最後,第5問です。

問1
植物ホルモンの名称の問題。
アがやや入れづらいが,
イにはアブシシン酸しか入らないので,
そうすればアも問題なく入ったと思います。

問2
定番の光屈性に関する問題。
よく選択肢を見れば,明らかな誤りに気付けたと思います。
③…光のあたる側の成長促進→それなら影側に屈曲しちゃう。。。
④…図1のbのような差し方だとオーキシンの偏りはできるので,光の方に屈曲する。

問3
根の重力屈性に関する問題。
下側でオーキシンが多くなることは事前知識として欲しい。
そして,それが伸長を阻害してしまうので,正の重力屈性が見られることになる。
図3には根と茎に及ぼす影響を模式的に表している。
根は茎よりも低いオーキシン濃度で成長が促進されるので,
左の山が根だとわかる。
すると,fghのどれかが正解となる。下側の方がオーキシン濃度が高いので,
f-gかg-hとなる。
しかし,f-gでは下の方が成長が大きいとなってしまうので,g-hとなる。

ただ,この問題に関しては,選択肢⑤などもアリになる可能性が残る問題である。

茎のデータだから違うとえばそこまでだが,
上側と下側でi-jの濃度が与えられれば正の重力屈性はおきると読み取れる。

そういった点でもう少し配慮が必要であった問題だと思われます。

問4
花芽形成に関する問題。
表1で与えられているのは「日長」であることに注意。
これを暗期の長さに変換して答える必要がある。
Xは日長が長くなると咲いている。
ということは,夜が短くなると花をつける植物なので,長日とわかる。
同様にYは短日植物だとわかる。
Zに関しては,低温経験を経た後に長い日長(短い暗期)で花芽をつけている。
あとは丁寧に限界暗期を見るだけである。

問5
考察問題だが表2をきちんと見ながら判断していけば正解までたどりつくことができる。
ただ,今年度の問題の場合,時間のなかった受験生はこの問題をじっくり考える時間がなかったと思われるので,
正答率は低いと予想される。
台木・接ぎ穂のどちらかだけ花芽形成がおきている実験は無い。
このことからも,フロリゲンの移動は双方向に可能だと思われる。

また,Zの低温経験はZがフロリゲンを合成するには低温経験が必要だが,
別の種からフロリゲンが流れてくれば花芽が形成されることは上から4つ目5つ目の結果などから判断可能である。

表の読み取りに時間がかかるので,
いわゆるデータ処理に慣れていないと難しく感じただろう。



全体的に考察問題が圧倒的に増加したのが今年のセンター試験の特徴である。
これは(恐らく)新課程への移行することを見越した変更だと思われる。

今のご時世,ただの知識はパソコンを使えば誰でもすぐに手に入れることができる。
だからこそ,「どう考えるか?」という所に重きをおく学習の必要性を訴えるのが狙いなのでしょう。

ただ,この傾向は行き過ぎると,
「文章を読めれば,生物の知識無くても正解できる」
問題が増加することが懸念されるわけで。。。
恐らく,来年以降の新課程もこの傾向は変わらないと思われますが,
「本質的な」知識問題ももう少しあっても良いようには個人的には思います。。。