スキー場オープンのニュースも多くなり、いよいよシーズン到来です。
ウィンタースポーツは「寒い」「高地」この2点が他の競技とは異なる特徴です。
スケート競技は少し異なりますが。
寒さと高地で身体に及ぼす影響として、血管拡張能の低下に伴う血中酸素濃度の低下です。
先週記載通り、加齢により血管拡張能は低下します。
血管拡張能が低下しやすい、冬のシーズンでのスポーツでは、酸素供給能の低下にもつながり、
パフォーマンスを発揮できなる選手も多いでしょう。
それが倦怠感や疲労感として現れることもあります。
高地でのスキー競技では「低酸素環境における貧血状態」にもなることから注意が必要です。
高地による倦怠感を感じるアスリートはパルスオキシメーターを使用し、常に血中酸素濃度をモニタリングして
自分の状態をキチンと把握して無理をしないことが重要です。
(ハンディータイプのパルオキシメーターであれば個人でも2万円前後で購入できます。)
高地でも活発に活動できるアスリートは低酸素誘導因子(HIF)ファミリーと呼ばれる一群のタンパク質を多く持っていることがあります。
HIFは、赤血球の産生や毛細血管の発達を促すことで、より多くの酸素を筋肉に運ぶことができます。
有酸素性運動により血管拡張物質である一酸化窒素の産生を促進させることにより、血管が拡張し血流が増加させる方法があります。
末梢血管の血流が改善することによって体の冷えが改善されるというデータがあります。
スキー競技の場合、練習においても1本滑走するのに長くても5分以内だと思います。
その場合、呼吸数を減らし集中することも多々あるのではないでしょうか?
ほぼ、無酸素運動の繰り返しです。
練習終了後のコンディショニングトレーニングなどに有酸素運動を多く取り入れることをお勧めします。
しかし、常に運動しており、その改善が見られない場合は、血管の拡張能を向上させることに注力しすぎず、
練習中でもパルオキシメーターで血中酸素濃度を測定し、低地であれば携帯の酸素ボンベで酸素を取り入れ平常時の血中酸素濃度に戻すことが大切です。