昨日は今年度から合奏指導と指揮を任せていただいている母校中学のコンクール本番でした。B編成での出場ですが、めでたく金賞を頂くことができ部員、先生ともども涙出るくらいの喜びでした。私は30年来の夢だった、自分がホルンを始めた吹奏楽部をコンクールで初めて自ら指揮して金賞を頂けたので、やっと母校吹奏楽部に恩返しができた思いで最高に幸せです。
昨年はパート指導員として関わらせていただく中でコンクールの合奏も見せていただいたりアドヴァウスしながらの銀賞、その前の年は銅賞だったそうです。今の顧問の先生はそのまた前年度からの赴任で、そこからコツコツと部の改革を行い部活として子供達が自主的に運営できる体制作りに励んできたそうです。なのでその顧問の先生たちの努力が実を結んだ結果でもあったわけです。
部活というのは先生の私物ではないので、子供達が自主的に何をどうしていきたいのかを具体的に明確にし運営していける土台を顧問の先生は作っていき、その上で必要な専門性を持った私たち外部指導員を用意する、そして私たちの指導をより子供達が理解できるようにフォローしていく、それが大切だと思います。
1番子供たちと長く接していて一人ひとりの個性を理解しているのは顧問の先生たちですから。
この吹奏楽部はみんな部活内の様々な役割がきちんと機能していて、規律もきちんとしているけど緩みもちゃんとある。なので指導していてもみんなイキイキと楽しく活動しているのが嬉しいです。自分の時代もそんなでした。もっと緩かったけど。
さて、コンクールは曲が決まって練習を開始するのが実質6月くらいからになります。4月は勧誘、仮入部期間、5月ゴールデンウィーク明けに新人が決まりその指導も、そしてその最中にコンクールメンバー決めのオーディションがあり5月が終わります。そして試験があったりパート指導員のレッスンが入ったりしながら6月から本格的に曲の譜読みが始まり実質合奏ができるのは7月くらいから。そして外部指導員の私は年間回数および合奏指導は土日という制限があるので、月2など週1でも行かれないほど制限されます。なので夏休みのコンクール追い込み練習という1日3時間弱×数日の短期間でまとめないといけない。
合奏初期は譜読みと言っても音符を読んでるだけなのでダイナミクスも音符の扱いも何も出来てない。そこから基本的な音符の吹き方、体の使い方、フレーズの作り方、音程の取り方、バランスの取り方、果ては音楽とは、と言った話をしながら進めていきます。そして大事なのはみんなでスコアを見ながら曲のアナリーゼをすること。色々説明していくとみんなの目の色が変わる、演奏するときの意識が変わります。こういうことを本番までの限られた時間の中でもやる。そしてパート練習ではなくてフレーズごと、音型ごとに集まっての練習をする。みんなが曲の内容を理解するとそこから自発的に音楽を発信できます。指揮者にやらされるでなく自発的に。
しかしそうは言っても最初の譜読みが甘いとなかなか取れない癖があったり音のつながりが悪いところは改善されなかったりします。元々最近の部活動は時間が昔より大幅に無くなっているのでゆっくり基礎固めをしている時間がありません。頻繁に指導員も呼べないので大事な基礎が甘くなり、みんなどうしても曲の音取りに必死になります。しかしそういう粗い練習で集まってきた合奏体を「ダイヤモンドの原石」と見てきれいにカットして輝く音の合奏体にしていくのが私たち指導員の仕事なので、そこが楽しいとも。
今回は本当に直前まで色々そうした磨き作業に励みました。最後まで諦めない。夢を夢で終わらせない。みんなの中でどんどん「どうしたらもっといい演奏になる?」という向上心が大きくなり、でもみんなきっとそれを楽しんでいた。最後まで辛そうな顔を見たこともなかったし。なかなか音程が合わない、しっかりした音が出せないなどもありましたが、個人個人はわかっていることなのであとは待ってあげる。
コンクール当日、私も引率でみんなと駅に集合し会場に移動。久しぶりのコンクールの指揮をすることで自分も緊張気味。コンクールは「午前の1番」だったので集合時間も早かったので大変でした。でも会場のセッティングには余裕があったのでよかったかもしれません。意外と早くセッティングできたので舞台上で演奏開始まで3分ほど余ってしまい、係の方と指揮台の横で「もうやります?」「まだいいでしょ!」などと和やかにお話ししたりみんなに変顔して笑いを取ったり。
こういうリラックスタイム、1番も悪くないなと。
おかげでのびのびした音を会場に響かすことができたと思います。
とにかく頑張ってしまう子達なので、夏休み練習から特にフォルテを頑張りすぎないよう、音のベクトルは横、フォルテよりピアノ時の息をしっかり支えて。高い音は息突っ込もうとしない、ダイナミクスは音色感、音量はがんばらないでもホールが助けてくれる。とアドヴァイスして頑張り方の意識を変えました。
おかげで講評でも弱音次の音色感、アンサンブルの評価は高かったです。
今回の賞ですが、午前の部で金賞だったのはうちと最後の学校だけでした。その解釈は色々考えますが、何より思うのは、みんながとにかく楽しそうに全てのセクションで「こういう音楽を伝えたいんだ」という思いが自分たちの言葉として伝わったおかげかなと思っています。実際後日ある生徒は演奏中に「この演奏を終えたくないな!」と思っていたそうです。何よりだなあ。
こうして一昨年から銅、銀、金とステップアップを遂げた子達、みんなが選んだ曲もいわゆる「点の取りやすい」ものでなくごく普通のスウェアリンジェン的な、言ってみれば基礎力の問われる出来て当たり前!的な曲。曲を聞いて最初私は「賞を目指すなら基礎力ないからなあ、困ったなあ」と思いましたが、こういう曲を選んだことが本当は嬉しかった。曲として「好き」コンクールだからということではなく。そこに私のコンクールに臨む姿勢と共通するものがあるんです。みんなで楽しい、気持ちの伝わる演奏をする、結果賞がついて来る。もちろんコンクールだという意識はありますが、コンクールだから特別な曲を、ではなくて本当に自分たちが演奏したいと思う曲。これで金賞をいただけたので本望ですね。
みんな本当におめでとう🥇
学校あるある
7月上旬だったか、体育の授業かなにかで指を、腕を、骨折、捻挫する主要メンバー続出!みんな全治3週間のような診断で危うい状況でした。しかし本当に骨折が3週間で完治!「若いッ!」を感じました。子供の回復力ってすごい!
今日は3年生の仮引退式で今までやってきた曲たちをとにかく吹きまくる!そしてひとりひとり最後のあいさつをいただくというイベント。私も一緒に吹きまくりました!楽しかった!そして何人かからお手紙ももらいました。みんなありがとう!