こんにちは、CADCの古村です。
今回は先週行われた、HCDワークショップの様子についてレポートします。

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ついにHCDプロセスを一通り体験するという本ワークショップも最後の6回目となりました。
今回のお題は、「ペーパープロトタイピング」です。
ひきつづき「モバイルによるクッキングレシピサービスの提案」をする為に、前回制作したペルソナ/シナリオからアイディアのペーパープロトタイピングを行います。

ペーパープロトタイピングの長所は、手間をかけずにユーザビリティ評価を行っていくことで、徐々に完成品に近づけていくことができる点だそうです。
ペーパープロトタイピング 最適なユーザインタフェースを効率よくデザインする/Carolyn Snyder
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ペーパープロトタイピングといえばこの本が有名ですね


プロトタイプといえば、自動車会社のコンセプトカーなど製品と変わらない完成度の高いものを想像してしまいます。
しかし、細かく正確に制作するのではなく、何度も評価を行えるということがペーパープロトタイピングの良さなのでラフに作って良いそうです。
むしろラフに作ることでデザインの本質が被験者にもわかりやすく結果にも生きてくるそうです。

ここで注意しなくてはいけないのが「ラフ≠雑」ということです!!!


先生の講義の後、実際にグループワークに入りました。

▼スケッチを描いてみる
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提案するアイディアでユーザーが行うことをイメージしながらモバイルの画面UIを描いていきます。

進めていくうちに、
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「この機能が必要だ!」
     ダウン
「じゃあ最初の画面も変更しなきゃ!」

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という発見がありました。
ここでも細かい部分というより何が必要なのかを考え、簡単なフローを視覚的に表現することが重要だと感じました。

次にアクティビティシナリオを見ながらユーザーの振る舞いやタスクをとあわせてワイヤーフレームを作っていきます。

▼タスクシート
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アクティビティシナリオを見返し、クッキングレシピサービスを使う上での1つのシーンを取り上げて、そのフローをステップ毎にまとめていきます。
必要な項目は以下の3点になります。

1 ユーザーの具体的な振る舞い

2 その状況をイメージできる画像orスケッチ

3 タスク内容(一言で)


▼ワイヤーフレームを描く
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用意して頂いた、iPhone、iPadのフレームが描いてあるシートにUIを描きます。
評価してもらう時に被験者が見やすいように、きちんとペンを使って描きましょう!


▼ストーリーボーディング
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模造紙にタスクシートを上、ワイヤーフレームを下にステップにあわせて並べたものがストーリーボードとなります。
普段PCやモバイルの制作に関わっている人が多いため、UIの部分はスラスラと作ることができていました。
しかし、タスクシートに関してはどこまで書けばよいか迷ったりしていました。
写真の例のようにワイヤーフレームよりタスクの方が少なくなってしまうチームが多かったです。

しかし、これは間違いで先生曰く「具体的なユーザーのタスクに落とし込めていない」とのことでした。
たしかに以前のワークショップでソース焼きそばのパッケージ改善案 を行った際に、ソース焼きそばを食べるまでのタスクを細かく書き出しました。
その時と同じ様に細かく書き出さないと、評価を行う際に被験者はタスクシートとワイヤーフレームを見ても何をしたらいいのかわからなくなってしまうそうなので注意が必要です。


▼評価テスト
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他のチームの人に被験者として評価テストを行ってもらいました。
発話思考法で被験者が頭に浮かんだ事を口に出してもらい、意見や気づいた事をすぐに模造紙に貼っていきます。
そうすることで、次に改良する際に何を言われたのか忘れてしまうということをなくすことができます。

ソース焼きそばのパッケージ改善案 の際に思考発話法を体験していたので、多くの人が普通に思い浮かんだことを口に出していました。
実際に、触ってもらうと「ここからどうすればいいの?」や「これってこういうこと?」と聞かれ、被験者が理解できていないことがわかりました。

評価テストを通して、見落としていたタスクやUIがあったり、メンバーの間では当たり前にわかることだと思っていたことが被験者には伝わらないということが起こりました。
ペーパープロトタイプを作り直し、評価テストを繰り返すことでより完成度が高まるイメージが持てました。


ペルソナやシナリオ法について学ぶだけでなく、それが普段の考え方や制作の仕方に変化を与えてくれそうです。
ユーザーの潜在的な要求を汲み取り、デザインに落とし込むことの重要性を学ぶことができました。


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浅野先生の隣りの池田君が同じテーマでワークショップを学校で行った時の内容を発表してくれました。

浅野先生、丁寧に教えて頂きありがとうございました!
池田君も発表ありがとうございました!


今回のテーマでのワークショップは終了しましたが、これからもCAUXの活動は続きますのでどうぞよろしくお願いします!



情報デザイン研究室 : 浅野先生のブログ
『サイバーエージェントでプレゼンテーション』
『サイバーエージェントHCDワークショップ ペルソナ/シナリオ法(ペーパープロトタイピング)』