信じちゃう旦那

ピンポーンとチャイムが鳴りました。

私はモニターでいくつか当選している商品が有る為、
待ち焦がれている商品が届いたかと思い、来訪者の確認もせず扉を開けてしまいました。

しかしそこに居たのは宅配便でも郵便屋さんでも有りません。

「サンプルをお配りしておりまーす」とニコヤカに言うその男性の手には、
有名な乳酸菌飲料とヨーグルトが入ったビニール袋が有ります。

定期購入の勧誘か・・・

そんな時、私はこう言って断ります。
「すみません。家族がアレルギーが有るので・・・」

アレルギーがあっちゃ、しょうがない。
勧誘員は残念そうな表情をして、すぐに去ってくれました。

息子が「誰だった？」と聞くので
うっかりドアを開けた事、
セールスマンだった事、
アレルギーだと言って帰ってもらった事を話しました。

そして息子に
「今回は失敗しちゃったけど、あなたはドアを開けずに応対してね」
「もしもセールスマンだった場合にも、恨みを買わないよう、上手い言い訳をして断るんだよ」と教えました。

そこに
旦那がやって来ました。
嬉しそうな顔で、手に乳製品の入った袋を持って。
「サンプルくれるって言うから貰ったよー」

息子、アゼーン

旦那は1人で旦那のゴミ部屋に居たので、そちらにもセールスマンは訪問したのです。

私は思わず吹き出してしまいました。

「あのね、サンプルって…それセールスでしょ。
サンプルを貰っちゃったら、断り辛くなるでしょ。あのセールスマン、絶対また来るよ。断るの大変になっちゃうよ」

ホクホクだった旦那、一気に不機嫌になります。


旦那が勧誘に弱いのは、今に始まった事ではありません。
過去にはこんな出来事も有りました。

「今日、新宿で、お小遣い稼ぎしそびれちゃったよ～。残念～」と言うので、どういう事かと聞いてみると
新宿を歩いていたら見知らぬ人から
「映像を見て感想を言って欲しい。色んな人の意見を聞きたいから、一緒に来て欲しい。15分程度の映像を見てアンケートに答えてくれたら5000円支払いします」
と声を掛けられたとのこと。

旦那は
「惜しい！客先に行く途中で急いでいたから断ったけど、お小遣い稼ぎのチャンスを棒に振ってしまった」と悔しがっています。

「それ、詐欺？」
「え？」

「キャッチセールスだよ。
個室に連れて行かれて、英会話の教材とか何かの映像を見せられて、いつの間にか怖い人に囲まれて、契約するまで帰してくれないヤツ」
「え？え？だってさ、色んな人にお願いしたいから、声をかけてるっていってたよ」
「もしも旦那君が映像を作った側だとして、真剣に映像の感想を聞きたい気持ちなら、どこの誰とも知れない人に頼むかな？
ちゃんと答えてくれそうな人を老若男女選んでくれるバイト会社に頼むんじゃないかな。
ちゃんとした会社は、その辺を歩いてる人に頼もうとは思わないよね？」
「え？」
「…だからさ、詐欺だって。行かなくて良かったんだよ。もしも行ってたら怖い人に囲まれて・・・」

話すうちに旦那の表情がこわばっていきます。
「危なかった。客先に行く途中で良かった。付いて行かなくて良かった」。

でも、手口が変われば、旦那はどうせ騙されるんです。

さあ旦那よ。
乳製品のセールス、しっかり断ってくれよ🚩

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