『よくわかる痛み・鎮痛の基本と不思議』伊藤和憲著 秀和システム


タイトルが長くて、どこまでがタイトルなのかちょっとわかりにくいです。

上記に続いて「なぜ痛むのか、どう治すのか?を図解で学ぶ 痛覚の不思議」とあります。


痛みとその対処法を解説した全230ページ。


一般向けでありながら、難しかったです(第1章72ページだけですが)。

第1章だけを読むのに、2週間近くかかってしまいました。

それでも、読む価値はあると思います。

なぜ痛いのかがわかれば、(私の場合)気持ちがラクになるからです。


第1章は「痛みのメカニズム」。化学系の言葉が次々出てきますので

読むにはかなり頭を使います。


メカニズムはすごい複雑なんですねー。

たとえば、画鋲がささったときに痛いのって、いきなり神経に刺さっているからだと

思っていました・・・(あほか)。

長いこと患っているのに、痛みがどうして起こるのか正確に理解してませんでした。


また、痛みの種類によって、それを伝える神経に違いがあること、

どうして、抗炎症薬が効くときと効かないときがあるのか、などが

わかりました。

この感じの痛みには、この薬、と、

自分の薬の使い分けに役立ちそうです。


なぜ天気や感情のブレで痛みが悪化するのかもわかりました。

気持ちがブレそうになったときに、

ここに示されている体内で起きていることを図解したもの

を思い出せば、

気持ちをコントロールできるかもしれません。


2章から最後の5章までは比較的すらすらと読めます。


痛みの対処法として、とくに目新しいものはなかったのですが、

コラムで「痛みの原因を見つけるより大切なもの」として、痛みを診る側が

痛みに共感すること、と書いてあって、ナットクです。

大変でしたね、といわれるだけで気持ちがラクになるのは事実です。


痛みのメカニズムについては、まだまだわかっていないことが多いのですが、

それでも現段階でのわかっていることを

素人向けに最大限噛み砕いた本だと思います。


不安が募って痛みが増える人にはオススメだと思います。