはそれこそふんだんにあるので、一度、より実の
ある戦争映画を見たいものであります。
丁寧に作られていると思います。。。ミッドウェーの
「運命の5分間」を、ここまで緻密に映像化したのは
初めてではないですかね。これまで、海戦シーンとなると
大昔の円谷作品とか、実際のガンカメラ映像を使いまわして
平然としていた作品が多かったですからね(汗
主役級の若い俳優さんもいい芝居してますし、中でも
橋爪功さんの演技がすばらしい。
まあでも。。やはりどうしても国民性というのか、ウェットな
方向に流れてしまうのは非常に残念ですね。いまいち十分な動機に
乏しい自己犠牲とか、散り際の美しさの追求みたいなのとか。。
なんかこう、現実を直視しないで自己陶酔の境地に入る
感じといいますか?となると、ン十年前の戦記ブーム華やかなりし
頃の作品とか、もっと言えば戦時中の戦意高揚映画などと
どう違うのだろうと思ったり。
「敵」をほぼ全く描かないというのも、日本の戦争映画の通弊
ですね。
まあ深海棲艦みたいな正体不明なものにしておけばいいという
ことか?w
原作も読みましたが、驚くべきことに、事実関係で私が知らない
ことは何一つありませんでした。
ということは、作者は聞き取り取材でなく全て市販の文献資料に
基づいてあの作品を書いたということになります。
フィクションとはいえ、多くの印税の対価としてはかなり安易で
ないでしょうかねえ。。。半藤一利氏とか保坂正康氏とか、
ノンフィクション分野で同様のテーマを書いておられる著述家は
おられますが、比較すると鬼気迫るが如き取材努力をされています。
やはり、実際を知らない、ということによる弊害は非常に大きい
と思うんですよね。。。例えば、(学徒出陣前の)最後の早慶戦、
といった題材を描いた別の映画を見ていた私の伯母(戦中派)が、
「昔の男はあんなに笑わない」とぽつりと言ったことがありまして、
こうした感覚というのは、実際に経験するか、せめて経験者への
聞き取りをしなければうまく叙述につながらないのではないのかと
思いますね。結果として、知らない人間があいまいな話を知らない
観客に伝え、よく分からないままに互いに感動するということにw
それこそ自己陶酔の境地かもです。
最近、これとは関係なく大本営情報参謀であった堀栄三氏の著作を
読む機会がありましたが。。現場、しかも中枢にいた方の著述というの
はここまで読み応えがあるのかと目が覚める思いでありました。
題材はレイテ戦線が中心なので山本七平氏なんかの著書の対象と
かぶりますが。。山本氏は組織の末端におられたので、視点が事象面
に偏るきらいがあり、これは補完して有り余るものがあります。
まあ、素材としてはそれこそふんだんにあるので、一度、より実の
ある戦争映画を見たいものであります。