久々のネタは2004年のアメリカ映画。『記憶の棘』(きおくのとげ、原題はBirth)
<あらすじ>
未亡人であるアナは、10年前に夫ショーンを突然の心臓発作で亡くし、
その悲しみが癒えるのを何年も待ってくれていた恋人ジョゼフと
再婚する決意をした。
しかし、アナの前に、自分はアナの夫のショーンだと称する
10歳の少年が現れる。
とってもよかったから、他の人の感想は?って思って、
ネットで調べたら、意外にも少年ショーンは夫の生まれ変わりじゃないとか
どちらかわからないように作ってるっていう意見が多かったので驚きました。
あれ?どこでそんな風に思っちゃったのかな?と思い、
もう一回見直してしまいました(^_^;)
アナ(ニコール・キッドマン)の夫がジョギングの途中の
トンネルで倒れるシーンから始まります。
タイトルUP 『Birth』
そして、水中出産で生まれる赤ん坊のシーン。
10年後、夫ショーンが亡くなったことがわかる
アナのお墓参りのシーン。
車にはアナを待つ婚約者ジョゼフ。<写真は省略>
ジョゼフとアナの婚約パーティー。
断られ続けてもアタックしてきた
いきさつをスピーチするジョゼフ。
幸せそうな二人。
このアパートで家庭教師をしている父親を
1階で待つ少年ショーン。
亡くなったアナの夫ショーンの大親友クリフォードの妻、クララ。
パーティーに持参したプレゼントにリボンを忘れたと
夫を先に行かせる。
クララに何かを感じたのか後をつける少年ショーン。
プレゼントの包みを埋めるクララ。
このあと、クララはお店でプレゼントを買い直していました。
翌朝、いつものようにショーンの友達が呼びに来る。
でも、何かを考え込むショーン。
クララが埋めたものはアナが夫ショーンに書いたラブ・レターだった。
ショーンはそれを読んだ後だったのかもしれない。
ここが、ショーンは生まれ変わりでなくラブレターを読んだから、
自分が夫だと錯覚してしまったんじゃないかと思われる
余地なんですねぇ!ラブレターがきっかけだとしても少年ショーンの中の夫ショーンが
目覚めた。もう、今までの10歳のショーンではないのです。
アナに会って、自分が夫のショーンであることを伝える。
アナが動揺しているので、不愉快な婚約者ジョゼフは
少年ショーンの父親のところへショーンとアナを連れて、
もう二度と迷惑を掛けないように注意する。
学校に遅刻して先生に怒られるショーン。
でも、もう表情が大人。
そして、アナにあの場所で待っていると電話する。
ショーンは夫が亡くなった公園のトンネルで待っていた。
アナはまだ信じられず、
「じゃぁ、私にサンタはいないと言った人は?」と質問する。
ショーンは「知ってるよ。でも名前はわからない。会えばわかる。」と答える。
逃げ去るアナ。
ショーンはアナに「義兄のボブ(アナの姉ローラの夫で医師)に
自分が夫のショーンかどうかを確かめさせるといい。」と言う。
ショーンはボブのことをよく知っていた。
家を構えた理由は失業したからかとボブに言った。
「子供が生まれるからだよ。」
「わぉ、君たちには子供ができないんだと思ってたよ。」
アナの夫のショーンにしかできない反応だったと思う。
アナとショーンしか知らないことを教えてと言ったら、
ボブの家の緑のソファーでsexしたと答えた。
そして、真偽を確かめる為、少年ショーンと母親はアナの家に呼ばれる。
アナの家のメイドに無意識に
「ありがとう、リー」と言っているのをみんな見逃さなかったハズ。
その言い方がいつものショーンと同じだったに違いない。
妊婦の姉ローラは結婚前の妹アナの幸せを壊そうとしている
少年ショーンに敵意をむき出しだ。
それとは対照的に夫のボブは内心、
少年はアナの夫のショーンだと信じているような
優しい表情でショーンを迎えている。
そして、ある女性が、ショーンに聞く
「私が誰かわかる?」
「わかるよ。」
「名前を知ってる?」
「知らない。でも、アナにサンタはいないと言った人だ。」
トンネルでアナがショーンに出した問いの答えだった。
そして、アナの手紙では知りえない答えだ。
ショーンの親友クロフォードにアナは少年が夫の
ショーンであることを願ってしまう自分を
止めてほしい、少年に会ってと懇願する。
アナの夫のショーンの生まれ変わりかもしれない少年が
現れたことに動揺するクララ。
クララはアナの家に行く。
そして、ドアの前にいたショーンに手が汚れてるから
洗面所に連れてって一緒に入るように言う。
手を洗い、手を拭いてと言う。
ショーンは自然にクララの手を拭く。
クララは自分の新しい住所をショーンの
手に書く。
ショーンは言う。「アナには内緒だ。」
このあたりで、ショーンのクララの記憶も蘇りかけてる。
クララにもわかったハズ。
少年は自分が愛した男ショーンだということが。
でも、クララは許せない。
もし、本当にショーンなら、アナの所ではなく
一番愛したクララの元に真っ先に来るハズだから。
だから、クララにとって少年は偽物であるべきなのだ。
自分が埋めたアナからショーンへの手紙を読んだから
いろんなことを知り得たんでしょ?と言ったのもそのため。
手紙はショーンがアナを愛してなくてクララを愛している証に
クララに封も切らずに渡したものだった。
ショーンは全てを悟った。
夫ショーンはアナの愛を裏切っていたこと。
だけど、少年ショーンはアナを愛している。
アナを愛しているから、自分は夫ショーンであってはいけない。
もし、自分が夫だと主張すれば、
クララがアナに真実を言ってしまうから。
ショーンはアナに自分は夫ショーンではないと告げ、
10歳の子供として、生きることを決意する。
ラスト、ショーンのアナへの手紙のシーンで
ショーンが学校で写真を取られる時、
子供らしい笑顔を作るのが痛々しい。
アナもジョゼフもボブもクララもわかってる。
ショーンがショーンの生まれ変わりであること。
でも10歳の子供に生まれて来てしまった・・・。
ショーンの手紙に書かれていた言葉。
いつか、別の時代に生まれ変わって出会いたい。