イルフィーコを閉めて、早いもので1年半が過ぎました。
30代の青春を全て費やしたあの店舗は、
今も僕にとって特別であり、感謝すべき時間でありました。
(またいつかイルフィーコという名のレストランをやり始める計画もあります)
時代は目まぐるしく変化しています。
生き方や働き方にも多様的な選択肢が増えたし、
地域や都市にも様々な流れが生じています。
20代
ガムシャラに自分のスキルや知識を得る為に貪欲にやってきた。周りなんて関係ねー。
自分は天才だと思ってた。
30代は、
自分の存在を他者に知らしめるための戦略を常に思考して、実行してきた。誰も足を踏み入れない所に、誰よりも先に飛び込む事こそ、自分自身のアイデンティティであり、強みだと信じていた。
失ったものはたくさんあったけど。
それなりに、成果もあげた。
イルフィーコを閉める前。
『じゃあ40代はどう生きるんだい?』
と真剣に自問した。
惰性でやればそれで苦労しないし。
まぁ悪くない人生だと思うけど。
あの時点で、岐路に立った。
スタッフはほぼ全員辞めて。
3つの店舗と2人のスタッフと僕。
『よしやめよう!!!次に行く』
そう決断しました。
ところで次ってのは一体なんなのか。
40代の10年、僕は何を目指して生きるのか。
20代はガムシャラに知識を
30代は必死に自分の存在価値を示してきた。
じゃあ、これからの10年は?
答えの一つはこれ。
(株)シンプルプランの大切なチームメイト
僕は仲間と協力して会社をつくりました。
僕の次の目標は、
[他者の存在価値を高める]
ことにしたんです。
このテーマは難しい。
自分じゃない誰かの価値を高めることなんて、
おこがましいし、偉そうに聞こえるかもしれない。
でも、すこぶる意味がある。
人は何故に生きているのかを考えると。
僕の答えは一つ。
『自分じゃない誰かの為』の命。
或いは家族かもしれない
或いは恋人かもしれない
或いは友人かもしれない。
自分以外の誰かのために生きる事。
その誰かがまた誰かの成功のために生きる事。
そんな、他者の存在価値を認める連鎖が広がれば、人は自分自身をもっと強く愛する事が出来るんじゃないかと。
なぜなら、それはあなた一人の命ではないと知れるから。あなたのおかげで輝く命と、あなたの為に輝く命があるから。
大火傷を負っても大切な子供の為に、自分らしく生きようと料理を探求する女性シェフも
いつも明るく元気に。どんなに辛い事だって、明日には笑えるポジティブサービスウーマンも
挑戦と失敗を繰り返しながらも、自分の学びを止めない若きパティシエールも
デザインという武器でチームを鼓舞する、希望と野望溢れる感情豊かなデザイナーも
思いもよらない病気に悩まされながらも、
新しい挑戦を決意した若きシェフも
家族を守る為に、全てを捨て去って
覚悟を決めて次の人生を歩み始めたシェフも
地域の活性とチームの成功の為に
野心と責任を背負った女性経営者も
そんな人達の役に立てる存在に私がなれるのであれば、僕の選択に間違いはなかったはずなのです。
毎日、泣いて笑って悩んで苦しんで、
僕に携わった彼らが輝き。
僕はその光りを浴びて輝く。
たのしい10年になりそうです。
あっちゅうまですわ。