旧課程は一気に記載してしまいましょう。


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細胞板が見られるのは植物細胞だけである。

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これはできないとダメ。

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浸透圧に関する問題。

浸透圧が0というのは蒸留水である。仮に植物細胞を低張液に入れても細胞内の濃度が0となることは考えられない。

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伝達が「化学的」シグナルであることが少し戸惑ったかもしれない。

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①→酸化マンガンは無機触媒である。

②→グルカゴンはホルモンである。

③→ペプシンは胃液に含まれる。

④→例えば光合成の各過程には酵素が必要である。

⑥→細胞内消化に関わる酵素はリソソームにある。

選択肢⑤は解糖系をイメージしていると思われるが,解糖系は生物Ⅰ範囲外である。やや範囲から外れた問題という印象。

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この問題はタンパク質が細胞質で作られるという知識がないと解けない。しかし,旧課程の生物Ⅰはリボソームや遺伝子発現は範囲外である。もし,タンパク質が核内で合成されると考えれば選択肢④なども可能性が出てくる。やや範囲から外れた問題となっていると思います。

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この問題が生物Ⅰの問題で今年最大の「?」な問題である。出題者は神経誘導などの形態形成に中心的な役割を果たす部分として出題していると思われる。しかし,原口背唇部とは原口の動物極側領域を指す用語だと思います(少なくとも教科書上は)。その場合dの選択肢④が正解ではない理由を見つけ出すことはできないと思います。もう少し説明が必要な問題であったでしょう。

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新課程と共通。受精後に灰色三日月が生じ,それを二分するように最初の卵割が起きること。脊索が神経管を誘導することなどを理解していたかどうかがポイント。

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②→原口背唇は主に中胚葉である。

③→初期原腸胚期では外胚葉の発生運命は未決定である。したがって,移植先の予定運命に従う。

④→初期神経胚期では外胚葉の発生運命は決定済である。したがって,移植前の予定運命に従う。

⑤→原口背唇が誘導するのは神経管,体節,腸管などであり,脊索は誘導されない。

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①→この選択肢は新課程と共通。次世代へ受け継がれるのは卵細胞のDNAだけである。

②→無胚乳種子でも重複受精は行われている。

③→植物細胞の雌性配偶子に卵黄は含まれない。この選択肢も新課程とほぼ共通。

④→雄原細胞は花粉四分子が分裂して形成される。この選択肢も新課程とほぼ共通。

⑤→被子植物の雄性配偶子は運動能力のない精細胞である。

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胚のう形成に関するDNA量を問う問題。まず,核相はわからないとダメ。問題はDNA量である。最初の花粉母細胞のDNA量が複製前なのか後なのかを見極める必要がある(本来は問題文で与えるべき設定である)。仮に,カをDNA複製後の花粉母細胞だとすると,花粉四分子になっても合計のDNA量は変化しない。そしてそれぞれの花粉四分子がDNA複製後,体細胞分裂して花粉となった段階ではDNA量は2倍になっているはずである。そして,花粉内の雄原細胞がDNA複製後,体細胞分裂をして2個の精細胞となった時点では花粉管核のDNA量は変化しないので,合計のDNA量はさらに1.5倍となるはずである。図2を見ると,花粉母細胞からDNA量が2倍,2倍,1.5倍と増加している。これを考えると最初の花粉母細胞はDNA複製前であり,キが「花粉母細胞(DNA複製後)~花粉四分子」。クが「花粉四分子(DNA複製後)~花粉」。そして,ケが「花粉(雄原細胞DNA複製後)~受粉直前の花粉」ということがわかる。

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RR×Rrの結果はRRRr11となるはずである。花粉四分子の時点では核相は単相なのでRrの花粉母細胞から形成される花粉四分子はR2個,r2個である。もしこの遺伝子が複相の時に働くならヘテロから作られる花粉は全て正常なはずである。しかし,異常なものが生じていることから単相になってから(減数分裂第一分裂後)この遺伝子は働くと考えられる。ただ,シの「花粉母細胞が減数分裂第一分裂を起こした時期」という表現がやや不明瞭である。分裂期は染色体が凝縮していて働くのは難しいことは予想できるが,さすがにその説明は文系も受験する科目としては通用しないでしょう。第一分裂が終わった時期と考えればシである可能性もやや残る。もう少し明瞭な文章にするべきであったと思います。