同級生 | small planet

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日々の散文。
もしくは 独り言。

今日いつもの美容室に散髪に出向いたら、高校時代の同級生に会った。
彼女は二児の母になっていて、上の子の散髪に来たらしい。
カットが終って帰ろうとしたら声をかけてきた。
約17年ぶりくらい。

『私すぐわかったよ!変わってないね!ねぇ結婚したの?』
美容師さんと話していたのを聞いていたらしい。
『あなたが結婚するなんて思わなかった!びっくり!』
余計な御世話だ。(笑)  このセリフはみんなに言われて聞き飽きたくらいなもんだ。
私は、概ねの人から少々特性のある生き物のように思われながら生きてきた。なので、一般的な行為からは無縁だと思われている。
おかげで、結婚した相手にも結婚指輪さえもらえない。
『どうせいらないでしょ?あったってしないか無くすかのどちらかなんだしね。』こういう具合だ。そりゃねぇだろと心底言いたい!
まあそれでも気にはしていないが。
今何をしているのか聞かれたので、介護職のリーダーをしているという話や発表した事例のことなんかを簡単に説明すると
『えー!何してんの!?あんた書けるの?漢字読めるの?嘘でしょ!(笑)』なんていうのだ。
そうなのだ私は、変わり者のJKでありいじられるキャラで、見た目通りの人間で間違えても決して賢くリーダーなんてできるような人物ではなかった。
『おじいちゃんとかとちゃんと会話できているの?べつにーどうでもいいじゃんとか言ってんじゃないの?』

ただ心底嬉しかった。一気に子供に戻ったような気がした。
頭が悪くて、人づきあいが苦手で、人に意見も言えなかった蒼い時代だ。同級生のやんちゃな女子から可愛がられた時代である。
リーダー的存在の子にいつも甘えていたあの時代である。
だから、何を言われてもちっとも腹が立たなかった。むしろ嬉しかったくらいである。
ああ、私の中にはまだあの時の自分がいるのだな・・・と感じた。
格好のいい思想に胸を躍らせたり、後輩たちに姉さんぶって大人な発言をしたり、『リーダ』なんて呼ばれていても
私は、『ダメな人間』の自分がどこかで愛おしいし、甘えさせてくれる誰かと過ごす時間が楽しいと感じる生き物なのだ。

珍しく、私は自分から今の連絡先を伝えた。

私は、町で以前の同級生を見かけても声すらかけないし関わろうとしない。
なのに、『あの子(リーダーだった子)どうしてる?会いたいって伝えて。』
私は、あのころのトーンで伝えた。

あのころの私を知っている貴重な人物たちだ。

その美容室をでた私は、慣れ親しんだ年上の友人を訪ねた。
彼は、社会人になってすぐにであった友人で私の様々な時代を知る人物だ。
ユニークな人物で話しているとわくわくする。時に叱られ、時に喧嘩をしながら仲良くしてくれた人だ。
男性であるが、紳士的で時として乙女のように恋の話をしたがる。(笑)
その彼と、ガールズトークを楽しんだ。
私は、恋の話など人にはしない。
唯一、この人物とだけはそんな話をするのだ。最近婚約した彼女の話と私の結婚生活をネタに長いこと盛り上がる。

私たちは変わり者だけれど、実にシンプルで単純な人間だ。
だがしかし、素直ではない。なのでこっそりと恋の話をする。(笑)
たまにはいいではないかと思うのだ。
変わり者だという理由で指輪を買ってもらえなかった私の愚痴と、自分の事を一番に感じてほしいという彼の想い。
指輪も買ってくれないなんて恥ずかしくて他の人には言えないのだが彼には話せるのだ。(笑)

今日はとても良い日だ。

私は、あの頃も今も、十二分に弱虫の変わり者なのだと思う。