トガジュンにジョーンズ、岡崎京子。 | small planet

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日々の散文。
もしくは 独り言。

夜勤明けの頭がレイトで映画。観覧するのは『ヘルタースケルター』である。 
岡崎京子の同名コミックの映画化である。
私の青春の一冊。たぶんリアルタイムの世代ではない。後期の時代に私は高校生であったのだから。
桜沢エリカもかっこよかったが私は断然と『岡崎派』であった。
こずかいの少ない高校生の私は、アルバイト代の中からワイド版のコミックを買い集めた。
あまりにも好きすぎて、高1の夏に国語の授業である実験をした。

当時60手前であろう国語教師がオリジナル小説を作るという授業を試みたので、私は畏れ多くも
岡崎の書いた話を少しだけアレンジして提出した。彼女の描く世界観のかっこよさが先生に伝わるかを実験したのだ。
同級生にバレル心配はなかった。なぜなら、ド田舎の高校の女子が岡崎京子を知っているはずなどないと確信していたからだ。
同級生はみんな、「いくえみ綾」が大好きだ。 
ぶっ飛んだ岡崎派は、唯一、私だけ。先生の評価はすぐに下った。

大絶賛である。(笑) そして最高点の10をくれた。
私がニンマリしたのは言うまでもない。同時に、岡崎京子のすごさを痛感した。
60手前の『おっさん』までもを魅了させる彼女はやっぱし凄い!馬鹿な高校女子の私はそれだけで興奮した。

そんなことを思い出しながらヘルタースケルターを観ていた。
週末だからか遅い時間にも関わらず客足は多い。そのほとんどは、異性を同伴している。
一人でいるのは私くらいのもんだ。
しかし、私は思うのだ。
岡崎の描くお話も、蜷川の撮る作品も、『女子』のためだけにあるような気がしていると。
気軽に恋人と観ているとl心の置き場を持っていかれる。(笑)
本気で触らないと『喰われる』ような代物だ。そしてまたそこが格好いい。
映画の『ヘルタースケルター』は、岡崎の描くそれと一味違う風味がしてこれまた格好がよろしい。私は、気がよろしい。
なのに、それでいてバリバリのエンターテイメントである。エリカ様の最高なことと言ったらない。
岡崎の描く『瞳孔開きっぱなし女子』を見事に表現している。寺島しのぶの犬のような忠実さも圧巻。

そして、私は無性にある人物の音楽を聴きたくなった。実家の押し入れにしまいっぱなしでなかなか聞くことのできないあの方。
そう、『戸川純』である。あの妙に格好よくイカれた歌声に出会いたくなったのだ。
遠藤ミチロウのトリビュートの『カノン』を聴くたびに切なくて泣きたい気持ちになるのは私だけだろうか?(笑)

『泳ぐことは頭をぶつけることだ 見ているあなたに痛さはわからないだろう・・・』
ミチロウも最高でありトガジュンもまた最高となる。

そして私は、また気づくとタワレコにいるのだった。(笑)
一度に二枚もアルバムを購入できるなんて、まぁ!なんて大人!!

戸川純とおまけにもう一枚。格好良い音楽を。それは、『ノラ・ジョーンズ』。

岡崎京子を思い出し、短い髪の毛で「金田サカエちゃん」のように感じながら「リバースエッジ」に心奪われた時代を懐かしんで
戸川純を聴こう。  なんて麗しき私の休日!


今宵も私の妄想はとどまることなく頭脳を騒がしくさせるのでした・・・。