悪魔のように細心に


監督:李闘士男

原作:百田尚樹

ボックス!/百田 尚樹

¥1,869

Amazon.co.jp


出演:市原隼人、高良健吾、谷村美月、宝生舞、山崎真実、諏訪雅士、清水美沙、香椎由宇、筧利夫、兒玉宣勝、斎藤嘉樹、三浦アキフミ、川並淳一、石鍋正寿、板橋春樹、遠藤要、山野海、浦上莉苑、横堀渉、柊巴、亀田興毅

2010年/日本/126分

公式サイト

評価:★★★★★☆☆☆☆☆


流行りの高校部活もの。こういうジャンルは、基本的には好きなジャンルなので、ボクシングをテーマとしたものという以外は、全く予備知識もなしに見に行ってきたんだけど、市原隼人主演でTBSの製作となれば、大ヒットした『ROOKIES』の2匹目のドジョウを狙って作られた作品といったところでしょうかね。(もし、初めからそうと知っていれば観なかったかも知れません。(^^;)


ただ、これは『ROOKIES』というよりも、数年前に映画化された『ピンポン』とそっくりなシチュエーションで、ほとんど『ピンポン』のボクシング版と言ってもいい感じでした。原作は放送作家の百田尚樹が書いたベストセラー小説ということだけど、こんな盗作まがいのストーリーでベストセラーになるとは、いい商売しているなあと思いました。(笑)


だけど、『ピンポン』の場合は、卓球を取り上げた作品というのも珍しくて興味深かったんだけど、ボクシングを題材にした映画というのはこれまでにも沢山あって、しかも数々の名作も生まれているわけで、新鮮味もなければ、それらの作品ほどの感動もありませんでした。


それでも、前半はまあまあ面白く見れていたんだけど、途中からはだんだん飽きてきて、特にマネージャーの女の子がいなくなってからの後半はストーリーも一本調子で退屈でしたね。それに、個人的には主人公の市原隼人より、敵役を演じた諏訪雅士の方がずっとかっこいいと思ったんだけど、そっちのエピソードがほとんど描かれてなかったのも大いに不満でした。彼は役者ではなく現役のプロボクサーということなので、演技の方は最小限にという配慮だったんでしょうかね?


でも、試合のシーンは、『ピンポン』がCGで作られていたのに対して、こちらは吹き替えもなしの生だったようで、その点は少し評価できますね。ただ、ラストの臭い演出は余計で、その前の長回しの真剣なファイトがすっかり無駄になってしまったような印象を受けました。