最近、いや昔からですが、FBで、健康ビジネスをしている人の投稿をみていると情報が酷い。
今回も某芸能人のブログを引き合いに自分なりの解釈を加え、さらに、他のまた健康ビジネスの人の文を引用して、全く科学的根拠のない情報だったり偏った情報を拡散している。
表現の自由とはいえ、本当にいいのだろうかと考えてしまう。私は患者さんや家族とお話しする時に治療ガイドラインなど目をとおして、お話しをします。それは共通言語で話をするためです。私は医療従事者ではないので、治療の良し悪しは言及はしません。わからないですし、責任を取れないからです。しかし、そのような方は責任を取らずして、情報拡散しさらに提案をしていく。
例えば、偏った情報のひとつに、ある芸能人が遺伝子検査について書いてありましたが、それに対し、
「遺伝的には」そんなものはない。
生活習慣で予防できる。
遺伝の影響は5%と語っている。
⬆︎
たぶん、全体のがんの中で遺伝性のがんは5%ということを言いたいんだと思います。
5%のことはこちらをご参照ください。
今回は、もう少し、先を書かないとダメだと思うんですよね。
芸能人の方のブログには、はっきりとBRCA1,BRCA2の変異という単語が書いてあります。今回はその芸能人の方は変異は陰性で遺伝性の乳がんではないと書いてありました。
ちなみに乳がんの患者さんの10人に1人は遺伝性の乳がんと言われています。
NCCNガイドラインでは、BRCA1遺伝子またはBRCA2遺伝子に病的変異がある女性の生涯発症リスク推測値について、乳がんは41-90%、卵巣がんは8-62%と記載されています。
今回の芸能人の方のブログはお母様が乳がん経験者で自分のせいだと責めていること、お姉さんの不安。娘への不安という言葉が綴られていました。
本当に、遺伝子検査をすることは、理解できないくらい怖いし、勇気のいることだと思います。
真意はわかりませんが、自分以外のご家族への想いがあり、受けたことだと思います。
もし、その健康ビジネスの書き込みを見た人が、間違った情報を受けて、それをまた伝播していく。。。非常に酷いことです。
すでにその人のFBの書き込みには、
遺伝の影響なんて極わずかなのに。。。
というものもありました。
いつも、健康ビジネスの人のセミナーやブログを見ると、情報が30年以上のものであったり、断片的で、偏った解釈での表現が多く見受けられます。
前に某ジャーナリストの方のセミナーに友人のがん経験者とこわいものみたさで聴きに行きました。
セミナー後の質問タイムで、会場の化学療法の治療中の患者さんがいらしていて質問していました。
私は抗がん剤を今していまして、明日も治療にいきます。明日、行かない方が良いのでしょうか?
という質問に、
明日、病院に行くのはやめなさい、抗がん剤なんて打っていたら死ぬだけですと
はっきり伝えていました。
もちろん、このジャーナリストは医療従事者でもなんでもありません。
あまりにも無責任な発言に、私と友人は気分が悪くなり、途中で出てきてしまいました。
私は、医療は万能ではなく、限界があることも理解しています。しかし、正しさを押しつけるつもりもありませんが、間違えた情報で患者さんや家族が不利益を生じることが悲しく思います。
これから、超高齢化になり、健康や予防に関してはますます、人々が気になる話題かと思います。
自分も安心安全なものを口にいれたいし、選びたい。
もちろんアルコールなどたまにはジャンキーなものも口にすることはありますが。。。
健康ビジネスや予防ビジネスの研究者は、健康についてのエビデンスレベルの高い研究を期待したい。また、その商品を取り扱っている方は単なる西洋医療の否定や陰謀論の研究?だけではなく、しっかりと正しい情報を勉強して、
”悪意なき無責任”ではなく、価値ある良質な情報を是非伝えていって欲しい。
調べていくと、行動経済学や心理学と密接な関係がありそうなので、少し調べてみます。