第3問

アサガオの葉の形状に関する複対立遺伝子の問題。
並葉遺伝子をA,立田葉遺伝子をB,柳葉遺伝子をCとすると,
A>B>Cという優劣関係であることを,
リード文から読み解く必要がある。
それさえできれば難しい問題ではない。

問1
下線部アのF1はAB,下線部イのF1はBCとなる。
この交配なので,子は
AB:AC:BB:BC=1:1:1:1となる。

これを表現型にまとめれば,
並葉:立田葉=1:1となる。

問2
問1で得た並葉(AB:AC=1:1)を自家受精する問題。
自家受精では同じ遺伝子型どうしの交配しかおきないことがポイントです。

AB×AB=並葉:立田葉:柳葉=3:1:0
AC×AC=並葉:立田葉:柳葉=3:0:1
となる。これを合計して,
並葉:立田葉:柳葉=6:1:1
と求まる。

問3
伴性遺伝でかつ遺伝子が3つの問題。
多少,作業が煩雑になるが,
根本的には難しい問題ではない。
野生型純系の雌がXGMFXGMF
ザクロ眼・小型翅・叉状剛毛雄がXgmfY

となる。
従って,この交配で生じるF1は
雌はXGMFXgmf
雄はXGMFY

となる。

このF1同士の交配の結果の雄をまとめたものが表1である。
このF1同士の交配によって生まれる雌には父親から必ずXGMF
が遺伝するので,必ず優性となる。
これで問3の正解は求まる。

このF1同士の交配によって生まれる雄には父親から必ずY
が遺伝するので,ある種検定交雑のようになる。

従って,このF1同士の交配によって生まれる雄の結果は,
XGMFXgmfの作る配偶子の分離比が現われていると考えて良い。

問4
表1が配偶子を現しているので,
剛毛を無視して,眼の色と翅の大きさだけに注目して
表1を整理する。
すると,[GM]:[Gm]:[gM]:[gm]=45.9:4.1:4.1:45.9
となり,組換え価は8.2%と求まる。

問5
表1で注目する遺伝子を代えて,整理する。
すると,GFの組換え価は12.3%,
MFの組換え価は18.3%%となる。
組換えかは距離とほぼ比例するので,
MF間が最も遠く,その間にGがくることがわかる。

現行の学習指導要領「生物Ⅰ」では
複数回の乗換えを加味しないとあるので,
本来なら小さい組換え価の足し算が遠いペアの組換え価と一致させるのが望ましいと思うが,
新課程移行も見越して,より正確にという意図があるのであろう。



問題を解く時間としては,
もっとも時間がかからない大問であったと思われる。

逆にここで時間を使ってしまうと,足りなくなることが予想される。